良い管理職(マネージャー)を育てるのは誰か?
このnoteは自由気ままな専業主婦と化した元ワーママが早稲田大学大学院経営管理研究科(夜間MBA)の受験や学生生活、仕事や育児、人事について思うがままに持論を語っているものです。
今日は子どもの習い事の話でも書こうかなーと思っていたのですが、朝から一緒に働いていた元チームメンバーからとある仕事の相談が入りました。専業主婦の私が、大企業の第一線で働く彼女にいいアドバイスなんてできるわけもなく、ただただ雑談で終わってしまったのですが(申し訳ない)、一緒に仕事をしていたときと同じ空気を感じて懐かしくなったのでそっちの話にします。
マネジメントの始まり
私が最初に役職についたのは20代でした。ただ管理職といえるほどの部下マネジメントはしておらず、ちょっと後輩に教える程度だった気がします。
本格的にマネージャー職に就いたのは2019年、自分の専門がずっと人事であったにもかかわらず人事のマネジメントではなく(ひとり人事だったので)、カスタマーサポートと法務のマネジメントがスタートでした。
自他ともに認める(?)まあまあ癖の強い2人の法務チームメンバーおりまして。2人ともロースクール出身、企業法務経験アリ、若手でやる気200点。そもそも上場企業や大企業において管理部門経験を積んでいた人が上場目指す宣言もしていないベンチャーに来る時点でちょっと尖った変わった人が多いのですが(私もか)、とんでもなくこの2人に突き上げられる日々でした。
今回はそんな彼・彼女らに鍛えらえたなかで出来上がった、私のマネージャー軸を言語化してみようと思います。
念のため・・・マネジメントの評価軸といえばやはりチームの成果を最大化させることでしょう。そういう意味では自分が最高のマネジメントをできていたとは全く思っていません。至らなかったし向いてなかったなと思うことばかりです。もっと結果を出したかった。
ですがここでは一旦自分のことは棚上げさせていただきながら、成果以外で測るマネジメント評価論(私が目指していたマネジメント像)を好き勝手に書いていきます。
私が思う優秀なマネジメントの条件
自分より優秀なメンバーのマネジメントができる
これは巷でもよく言われている第一条件ですね。自分よりちょっと経験や知識が少ない人を採用して管理するのは正直誰にでもできます。だってそれは単に年の功だから。でも、私も、あなたも、みんな大した人間ではないんです。ちょっとしか差がないはずの自分がチームのキャップになってしまったら、たちまち組織の成長は止まります。自分より優秀なメンバーを採用したり、チームに迎え入れられない人は、マネジメントどころか組織の足を引っ張るガンになることさえあります。マネジメントの第一歩は恐れずに自分よりうんと優秀な人材をチームに抱えること。その人材とうまくチーム運営ができれば自ずと成果も出るでしょう。
自分が専門知識を有しない領域のマネジメントができる
多くの企業・組織において、その領域で十分な成果を収めた人をマネジメントに抜擢するというのがセオリーです。スーパーエースが管理職のエースになるかは別問題というのもよく語られますが、実際にはそれしか内部昇格の基準がないのも事実です。なので、スーパーエースにマネジメントをさせるのは当然の流れでしょう。しかし自分の領域だけしかマネジメントできない人材をそのままにしたまま大量に作り続けると、1つめに挙げた点と同じところにたどり着きます。結局その管理職がキャップになり組織の成長が止まるのです。また、そういう人材はマネジメントの手法が”背中を見せること”しかなかったりします。結果的に自分がプレイヤーで居続けることや自分のやり方を押し付ける形になり、いずれチームが破綻します。それはマネジメントではなくリーダーの仕事です。プロ経営者がどの業界でも成果を出すのと同様に、プロ管理職も全く別物。自分の得意領域だけマネジメントできる人になり続けるのではなく、全く別の領域でもマネジメントができるような手法を身につけていくことが真の管理職には求められると思います。
メンバーに言いたいことを言わせる
威厳があってビシバシ仕事を進めてくれる上司の下にいるのは仕事がやりやすいので私も大好きです。毎日楽だし、カッコいい上司は憧れます。でも自分が上の立場になったとき、「誰にも何にも言わなくなってしまったら最後だな」と日々感じていました。メンバーには率直に言いたいことを言ってもらう関係性を築いていた方が絶対に良いです。ちなみにこれに関していえば私は偏差値75くらいあったと自負しています。「僕は前職で大企業だったので縦社会が染みついてるんで!押忍!」みたいなことを言っていた若手体育会系男子も、私のチームに入れば「俺は納得いかないっすね。現場はこうです。」とたちまちハッキリ言う人間に生まれ変わります。そうです、私は常に言いたい放題言われていましたw。資料を作ろうものなら「ちょっと分かり難くて気持ち悪いっす(笑)」、「この日本語の使い方間違ってません?」なんて日常茶飯事。褒めてくれたと思えば「さかもとさんは馬力だけで走ってきましたもんね!その馬力、リスペクトです!」。私が単に尊敬に値しなかったのではという声も聞こえてきそうですが、こういう口の悪い(?)優秀なメンバーこそ、出る杭、打ってはいけないと思っていました。難しくて対応しきれない壁が立ちふさがったとき、普段はっきり意見を言える人こそ、自分事として一緒に戦ってくれます。いっぱい教えてもらって、ともに学んでいく過程をそのまま見せていくことで結果的に私は成長させてもらえたと思っています。(ちなみに失礼なこと言ってきたときは私だってちゃんと怒りますよ!!舐められてはいなかったはず…バランス大事!!)
