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【読書感想】すぐに実践したくなる すごく使える睡眠学テクニック/櫻井 武

「すぐに実践したくなる すごく使える睡眠学テクニック」こちらの本、読みました。

睡眠関連の本は今回で15冊目です。
これまでの睡眠関連の記事は以下マガジンにまとめています。


本の内容

まずはAmazonから本の内容を抜粋します。

本書では、最新研究に基づいた睡眠学の「すぐに使える」テクニックを昼間の過ごし方、寝室の環境、睡眠の効能、睡眠にまつわる病気など幅広いテーマをカバーして、一挙に紹介します。
・よく寝ると、ダイエットに効果的!?
・コーヒーで眠気を吹き飛ばすならアイスよりホット
・寝だめはせずに30分の仮眠をとる
など、読むだけでもためになる&知るとかならず試したくなる知識が満載!
「寝つきが悪くて困っている」「朝の目覚めが悪い」「睡眠の質を向上したい」など睡眠への悩みがある人は、必読の1冊です。

こんな感じの本です。

本書は「224ページ」で「73トピック」でした。
各トピックが大体2~4ページにまとまっていて読みやすかったです。

著者情報

本書の著者である「櫻井 武」でネット検索したところ、いくつかヒットしました。
リンクしておきます。

いくつか引用と感想

運動が睡眠に良い影響を与える理由

「昨日は、よく運動したから、ぐっすり眠れた」
誰でも、こんなことを感じたことがあるでしょう。長時間体を動かして疲労したことが、睡眠に良い影響を与えていると考えている人もいますが、それだけではありません。
実は、運動することで、体が疲弊する以上に脳が疲労し、深い睡眠をもたらしています。
そもそも私たち「動物」は、体を動かすために脳を発達させてきました。動物のなかでも人間は、多くの機能を使って体を動かすため、脳を飛躍的に大きくさせてきました。脳の半分以上が、体を動かすためにあるといっても過言ではありません。加えて、運動することにより脳はじっとしていただけでは行なわない、さまざまな情報処理をします。
ウォーキングを例に、脳の働きを見ていきましょう。
歩いていると周囲の環境が変わっていきます。違う景色が現れたり、騒がしい場面に出くわしたり、ときに花の香りが漂ってきたりすることもあるでしょう。視覚や聴覚、嗅覚の情報は、そのときどきで脳の後頭葉や側頭葉で処理されていきます。
また、「今日は風が強いな」「体がちょっと重いな」というのも脳で感じることです。歩いているときに、自転車が来たから避けよう、人混みだからぶつからないように気をつけよう、と考えるのも頭のなかで決めています。
そもそも、真っすぐ歩こう、つまずかないようにしよう、という「歩く」ために当たり前の行為さえ、脳が考えて指令していることなのです。
そして、起きているときにたくさん使った脳の部分は、就寝中、深い眠りに陥ります。運動をすると脳の多くの部分が使われます。そのため、寝ているときは、脳のほとんどの部分で深い睡眠に入ります。これが、体をたくさん動かしたときに、ぐっすり眠れる仕組みです。
パソコンに一日中向かうデスクワークでは、脳の特定の部分しか使われません。就寝中は脳のなかで、ある部分は深く眠り、ほかの部分は浅く眠るといった偏りが生じます。
体を動かすことが勧められるのは、睡眠学的には、脳全体がしっかり眠っている状態をもたらすからです。

運動によって体が疲れて、それが深い睡眠に繋がっていると思ってました。
ですがどうやら、運動によって脳も疲れていたようです。
これは意外な発見でした。

ウォーキングを例とした説明で、納得感もありました。
直感としてはデスクワークの方が脳が働いているイメージがあったのですが、たしかにウォーキングでも脳がたくさん使われていますね。
デスクワークと比べると無意識的な脳の使い方かもしれませんが、かなりの情報を処理しているんだなと。

よく眠れた日を振り返ってみると、「ライブに行った日」「帰省した日」「資格試験の日」などが浮かびます。
どれも運動量自体はそこまで多くないですが、いつもと違ったことをした日はよく眠れる傾向にあります。

そういった非日常を過ごした日はいつもより脳が働いて、いつもより脳が疲れてしまうのかなと。
それによって深い睡眠に繋がったのかなと思いました。
ライブなら純粋に楽しめたとか、帰省なら安心感とか、資格試験なら勉強からの解放感とか、別の要素もありそうですが。

「ライブ」「帰省」「資格試験」はどれもイレギュラーな日なので、これを毎日するわけにはいきません。
そうなってくるとウォーキングあたりが手頃で良さそうです。
毎回ウォーキングのルートを変えたりすると、いつも以上に脳が働いてくれそうです。

睡眠の質を高めるためには、一日中デスクワークで脳の特定の部分しか使われない状態は避けた方が良さそうですね。
一日中デスクワークをしないといけない時は、仕事が忙しい状況だと思います。

そんな多忙な状況でも睡眠時間を削ってまで残業するのは避けるべきで、なんとしても睡眠時間は確保する。
そして更にもう一歩、睡眠の質を高めるために運動する時間を確保する。

そこまで出来るとワークライフバランスが整うのかなと。
とはいえ、どうしても多忙が避けられない時期もあるでしょうし、理想としてはそんな感じになるかなと。

訓練してもショートスリーパーになれない!

