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ヘルメット治療を結局開始しました【斜頭/中等度】

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決断した理由

あれから結局、娘はヘルメット治療をやることになった。
念のため、大阪のとある病院の「あたまのかたち外来」でセカンドオピニオンを求めたところ、重度寄りの中等度と診断。Gradeは1~6のうち5(後頭部の平坦化+耳の位置の左右差+前頭部、頬、頭頂部の突出)で、ここでもヘルメット治療を勧められた。

娘の向き癖は筋性斜頸由来なので、向き癖が治る可能性も、自然に軽度になる可能性も低いのではとのこと。

頭の形はマシにはなるが完璧なまん丸にはならないし
耳の位置はヘルメットではあまり戻せないらしい。
ヘルメット治療は、頭の成長過程で平らになってしまった部分の膨らみを促すことで、自然と丸くする仕組みになっているが、
娘の場合頭囲の成長が既に失速気味なので、どれほど効果があるか分からない。

税込45万円と高額なのに、無駄に終わるかもしれない。我が家は裕福ではないし。
でも、やらぬ後悔よりやる後悔と思い、治療に踏み切ることにした。
その病院は雰囲気が良く、600人以上の赤ちゃんのヘルメット治療を行ってきた実績があるので、そこでやることにした。

受診当日はヘルメットを装着した赤ちゃんが沢山来ていて、自分達だけじゃないんだ!と安心した。
ヘルメットを被れなくなった子や、治療効果がなかった子、悪化した子はこれまでにいないとのこと。
ヘルメットをずっと被らせるのは本当に可哀想だけど、
娘の場合は10月スタートなので、秋冬であれば皮膚トラブルが少なく、きちんとケアしてあげれば何とか乗り切れると思った。

オーダーメイドのヘルメット

まず、先生が病的な頭蓋変形でないかどうかを、エコーやCT等で確認した。問題なかったのでヘルメット治療に進むことになった。同意書にサインをして、使用するヘルメットを選んだ。
病院では3種類のヘルメットを導入しているが、スタンス社(日本製)のヘルメットを勧められた。実際9割の患者さんがスタンス社を使用しているとのこと。

https://hstancekobo.wixsite.com/stance-ltd

ヘルメット本体の色はホワイト、ベルトカラーは水玉黒×黒にした。

次にLEDスキャナーでヘルメットの型取りをされた。椅子に乗せられ、くるくる回される娘。
泣いていて可哀そうだったけど、その光景が面白くて可愛くて普通に笑ってしまった。

ヘルメットが完成し、病院に届くまで2週間程かかるので
その間頭の形がこれ以上悪化しないよう、自宅でリハビリをした。
向き癖と反対方向を向くように工夫したり、背中の緊張を左右均等にするタクティールケアを実施したり、タミータイム(うつぶせ遊び)の時間を増やしたり、なるべく横向きで寝てもらったりした。

2週間後、病院にヘルメットが届いたので取りに行った。医師立会いの下、ヘルメットの制作会社の方に微調整をしてもらい、自宅で装着を始めた。

可哀想だった慣らし期間

ヘルメットによる治療効果を得るためには、1日23時間×5~6カ月の装着が必要だ。ただ、いきなり23時間の装着は難しいので、5~7日間かけて装着時間を徐々に伸ばしていく。これを「慣らし期間」と呼ぶ。
最初は1日2~3回(1回1~2時間)を目安に装着。【第1段階】
起きている時間の大部分を装着したまま過ごせるようになったら、昼寝の時間も装着する。【第2段階】
ヘルメットを装着して3~4回昼寝を経験したら、夜間を通じての装着を始める。【第3段階】
夜間の装着を2~3日経験することで、殆どの子供がフルタイムで装着できるようになる。【第4段階】

