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髪型みうらじゅん氏化が私の性別を多様化させる

女性フェロモンが足りないのだろうか?時々自分の性別を見失うことがある。

年齢を重ねたからというわけではなく、幼少の頃から「女の子なんだからちゃんとしなさい」と注意されるたびにハッとして自分が女だということを思い出していた。

そんな私もお年頃になるとかわいいものにときめいたり、身だしなみを整えたりして女子生活を満喫していくのだが、私の順調な女子化を妨げる一因となっていたのが髪型だった。

細く毛量の少ない猫毛で顔周りの生え際に強い癖のある私の髪は、洗って乾かした直後やブラッシングをした直後こそフワフワッとボリュームが出てゴージャスになるのだが、そこから2〜3時間も経つとシュンとしぼんでペッタンコになってしまう。

学生時代、ベリーショートにしていた頃の写真を見返すと、輪郭と髪型が馴染みすぎてどんぐり君のようになってしまっている。毛にコシがないから根元が頭皮に沿って寝そべってしまうのだ。

それでも頑張ってロングにしたりパーマを当てたりして女子力を上げようと努力を重ねるのだが、30代も半ばになると手入れが簡単なショートボブに落ち着いてしまう。

会社勤めをしていた時期とショートボブの時期が重なるのは、その頃の生活スタイルに合った髪型だったからだ。2〜3ヶ月に一度美容院で毛先をカットしてもらえば清潔感は保てるし、洗ったり乾かしたりするのも簡単。仕事や飲み会で疲れて帰宅してから就寝までの時間がロングの頃と比べると数段に短縮された。


その頃はもう一生このままショートでいいやと思っていたのだが、会社を辞めて時間に余裕が出てくるとまたロングにしたい欲が疼いてくる。そこはほら、女の子だもん。束ねたり巻いたりして髪型で遊んでみたくなっちゃうのです。

そこで髪を伸ばそうと試みる。

2〜3ヶ月に一度通っていた美容院を一度パスしてみる。伸びてきた髪をピンで止めたりコテで巻いたり、短いながらもくくってみたりしながら伸ばしていく。二度目の美容院をパスする頃には肩上まで伸びているのだが、問題はここから。

くくったりピンで止めたりしている髪を解くと毛先がフワッと広がり、頭頂部から輪郭に沿って下の方が広がっている。

帰宅して風呂に入る前、コンタクトを外してメガネ姿で部屋をウロウロして気を抜いているときに偶然ガラス戸に映った自分の姿に目をやると、そこにはなぜかみうらじゅん氏が。。。はぁ?なぜみうら氏が??私の服を着て私の部屋に?

髪を伸ばそうと頑張っているときに彼は必ず現れる。なぜみうらじゅん氏なのかは分からない。別の誰かでも良い気はするのだが、なぜかいつもみうら氏なのだ。

髪の裾の広がりがみうらじゅん氏化の要因ではないか?と気づいた私は毛先にオイルやムースをつけて広がり縮小化を図ってみた。すると今度はダダが出現する。

ダダって知ってます?あの白黒宇宙人のダダさんです。詳しくは円谷ステーションでどうぞ。

ダダまで出てくるともう気力が湧かない。みうらじゅん氏は男性だし、ダダに至っては宇宙人。昨今の多様性やLGTBQ+の流れに乗っているつもりは全くないのになぜか私の性別は多方面へと広がっていく。女子で留めて置けない理由はなんなのか?


とまあ、そういう流れで三回目の美容院はパスせずにしっかりさっぱりと切ってもらいに行くことになる。私のロングへの道のりは長く遠いのでありました。くぅ〜。

美容院で毛先を整えながら伸ばすという手もないこともないが、美容院の鏡の前で「今日はどうされますぅ?」と聞かれると、すっきりさせてくださいと言ってしまう。すると美容師さんの目がキラリと輝き、どれくらい切りますか?と尋ねられるともう降参だ。煮るなり焼くなり好きなようにしてくれぃ!ってやんでぃ。

顎のラインで切り揃えた私の髪はツヤツヤに光り、健康的な弾力で軽く揺れる。いつもと同じだけどこれが一番しっくりと馴染むのだからしょうがない。


どうしたものかね〜。



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