遭遇してしまった緑色の宇宙人。いや、勇敢な賢者。
長雨が過ぎて突然真夏のように暑くなったここ数日。
アスファルトからの照り返しが熱々のオーブンを開けた熱気と同じで、違うのは美味しい食べ物が目の前にないこと。
あっちぃーって思いながら日傘をさしながら階段を下っていると、チョロチョロと緑色の草みたいなのが足元をゆっくり横切ったので、しゃがんでよーく見てみると、あら、カマキリじゃない。
みつかったー!と言わんばかしに睨んできた。カマキリってよくみると宇宙人みたいな格好してるよね。ひょろっと長い足はちっちゃい鎌みたいなのがいっぱい付いてるし、前足は名前の通り鎌持ってる。
顔なんて、なんで逆三角形になっちゃったんだろう。目は飛び出てるし、口はちっちゃくてシワみたいなのがあって、入れ歯を外したおばあちゃんみたいな感じ。でも、ちゃんとみると血吸われそうな・・・うぇー。写真をアップして見ると人間と違いすぎて鳥肌が立つ。
カマキリからしたら、失礼なこと言っちゃってるんだろうな。睨んでるつもりはなくて、もしかしたら、カメラに向かってキメ顔してるのかもしれん・・・。
こんなふうに虫が人間からすると気持ち悪い存在だと認識しているのは、映画とか漫画とかそんなのが気持ち悪さ増々にするからだよね。私はすぐにメン・イン・ブラック思い出した。あれ、面白いんだけどね、そりゃ虫みて宇宙人って言っちゃうよね。
どれだけ周囲からの情報が無意識に自分の中の感情に影響しているか実感する。みんながポジティブな印象だから自分もそう思うようになって、みんながネガティブな印象だから、自分もうわー、嫌だな、気持ち悪いな、嫌いだなって思わなきゃって無意識に刷り込まれてる。じゃないと仲間外れな気がしてくるから。
でもさ、カマキリだって、頑張って生きてるんだよね。生まれたときはすごく小さくて、クモだったりアリだったり、色んな天敵から逃れて必死に生きて、やっと大きくなって、好きな相手を見つけて、子孫を残して、そして死んで土に還っていく。
そう思うと、気持ち悪いだなんて言うのはカマキリに失礼だったね。ごめんなさい。立派にここまで大きくなったんだもんね。よく生き延びたね!その前足イカしてるね!って言いたくなってきた。なんか、カッコよく見えてきた。
君はその前足でこれまで戦って生きてきた勇敢な賢者だよ!天敵に負けないようにカマを振りかざして、あるときは、身を潜めて生きるためにカマを使って。生きてきたんだね。
足元を見ていると、色んな生き物がたくさんいて、必死で生きている。人間みたいな感情はないかもしれないけど、生きるための努力をしていると思う。どうしようもない状況になっても、最後まで生きるために足掻いてると思う。人間だって、虫や植物みたいに必死で最後まで生きて、人生できるとこまで頑張ったよ。というような生き方を見習わなきゃだと思った。
辛いことってたくさんあるよね。私だって、もういいやと思ったこと何度もある。けど、人って一人じゃ生きていないよね。もういいやと思った時、同時に誰かに自分のプライドなんか捨てて全部思ったこと話してしまえば、まだ大丈夫、まだ生きても大丈夫と思えるんじゃないかと思う。一晩といわず思う存分寝て、美味しいものをたくさん食べて、ゲームしたり、テレビ見たり、映画見たり、好きな場所に行ったり、知らない場所に行ってみたり、そんなことしているうちに、あー、まだまだ知らない世界ばかりだなと思えるようになると思う。だから、あっちの世界に行く前に、こっちの世界を思う存分楽しまなきゃだなと思う。
亡くなった俳優さんの笑顔、とても好きだったな。だから、どうして?とずっとそのニュースを見てしまう。知らない人かもしれないけど、悲しいものは悲しい。
カマキリに遭遇して、命の大切さを考えるきっかけになりました。
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