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詩歌

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自作の詩・短歌・長歌。東方Project二次創作含む。
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2024年9月の記事一覧

詩 殻の中

詩 殻の中  きみの心に突き刺さったささくれを抜いてあげるのに、強い拒絶をするのはどうし…

詩 本物の光

詩 本物の光  星が出ていた、月が出ていた、ありもしない記憶の浜辺を照らしていた。  ぼ…

詩 本当は、

詩 本当は、  本当は死にたかったのではありませんか。  恥や後悔を感じるたびに、その声…

詩 涙雨

詩 涙雨  涙雨、わたしを焼いてください。  世界の瘴気に、からだが摩耗しきるまえに。  …

詩 信仰

詩 信仰  信仰を見失ってしまったのですね。  手慰みに電子の光を眺めている瞳には、諦め…

詩 不文律

詩 不文律  剥離できないこだわりと  横溢する世界の要望、黄金の不文律が  沈み込んで混…

詩 無色透明の烙印

詩 無色透明の烙印  知らなかった、で済まされない  はずだった、ことが生涯に横溢してる  井戸を埋め尽くす債務不履行の残滓たちが  ふだんは秘かに、存在さえ疑わしいほど  きわめて静かに、まるでいないかのように  けれどけっして消せも落とせもしない烙印として  壁面にも水中にも漂い尽くしている  無色透明で無臭な存在が  あるとき、炎色反応を起こして  色づいたら 急峻に 爆発を遂げる  それは 眠れる猛獣  それは 静謐な悪魔  それがいまだに息づいているのは  あの日

詩 電波暗室

詩 電波暗室    慰みに手に取ったあなたが  中心を置き換えてゆく  休み休みに手を伸ば…

詩 翼の簒奪

詩 翼の簒奪  翼の簒奪は  わたしの一部を誘拐して  みずからの懐に 隠してしまった  …

詩 描き手

詩 描き手  ぼくらはやがて星を描けるだろうか、星というのは  もはや夜空で留まっている…

詩 回路の熱

詩 回路の熱  曖昧模糊な思考回路が常にわたしの肉体を焼いています  願うほど太陽は遠ざ…

詩 トゥルー・カラーズ

詩 トゥルー・カラーズ  雨上がりに整列するのは、四季折々、陰陽五行の皆々様が持つ、本来…

詩 一夜の狼

詩 一夜の狼  鋭利な加害は  いままさに伸びていて  憚らぬ天幕は  いままさに伸ばされ…

なるたけ前向きな、さようなら

 東方Projectの二次創作詩集『境界渡り beyond boundaries』を頒布します。  詩集の表紙イラストはうずみび(@bankedfireXXX)先生です。厳しいスケジュールの中、みかづき星雅が体験した出来事を反映した、素晴らしいイラストを仕上げていただきました。絶えなく感謝です。  お別れの詩集、と題打ってXで告知を打ち出しましたが、「お別れ」というのは、この詩集の制作最終盤に出てきた語彙です。はじめは「負い目」とか、「隣の芝生」とか、「選べなかった未来」