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【読書感想】熟睡者/クリスティアン・ベネディクト、ミンナ・トゥーンベリエル

「熟睡者」こちらの本、読みました。

睡眠関連の本は今回で14冊目です。
これまでの睡眠関連の記事は以下マガジンにまとめています。


本の内容

まずはAmazonから本の内容を抜粋します。

世界の睡眠研究を知り尽くす最強の2人がついにタッグを組んだ――
スウェーデン発 最高峰・最高密度の「睡眠本」 日本上陸!
■睡眠研究者が「今、知っていること」全部をまとめた
 今・世界で最も詳しくて役に立つ本!
■「眠っている間に起きていること」がわかる!
ぐっすり眠るティップスの数々!
読めば「眠り」がたちまち変わり、
脳から足先まで、自分史上最大に回復できる!
「Sleep Science Lab」を率いるスウェーデン・ウプサラ大学の神経学者と
健康問題を20年追ったヘルスジャーナリストが睡眠の質を高める熟眠術を伝授!

こんな感じの本です。

翻訳本に少し苦手意識があったのですが、本書の訳は読みやすかったです。

「ぐっすり眠るティップスの数々!」の通りで、ティップスの数が多くて1つ1つはそこまで長くないです。
端的に書かれている印象で、それが読みやすさに繋がっているかなと。

著者情報

本書は「クリスティアン・ベネディクト」と「ミンナ・トゥーンベリエル」お二人の共著です(敬称略)。

お二人の著者名でそれぞれネット検索したところ、いくつかヒットしました。
リンクしておきます。

クリスティアン・ベネディクト

ミンナ・トゥーンベリエル

いくつか引用と感想

毎晩無料で「とんでもない効果」が手に入る

だが睡眠の最も優れた点は、「無料」ということにつきる。時間さえ不要だ。というのも、余分にとった睡眠は翌日、高いパフォーマンスという形で1000倍になって返ってくるからだ。
しかも、睡眠の改善は簡単に始められる。高級フィットネスクラブも、リゾートホテルも必要ない。夜、心地よい自分のベッドにもぐり、目を閉じて、夢の国を訪れるだけで十分だ。

「毎晩無料」というのは、なかなかのパワーワードだなと思いました。
毎晩無料でとんでもない効果が手に入るのに、その睡眠を削ってしまうのはもったいないですよね。

「1000倍」というのは大袈裟な気がしますが、睡眠を削っても良いことなしなのは納得です。
睡眠時間を削って仕事なり遊ぶ時間なりを捻出したい気持ちも分かるのですが、睡眠時間の確保はなによりも最優先すべきかなと思っています。

私も睡眠時間を削って長時間残業していた過去があるので、今後はそうならないように気を付けたいところです。
睡眠時間を削っていた時期は、仕事のパフォーマンスもかなり悪かったはず。

睡眠不足が長期間続くと、パフォーマンスが高かった頃を思い出せなくなります。
それによってパフォーマンスの低下に気付きにくいんだろうなと。

「生産性」「感情」すべてめちゃくちゃになる

アメリカ・アリゾナ大学医学部の研究で、睡眠の時間と質の不足は、仕事上の成果であれ家事であれ、つねに生産性の低下をともなうことが証明されている。
研究者たちは、不眠症(3か月間、寝つけない・睡眠の途中で覚醒してしまうといった問題が少なくとも週に3回ある状態)の症状が、生産性に極めて強い影響を与えると指摘する。中度から重度の睡眠障害をもつ人では、睡眠に問題のない人に比べ、生産性が107%以上低下することが観察されたのだ。
軽度の睡眠障害を抱える人でさえ、58%のパフォーマンス低下が認められている。
睡眠不足が引き起こすのは、パフォーマンスの低下にとどまらない。感情面にも影響が出る。
睡眠が足りないと人は不安を感じやすくなり、衝動的で短気になり、傷つきやすくなる。これらは当然、プライベートや仕事上の関係にも弊害をもたらす。
それに加え、つねに疲れた顔であくびを繰り返し、目の下にクマのある状態で人前に出たなら、相手に与える印象もまるで違ったものになるだろう。

睡眠不足のデメリットがたくさん列挙されているのが良いなと思い、引用してみました。
先ほども触れましたが、仕事が忙しかった時期に睡眠時間を削ってしまっていました。
今後それを防ぐためにも、睡眠不足のデメリットをたくさん知っておくのは大事かなと。

「今日は睡眠時間を削ろう」と思ってしまった時に、今回挙げたようなデメリットを思い出す。
それが出来れば「なんとか睡眠時間は確保しないと」のマインドに切り替わるかなと。

睡眠不足が続いてしまうと冷静な判断も難しくなりそうですし、惰性でダラダラと仕事をしてしまいそうです。
でもその状態が続いてしまうと身体を壊しかねないので、気を付けないといけません。

今は仕事が忙しくないので問題ないですが、仕事が忙しくなった時に正しく判断できるかですね。
睡眠不足のデメリット、覚えておきます。
※パフォーマンスの低下、不安を感じやすくなる、短気になる、傷つきやすくなる等

「酸素」がたくさんあったほうがよく眠れる

スウェーデンのように高緯度に住む人たちが抱える問題は、冬の暖房シーズンを通し、室温がほぼ24時間一定に保たれていることである。多くの人は寝室も20度に暖める。ところが、最適な睡眠のためには、これでは暖かすぎる。寝室の暖房は、就寝前に弱めたほうがいい。
それと同時に、夜の間、十分な酸素量を確保することも大事になる。複数の研究で、人は窓を開けたままのほうがよく眠れるという結果が出ている。寝室のドアを閉じずにおくだけでも、空気の循環が著しく改善されることがわかっている。