「自分がロングスリーパーか、ショートスリーパーか」といった会話をしたことがある人は多いのではないでしょうか? なかには日ごろの忙しさから短い睡眠時間でパフォーマンスを上げるために「ショートスリーパーになりたい」という声も耳にします。
人間は、「ヒト」という集団のなかでも遺伝子の組み合わせが異なる個体が存在しています。これを「遺伝的多型」といいます。わかりやすくいえば親から受け継ぐ体質のことで、人間はそれぞれ「生まれつき決まっている」体質があり、睡眠習慣もその1つです。
(中略)
いずれにしても、睡眠習慣は遺伝的な体質によって決まっています。ショートスリーパーの人も1000人に1人もいないと言われています。つまり訓練すればショートスリーパーになれると思うのは大きな誤解です。
近年、私たちの個体差や個性のもとになっているのは、さまざまな遺伝子にある微妙な差の蓄積だと考えられています。もし、短時間睡眠を強要されたり、寝る時間を削るような仕事を頼まれたりしたら、遺伝的体質を「後ろ盾」に抵抗しましょう。
周りの環境に合わせて、睡眠習慣を変えたいと思うことがあるかもしれませんが、血液型が変えられないのと同じで、睡眠の習慣も変えられるものではないのです。

以前も『「あなたもショートスリーパーになれる」はウソ』というのを引用しましたが、今回も似たような内容です。

【読書感想】賢者の睡眠 - 「あなたもショートスリーパーになれる」はウソ

ショートスリーパーは憧れる部分もありますが、諦めるしかなさそうです。
「訓練すれば何とか頑張れるのでは?」とも思ったりしますが、それもどうやら無理っぽいですね。

今後どう頑張ってもショートスリーパーにはなれないので、睡眠時間を削ることは出来なさそうです。
やれることとしては、睡眠の質を上げることでしょうか。

睡眠の質なら改善する余地があるはずですし、それによって日中のパフォーマンスが変わってきます。
頑張るとしたらコッチですね。

一方で、睡眠関連の本を探しているとショートスリーパーを推奨するような内容の本をたまに見かけます。
「短眠」と表現している場合もあったりします。

この類の本は少し疑っているので私は読みませんが、自己責任で読んでみても良いかもしれません。
忙しくて時間がない人からしたら魅力的に見えるでしょうし、ショートスリーパーにはなれないとしても睡眠の質を上げるコツが見つかったりもするかもしれません。

「早寝早起きが体に良い」は嘘

睡眠に悩みを抱えている人のなかには「早寝早起き」を目標としている人もいます。「早寝早起きが健康に良い」と、いろんな場面で言われ続けてきた人は多いはずです。しかし、これも現代社会においては、幻想といっても良いでしょう。
早寝早起きは必ずしも良いわけではありません。たしかに、早寝早起きをしている人は「体内時計が整っている」とはいえるでしょう。しかし、睡眠学を研究している者からすると「体内時計が整っている」だけでは十分ではありません。
人によって体内時計のリズムが違うことが明らかになった今、早寝早起きをするだけで、健康的な生活を送ることができるという科学的根拠はないのです。重要なのは必要な睡眠時間を確保することです。

「早寝早起きが健康に良い」
これはたしかに、昔からよく見聞きしていた気がします。

早寝早起きの習慣は大抵の人には効果がありそうですが、それがどうしても合わない人も一定数いそうだなぁと個人的には思っています。

「早寝早起き」でネット検索してみると、やはり「早寝早起き」を推奨している記事が多い印象です。
ただ、早寝早起きを全肯定していない記事もたまに見かけます。

それぞれピックアップしてリンクしておきます。

早寝早起き 推奨派

早寝早起きが必ずしも…派

後半のリンクは「早寝早起きが必ずしも…派」という何とも中途半端な表現となりました。
記事の内容的に「早寝早起き 否定派」というわけではなく、「早寝早起きが必ずしも正解ではない」「早寝早起きが健康とは限らない」といったスタンスだったため中途半端な表現となりました。

おわりに

ということで「すぐに実践したくなる すごく使える睡眠学テクニック」に関してアレコレ書いてみました。

今回の記事で引用したのは、

  • 運動が睡眠に良い影響を与える理由

  • 訓練してもショートスリーパーになれない!

  • 「早寝早起きが体に良い」は嘘

の3つでした。

睡眠関連の本は今回で15冊目となりました。
「15冊も読んでいて果たして新しい発見はあるのか…?」と思いながら読んだのですが、しっかり新しい発見がありました。

本書の発売日が「2024/8/30」で、比較的新しい本なのも影響しているかもしれません。

最後まで読んで頂き、ありがとうございました。

「睡眠」関連の読書感想をマガジンにまとめています。
こちらも良ければぜひ。


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