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応答

野蛮な豪雨が降り注ぎ、すべてを、押し流す衝動のようなものや、意識にかかる靄や、敗北感に打ちひしがれている彼の隣で眠る猫、偶像崇拝を続けるサイエンスが、蓄積した憎しみを孕む傲岸不遜な彼女たちの偽装した恋が、あらゆる愛を配下にするために洗脳するメディアの兆候や、超現実的な翅をもたげる数十メートルの蚊や、耽溺を繰り返すだけの惰性な物語の中でのカタストロフを迎え、貧相な身体であらがう人類の最後や、災厄を祝う悪魔的な弱者の触診や、均等な憎悪を食む音、攻撃的な夏至に居座る雨雲や、無情な日々を啜る巨人たち、アナグラムを加速させる脳内では、絶え間ない妄想と湿度に悩まされ、感応する主観から現れる色褪せた思い出の墓場から現れた、ゾンビ化した自己との対峙を続け、倦怠感に苦しむ希望が、やがて、自らの希望を保ち続ける事に疲れてしまい、しばらくの憂鬱に跪き、疎ましい現状に加工されるあれこれの児戯により、崩壊してしまう現実や、犠牲を生み出すだけの社会を正当化させるための規律により、排外主義が加速し、不必要なものをねつ造するだけの政府の不正に気付いているのにも関わらず、未だに、暴走を続けるシステムに従うだけの、機械化した人類の末路に訪れるファシズムや、艱難辛苦や、悲しみの雨などなどをなぞる幼い指、紊乱な君たちが渇望する過ちの立像、分裂する分岐点で佇む自己の亡霊や、この孤独を逡巡する事なく謳歌するための欲動、苦しむ事なく、言葉を頼りにせず、感覚だけで切り開いて来た午後の高揚感、恒常的な予感だけで、飯を食っては、今を吸い込む大きな口。

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