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【読書感想】デンマーク人はなぜ4時に帰っても成果を出せるのか/針貝 有佳
「デンマーク人はなぜ4時に帰っても成果を出せるのか」こちらの本、読みました。
今は残業少なめの職場ですが、仕事の効率化に繋がるような内容はいつでも欲しいなと。
ということで、本書を読んでみました。
本の内容
まずはAmazonから本の内容を抜粋します。
幸福度調査でトップ3常連国である「北欧の幸せな国」デンマークは、2022年・2023年と2年連続で「国際競争力1位」に選ばれた。千葉県よりも人口の少ない北欧の国が、なぜ世界と肩を並べるビジネス国に成長できたのか。デンマーク在住の著者がビジネスパーソンを取材してわかったのが、その生産性の高さ。DXを活用し、圧倒的スピードでプロジェクトをこなす一方で、午後4時に退社して家族との時間を過ごす。高い生産性とワークライフバランスを実現させる要因は、「ムリしない、させない」時間の使い方と職場の人間関係にあった。デンマーク人は職場や家庭で生じる人間関係のイライラ・モヤモヤを自然なかたちで排除している。本書は、国際競争力が2年連続1位でありながら、仕事への満足度も幸福度も高いデンマーク人の働き方・コミュニケーション方法・仕事やキャリアに対する考え方を明らかにし、日本人も使える楽しい「働き方」を提案する。現地のビジネスパーソンへの取材から働き方78のポイントを抽出、巻末には「デンマーク人から学ぶ『働き方のコツ』」リスト収録。
こんな感じの本です。
「働き方78のポイントを抽出」とあるように、割と細かくトピックが分かれていて読みやすかったです。
ついでにポッドキャストをリンクしておきます。
著者がゲスト出演して、本書について詳しく話しています。
17分くらいのエピソードが3つ配信されています。
けっこうなボリュームですね。
著者情報
本書の著者である「針貝 有佳」でネット検索したところ、いくつかヒットしました。
リンクしておきます。
いくつか引用と感想
「午後○時までに退社する!」
デンマーク人は午後3時を過ぎると、帰宅モードに入る。女性だけでなく、男性もである。これは、ある意味、「過酷」である。少なくとも、私にはキツい。
デンマーク人が効率的に働くのは、終了時刻がキッカリと決まっているからだ。しかも、終了時刻は、午後4時。子どもの習い事などもあるので、場合によっては、午後2~3時だ。
朝出勤して、午後2~4時という「終わり」を意識して、1日の時間の使い方を考える。「終わり」が決まっているから、その時間までに終わらせる方法を考える。「〆切」があるから、エンジンがかかる。
その意味では、午後2~3時とは言わずとも、デンマーク人のように、無理やりでも、「○時に帰宅する」と決めてしまうのは、生産性を上げるための良いアイデアである。
私の以前の職場は、残業が常態化していました。
定時でサッと退社する人は少数で、22時とかでも割と残業している人が多かったです。
一方で今の職場は、定時あたりでサッと退社する人がほとんどです。
私も基本的に定時退社です。
たまに19~20時くらいまで残業すると、最後の一人になることもありました。
で、何が言いたいかというと、残業が常態化していた以前の職場はダラダラ仕事してしまっていたなと。
残業してパフォーマンスも高くて、1人で1.5人分くらいの仕事をしているつもりでいました。
でも今の職場(残業少なめ)に転職して「ダラダラ仕事していたんだな…」ということにようやく気付けました。
今の職場の「仕事を効率化して、なるべく定時で帰る」感覚になってからは、かなり仕事のパフォーマンスに意識が向くようになりました。
以前の職場でダラダラ残業していた時間を、今の職場では定時内に終えれるようになんとか圧縮している感じです。
以前の職場も今の職場も、仕事量はあまり変わらない気がします。
今回の引用に書かれている「過酷」は、そういった意味もあるのかなと。
業務時間内はダラダラせず、効率を意識して圧縮して仕事すると「過酷」な感じになるのかなと。
でも定時退社なので、プライベートの時間も確保できます。
業務時間内は過酷かもしれませんが、プライベートの時間でしっかり休めます。
以前の職場で残業していた時間は、会社的には無駄な時間になっていたかもなと。
中途半端なパフォーマンスでダラダラ残業していたなと、今さらながら反省です。
以前の職場は残業代がしっかり出る会社なので、金銭面での不満はあまりなかったです。
ただ、今の職場に転職して年収もアップしました。
なのでやっぱり、以前の職場での働き方は良くなかったかもなと。
色々と経験は積ませてもらいましたが。
今回の引用にあるように「午後4時」に退社するのはさすがに難しいですが、残業前提で仕事をするのは良くないなと改めて。
午後4時までに終わらなかった仕事は夜片付ける
さて、家族との時間を過ごすために午後4時には帰宅するデンマーク人だが、じつは、隠されたカラクリがある。
ここまで読んできて、本当に午後3~4時までにすべての仕事を片付けられるのか?