その後は1日23時間装着し、3~6週間ごとに診察&ヘルメットの微調整や頭の左右差の計測をしてもらう。

ヘルメットは毎回
・ストラップが固定用リベットにてしっかり固定されているか
・スポンジがはがれていないか
・ネジのゆるみはないか
の点検が必要。

皮膚トラブルを防ぐため、2~3時間ごとにヘルメットを外し、頭の清拭を行う。同時にヘルメット内部をアルコール消毒し、装着前に完全に揮発させないといけない。
皮膚が乾燥していると湿疹が出来やすいので、入浴後頭を乾かした後、病院に処方された保湿ローションを塗布する。
これが慣れないうちは手間に感じた。ちょうど離乳食の開始と重なったので、一気に負担が増えたように感じた。

装着開始から1週間はこの慣らし期間だったが、早速問題が生じた。
初日から、仰向けに寝た時にヘルメットが時計回りに回転して、左耳が折りたたまれるぐらいずれてしまう。
病院で、目が完全に隠れるぐらいヘルメットが回るようであれば緩すぎるから調整が必要と言われたけど、左目も早速隠れてしまった。

本人も気持ち悪いのかぎゃん泣きしてしまい、抱っこして何度も「ごめんね、ごめんね…」と泣きながら謝った。
(でも、いつの間にか装着したまま昼寝して、起きたらニコニコしていた。初日から凄い)

そういえば、仰向け寝時の調整がなかったな…と後になって思い出した。
寝かせた時にこんなにズレるなんて思わなかったし、プロだから寝かせた時の状態も考慮して調整してくれたものと思っていた。
電話で状況を説明したところ、再調整が必要との判断になり、1週間後にわざわざ大阪まで行く羽目に。

手間だし、こんなヘルメットで慣らし期間を頑張ったところで治療効果があるか(かえって頭が変な形にならないか)不安だったし、何よりも娘が可哀想だしで、はらわたが煮えくり返った。

そんなヘルメットで、何度も何度もズレを直して大変だった。夜中も起きて直したので寝不足になった。(それでもやっぱり左耳が折りたたまれたまま朝を迎えることもあった)
でも、努力の甲斐あって1週間後には1日約23時間の装着が可能になった。

待ちに待ったヘルメットの再調整

いよいよ待ち望んでいた再調整の日を迎えた。担当医の前で、ヘルメット会社の人に対し「就寝時の装着が最も重要なのに、なぜ仰向け時に調整しなかったんだコノヤロー」等とクレームを入れた(というのは冗談。コノヤローまでは言ってない)
ちゃんとした謝罪はなく、うまく胡麻化された感じだったけど、
左右差を計測したところ、治療前は14mmだったのが12mmになっていた。これを0に近づけていくことが目標なので、たった1週間装着しただけなのに既に2mmも良くなっていたことに驚いた。

ヘルメットが回らないよう、内側に柔らかいスポンジを入れてもらった。平らになっている右後頭部にスポンジを追加されたけど、とても柔らかいスポンジなのでこれが頭の形を変形させることはないらしい。
さらに、左耳の付近も少し削ってもらった。
仰向けに寝かせたところ、ヘルメットが回って左耳が折りたたまれることはなくなった。

正常な左側に空洞があるのも気になっていた(本来は成長しないといけない右側に余裕が必要なのでは?と考えていた)けど
娘の頭の構造上、ある程度左側に余裕が出来るのは仕方ないことで
左側を押さえつけて成長を妨げるのも良くないので、左側にもある程度の隙間はあった方が良いとのことだった。(左が右と一緒に成長してしまうことはないらしい。平らな右側の方が左に追いつく感じになるとのこと)

ヘルメットの不快感でかえって向き癖が酷くなってしまった(完全に顔を右側に向けて寝るようになってしまった)ことについては
「ヘルメットをしているから、中に空洞が出来ていてちゃんと除圧されているから大丈夫」と言われた。
(確かに、向き癖を気にしないといけないのならヘルメットの意味ないよね…)