「仕事できないけど偉そうに言う部下もいるんだよ」というそこのあなたは、自分のチーム組成力(採用力や評価力)のなさを嘆いてください。
自慢じゃないけど私は採用力天才な人事だったので(超絶自慢)、私の採用権限で採用した人材は全員もれなく優秀、ハズレは一人もいませんでした。
あと、中間管理職になるとみんなもれなくソフト老害になります。組織や株主からの目線、顧客の利益、上司の一声など色んなことが見えてしまうからこそ、時に周りとのバランスを保とうとして、メンバーの正論に「まぁまぁ、ここは飲み込んで」とか「バランスとって」とか言ってしまいがちです。私も恥ずかしながら何度もそういう経験をしました。また、こんな私でも、何年も管理職をする中できっと私のことが怖かったり近寄り難いなと感じている人も知らず知らず出てきていたと思います。ですがそういうときも「私は納得いってません」「さかもとさんのそういう態度好きじゃないです」とみんなの前でも堂々と言ってくれる存在が複数いたことで、原点に立ち戻ったり自分を貫く力を与えてくれていたなと感謝しています。
結局は、マネジメントを育てるのはポジション(マネジメント経験)であるとともに(優秀な)メンバーの存在に尽きると思います。
一方で私は任せすぎ、放任すぎ、とも言われていたので私のマネジメント方法が合わない人もいたとは思います。ただ、未成熟なベンチャー企業で働く醍醐味なんて、大きな裁量で自走することでしかないでしょうと考えていたのでそのスタイルを貫いていました。
飲み会に頼るのはマネジメントの怠慢
最後に。メンバーとのフラットな関係を作るためにやたら飲み会頼みになる方がたまにいますが、これはマネジメントの怠慢です。
そもそも既定の勤務時間内で、オフィス内で構築できない関係性なんてないです。酒の席で話せて会議室で話せないことなんてあるでしょうか。頑張って就業時間内につくりましょうよ、その時間。
私自身は育児もあったので、終業後や休日に関係性を築くというチート行為がシンプルにできなかったのもありますが、そう考えても飲み会で関係性を築くことがスタンダートになってしまえばやっぱり女性管理職30%とか到底無理な世界であり、昭和の男性にしか通用しないやり方だなと思うのです。それに、メンバー側も誰もがお酒飲んだり会食したりが得意なわけではない。飲めない、ちょっと面倒くさい、困るという人もたくさんもいるでしょう。
もちろん、私も若いときは上司にご飯に連れて行ってもらうのが嬉しかったこともあったので業務外で食事に行くことの全てが悪だとは思っていません。社内で親友のような関係性ができることもありますし(社内婚賛成派)、気の合う上司と朝まで飲んだり、休日にお家なんかに誘われたらちょっとテンションも上がったものです。メンバーから「ご飯行きましょう!」と誘われたら行ってもいいでしょう。
気を付けた方がいいのは”マネジメントを目的として”、勤務時間で語り合えないことを補うために飲み会に頼るというのがちょっと古くてイケてないかもしれないと思った方がいいということです。お酒の席で「今日は無礼講~!」なんて思っているのは意外と上司だけで、部下の方は「あんな失礼なこと言われた」「こんな説教された」と細かく覚えているものです。元人事的な目線としても、「お酒がきっかけでトラブルになることはあっても、上司部下の関係性が強固になることはないよ。期待するのはやめた方がいいよ。」と言わざるを得ない数々の事例を見聞きしてきました。立場の違いに若手ほど敏感なんですよ。
なお、個人的には飲み会に行く行為そのものが娘に対しての罪悪感でしかなかったので、仮に就業時間内で議論が尽くせなかった場合は、オフィスに最後の居残りになったとしてもメンバーとは会議室でバチバチにやりあうスタイルでした。シラフの方が絶対にいい議論できると思うけどな。
最後まで言いたい放題書きましたが、これはあくまでもいち専業主婦の単なる感想文です。誰の何の参考にもならないと思いますがご容赦ください。