それで国際競争力ナンバーワンなんて、あまりにも出来すぎではないか? と、感じられた方もいるだろう。
そうなのだ。じつは、ここがミソなのだ。
結論から言うと、本当に午後4時までにすべてを終わらせて切り上げる人もいれば、終わらなかった仕事を家に持ち帰り、夜、子どもの就寝後に1~2時間仕事をする人もいる。
夜ではなく、早朝、家族が寝ている間に仕事をする人もいる。
なんだ、いくら効率的なデンマーク人でも、やっぱり午後4時には終われないのか。読者の皆さんをガッカリさせてしまったかもしれない。
だが、私はむしろ、だからこそ、国際競争力ナンバーワンのリアルな説得力があるし、日本人も勇気づけられるものがあると思っている。
デンマーク人は、けっこう勤勉なのだ。日本人とは少し違う意味で真面目だし、自分の役割をしっかり果たそうとする。だからこそ、どうしても終わらせなければならないと感じるタスクは家に持ち帰って、その日の夜か、翌日の早朝に終わらせる。
デンマークの効率的な働き方をアピールするとしたら、今回の引用は余計な情報かもしれません。
でも今回の引用を知れたことで、逆に信頼度は上がった気がします。
たしかに毎日午後4時に退社はあまりにも出来すぎな気がします。
とはいえ、夜や早朝に1~2時間で片付けるのだとしたら、ダラダラ残業するより全然マシかなとも思いました。
やはり終電までダラダラ残業するより、「○時までに終わらせたい!」という気持ちが大事なのかなと。
この気持ちが強いからこそ、「どうしても終わらせられない」となっても1~2時間分の仕事量で済んでいるのかなと思いました。
すこし好意的な解釈かもしれませんが、私も残業が多い職場と少ない職場の両方を経験したので納得感はあります。
「長期休暇の取得は当たり前」な空気感――夏休みは3週間
デンマーク人のなかで、休息と仕事はワンセット。休息と仕事は、決して、対立し合うものではない。
休息なしで仕事なんてできるはずがない。仕事だけに向き合っていたら、疲れてしまって、生産的に働けるわけがない。
これが一般的なデンマーク人の認識だ。取材でも、みんなが口を揃えて、休まないと仕事はできないと言っていた。
だからこそ、だろうか。デンマーク人の夏休みは長い。
夏には、7月頃に約3週間の連休を取得するのが一般的だ。人によっては、会社と交渉して、1ヶ月あるいはそれ以上の連休を取得する。
おかげで、7月はさまざまな社会的機能が一時停止してしまう。かかりつけ医も夏休みを取得するので、7月にかかりつけ医に電話すると、自動応答で、緊急の場合には別の医者に連絡してほしいというメッセージが流れる。
7月は観光シーズンで稼ぎ時であるにもかかわらず、従業員が夏休みを取るため、閉店してしまうレストランもある。正直に言って、7月のデンマークは不便である。
だが、文句を言う人はいない。
今回の引用を読んでいる時、以下の内容を思い出しました。
【読書感想】休養学:あなたを疲れから救う - 仕事が一段落しなくても、まず休む
上記の引用はドイツに関してですが、日本とは長期休暇の価値観が違うなと改めて思いました。
長期休暇というか、休養・休暇の優先順位ですかね。
私は基本的に体調不良でしか有給休暇を取らないので、ドイツ人やデンマーク人と比べると休養・休暇の優先順位がかなり低そうです。
日本で3週間の連休を取得するのはなかなか難しいかもしれませんが、ドイツ人やデンマーク人のマインドをもう少し取り入れたいところです。
転職をポジティブに捉える社会
仕事をアイデンティティとして、自己成長や意味を求めて働くデンマークの人びとは、「転職」をポジティブに捉えている。
「履歴書には転職歴があった方がいい。転職歴があることは、柔軟に新しいことに挑戦できる人という意味だから」
と、同じ職に約10年就いているルイーセが言っていた。
ルイーセは今の仕事を適職と感じていて、心から愛しているからこそ、約10年にわたって続けてきた。だが、自分の未来の可能性を狭めないために、そろそろ次のステップを考えて転職した方が良いと感じているようだ。
デンマーク社会では、数年ごとに転職する人の方が評価され、長年同じ職場にいる人の方が「変化を受け入れられない人」と判断され、採用されにくくなる。同じ会社に10年以上いる人は「このままではいけない」と感じるようだ。
私も何度か転職している身なので、「転職歴があった方がいい」とする価値観はなんだか心強いです。
もちろんこれはデンマークでの価値観で、日本では終身雇用の価値観がまだ残っている気がします。
最近は終身雇用の価値観から徐々に変わってきている感じもしますが、「転職歴があった方がいい」というところまではさすがにいっていないかなと。
「転職歴があることは、柔軟に新しいことに挑戦できる人」とポジティブに捉えられるのは素敵ですね。
日本だと「飽きっぽい」とか「根性がない」とか、そんな捉えられ方もありそうだなと。
一方で、長年同じ職場にいる人が「変化を受け入れられない人」と判断されるのもなかなかシビアだなと思いました。
おわりに
ということで「デンマーク人はなぜ4時に帰っても成果を出せるのか」に関してアレコレ書いてみました。
今回の記事で引用したのは、
「午後○時までに退社する!」
午後4時までに終わらなかった仕事は夜片付ける
「長期休暇の取得は当たり前」な空気感――夏休みは3週間
転職をポジティブに捉える社会
の4つでした。
今回は「デンマーク」でしたが、他にも「フィンランド」「ドイツ」など、これ系の本はたくさん出ている印象です。
もちろん日本で全てを実践することは難しいですが、こういった本は良い刺激になりますね。
他にも探して読んでみようと思います。
最後まで読んで頂き、ありがとうございました。
「仕事」関連の読書感想をマガジンにまとめています。
こちらも良ければぜひ。