ヘルメットに厚みがあるので、首が少し持ち上がっていて舞妓さんの箱枕みたいな状態になってしまっているのも気になった。安眠出来ないんじゃないかって..
首と布団の隙間を埋めたら少し楽になるんじゃないかと思い、ミニタオルをぐるぐる巻きにしたものを入れていたけど
お医者さんからはヘルメットのズレの原因になるので何もしないでくださいと言われた。
枕も何も使わず、フラットな布団にただ寝かせてくださいと。

次はまた1週間後に、1回目の診察で来院することになった。
娘がこんなに頑張っているのだから、絶対に結果を出してあげないと…と自分に気合を入れた。

またまたトラブル

ヘルメットはだいぶマシになり、何もかませなくても熟睡できるようになった。赤ちゃんの適応力は凄い。
でも、新たな心配事が生じた。

まず、向き癖の右側を向いて寝ている時に、左側が浮いたような状態になってしまう。
そして、ヘルメットの後方についているベルトを止めるマジックテープが若干むき出しになっているせいで
布団やタオルに引っかかってしまい、首の方向転換が出来ずに夜中に起きて泣き出すことが増えてしまったのだ。
寝入る前に首を左右にブンブンと、激しく降るようにもなった。
遂にほんの少しだけではあるが、汗疹も出来てしまった。

汗は時々かくので、汗疹が出来ないよう細心の注意を払っていただけにショックだった。
時々手で頭を搔くようになった。
その状態でヘルメットを被せるのは可哀想だし、汗疹が実際に出来ないと薬は処方できないと言われてしまったので
仕方なく以前小児科に処方してもらったエキザルベを塗ってみたところ、汗疹が落ち着いた。
(本当は勝手に使っちゃいけないけど、一応Chat GPTで頭に塗って良いか聞いてみた。問題ないとの回答だった 笑)

1回目の診察と、ヘルメットの再々調整

再び待ちに待った来院。
ヘルメットの不具合を一通り伝えたところ「頭蓋の成長を阻害しないようヘルメットに余裕をもたせているので、多少回ったり、前後にずれたりするのは仕方ない」とのこと。左側が浮いている時の写真を見せたところ、問題ない範囲との回答だった。
マジックテープは位置を調整してもらい、汗疹の薬も処方してもらった。

そして、左右差の計測。
何と先週からさらに1mm縮まっていた。見た目上は変化ないので、本当か??と思ったけど…
頭囲が著しく成長しているので、それに伴って左右差も順調になくなってきているらしい。
少し安心した。

初日(10月9日)


約2週間後(10月21日) 全くわからん…

今後頭が大きくなったり、形が良くなったりするのに伴い、
ヘルメットがまた合わなくなってくるので、何度も調整が必要になるとのこと。
ヘルメットはまさに、親子二人三脚で取り組まないといけない治療なのだ。
今後も沢山の困難に直面するかもしれないけど、5か月での卒業を目指して何とか頑張りたい。

ヘルメット治療を後押しした言葉

ヘルメットで寝付きが悪くなった娘を見て、最初は泣いてばかりだった。
娘に辛い思いをさせてまでこの治療をするのは、親のエゴなんじゃないかと考えたこともあった。
でも、母や妹は「筋性斜頸のせいで向き癖を直すのは困難だったから仕方ない」「今は辛くても、将来絶対に感謝される日が来るよ」と背中を押してくれた。
高額な治療費を払い、仕事が忙しい中毎回時間休を取って病院に連れていってくれる夫にも感謝。ヘルメットの着脱や清掃も手伝ってくれてありがとう。
 
そして、このnoteで知り合った、ヘルメット治療経験者であるさやさんにも本当に助けられています。ご自身の経験談を沢山話してくださり、何度も安心することが出来ました。
「ここから数ヶ月間大変だと思うけど、その頑張りは必ず結果となって現れる」「今が頭大きくなる時だから、大変だけど必ずよくなる」という言葉に凄く励まされました!
本当にありがとうございます、そしてこれからも宜しくお願いします 泣

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