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日常

旋回する自由を歌う海鳥たち、群青色に解けていった夏が散りばめた喜び、再利用されるだけの過去が裂けて、不安定な今を圧縮する機械に詰め込まれた放課後や、ほろ苦い思い出の犀利さや、蛹から聞こえる囁き声、泡沫を嬲る強大な権力や、跡形も無く消えてしまった蟷螂、スーパーセルに巻き込まれた旅客機、単調なニヒリズムを加工する工場、メタファーが沈殿する池や、喪失感で揺らぐブランコ、舞台裏で眠る早熟な双子や、バルコニーで鎮座する思念のようなもの、ふれあうほどに、炭化してしまうまで、燃えた恋や、答えを放棄して、鈍感な君の分身を愛していただけなのだと、気付いた頃には、傷だらけで、治らない傷で苦しむばかりだし、なおざりにした主観から現れるイデオロギーは、自分勝手なものばかりだし、未だに、人を騙してまで、優位に立ちたいなどと、謳いような奴らに、洗脳されてばかりいるし、いらないものばかりを買ってしまうし、かばい合うほどに、自分ばかりが、負担が増えるし、善と悪や、生と死なんかが、割って入り込む曖昧な結末が結合したりして、なんか、現実なんかを用いて、二人の間を引き裂くし、愛だの恋などが、諦観なんかを踏み台にして、絆を更に強固なものにして、誰かの声や、何かの邪魔なんかに負けるようでは、愛や恋では無く、ただ、あやふやな情熱を盾にして、ちゃんと愛していましたなどと、言い訳ばっかり上手くなって、無くした後に気付いたものは、今に邪魔になるものばかりであるし、あらがうほどに、現れる苦痛も、普通なんて言葉により、麻痺して行く一方であるし、あらゆる変化を恐れていては、いつまでも、そのままの奴隷であるし、意識を変えても、そこに居座る根幹のようなものごと、引っこ抜かなければ、身動きすら取られないのである。

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