これは以前引用した、以下の内容に近いなと思いました。

【読書感想】賢者の睡眠 - 「寝室の換気」が快眠を呼び寄せる

寝室を換気すると、睡眠の質の向上が期待できそうです。

ただし、換気することによって室温の調整が難しくなります。
夏は暑くなってしまいますし、冬は寒くなってしまいます。

換気せずにエアコンで室温を一定にした方が良いのかもしれませんが、寝具の工夫によって暑さや寒さに対応できる部分もあるかなと。

睡眠に悩んでいる人で、部屋を閉め切って寝ている人は一度試してみるのが良いかなと思います。

手足が温まって「睡眠に合った体温」になる

就寝前に熱いシャワーを浴びたり、バスタブに浸かったりして体温を上昇させることは、基本的にいいアイデアだ(お湯で手足を5分間温めるだけでもよい)。
睡眠をうながす効果があり、早く眠りにつくための自然な方法である。

だが待って! これは先ほどの内容と矛盾していないだろうか。就寝時には室温を体温に合わせて低下させるべきだと書いたばかりだ。
この矛盾は次のように説明できる。
シャワーや湯船で皮膚が温められることで血管が広がり、それにより熱の放射と(快眠の条件である)体の冷却が促進されるのだ。
加えて、就寝直前の手足の皮膚温度の上昇は、脳にとって「体温を下げ、眠りの準備を始める時間がきた」という合図になることも明らかになっている。

睡眠本でお馴染みの「入浴による深部体温の上げ下げ」です。

“深部体温”というワードは出てこないものの、これはいつもの”深部体温”の件かなと。
入浴で深部体温を上げ下げして眠気を誘う、基本テクニックですね。

そして1つ前の引用にあるように、部屋の温度を上げすぎないようにする。
そうすると入浴で上がった深部体温が順調に下がってきて、心地よい眠気がやってくるわけですね。

ちなみに「入浴による深部体温の上げ下げ」に関する引用は1つの記事にまとめています。
こちらの記事も良ければぜひ。

昼寝は「15分以内」ならプラスになる

夜の睡眠不足を補うには昼寝が役立つが、あくまでも、短時間にとどめよう。けっして、睡眠の1サイクルを完了するほど長いものであってはならない。
昼間のカンフル剤として、そして前頭葉に息抜きの時間を与えるうえでも、昼寝は理想的だ。ただしそれは、15分を超えないのが条件。さもないと、深い眠りに落ちてしまうリスクがある。
そうすると、夜の深い眠りの時間が減少するデメリットが生じる。ホルモン分泌の観点から、夜の深い睡眠のほうが昼のそれよりも高い疲労回復と再生効果をもつことに留意が必要だ。

いつも引用している「昼寝」についてです。
今回も遭遇したので引用してみました。

ちなみに「昼寝」は頻繁に遭遇するトピックなので、これまでの引用を1つの記事にまとめています。
こちらの記事も良ければぜひ。

「15分以内」を推奨しているのも、これまでの引用に近いです。

「食欲抑制ホルモン」の出が一日中悪くなる

私たちの体内にはもうひとつ、睡眠が足りないときに食欲を普段より強く刺激するメカニズムがある。
通常、夜の睡眠中には「レプチン」が大量に分泌される。レプチンとは脂肪組織で作られる満腹ホルモンで、免疫システムの活性化にも重要な役割を果たしている。夜中に空腹で目が覚めることがないよう、脳に満腹だとシグナルを送るのもレプチンの仕事だ。
朝になるとレプチンの分泌量は減少する。私たちの体は、起床とともに新しい1日に必要なエネルギーを急いで補給しなければならない。ところが睡眠不足になると、血中のレプチン濃度が朝だけでなく、一日中低下し、食欲を抑制する効果が発揮されない。

MRIを用いて脳内の血流を測定することで、脳で何が起きているのか確かめることができる。
徹夜明けの被験者に食べ物の写真を見せると、睡眠をとった対照群に比べ、大脳辺縁系(報酬中枢)が活発に活動することが認められた。

「睡眠不足と食欲」に関する内容は、これまで何度か引用しています。

睡眠不足になるとデメリットがたくさんあります。
2つ目の引用でも触れたように、仕事のパフォーマンスが低下したり、不安を感じやすくなったりします。
そして今回の引用に書かれている通り、食欲を抑制する効果が発揮されなくなります。

私はダイエットをしていて、最近ようやく目標体重を達成しました。
過去に何度もリバウンドしている自分にとって、今後の食欲コントロールは重要になってきます。

その食欲コントロールに睡眠不足が関わってくるとなると、やはり睡眠時間の確保は最優先事項だなと改めて。

おわりに

ということで「熟睡者」に関してアレコレ書いてみました。

今回の記事で引用したのは、

  • 毎晩無料で「とんでもない効果」が手に入る

  • 「生産性」「感情」すべてめちゃくちゃになる

  • 「酸素」がたくさんあったほうがよく眠れる

  • 手足が温まって「睡眠に合った体温」になる

  • 昼寝は「15分以内」ならプラスになる

  • 「食欲抑制ホルモン」の出が一日中悪くなる

の6つでした。

翻訳本は苦手意識があって少し避けていたのですが、何冊か読んであまり苦手じゃなくなってきました。
睡眠関連の翻訳本は他にもあったはずなので、これを機に色々と読んでみようと思います。

最後まで読んで頂き、ありがとうございました。

「睡眠」関連の読書感想をマガジンにまとめています。
こちらも良ければぜひ。


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