私の読書遍歴part2
part1はこちらから~。
中学生になって文庫本を読むようになったけれど、はじめはどれを読んだらいいかさっぱりわかりませんでした。
作家さんも、今みたいに誰が誰だかわかりません。
はじめは絵柄で選んでいました。
そのころ、畠中恵さんの「しゃばけ」が大ヒット中で、表紙も柔らかいイラストだったので親しみやすくて、よく読んでいた記憶があります。
付喪神とか、ぼてふりとか、江戸用語をたくさん覚えました。
江戸時代の話なので、最初は読みづらかったけど、慣れるととても面白くて、テレビドラマ化された時は夢中で見ました。
主役を務めた俳優さんは私的にいまいちでしたが…(笑)
とりあえず、平済みになっている有名なところから読もう!と思って、次に手に取ったのが、宮部みゆきさんです。
読書会なんかに行くと、意外にも読まず嫌いな人が多くて、びっくりです。超大作が多いけど、読み疲れがあまりなくて、ページがいつの間にか進んでしまうのが、すごいなぁと思います。
ブレイブストーリーと模倣犯。どちらも全5巻の長編。
それまで読んだ中では、一番の長編だったような気がしたので、読み切ったのときにはとても達成感を味わえました。
模倣犯は残酷な殺人事件の話なので、精神的にしんどかったけど…(笑)
宮部みゆきさんは、江戸時代ものもたくさん書いていて、推理サスペンスものよりも、私はこっちの方が好きです。
江戸時代という設定も好きだけど、幽霊とかおばけが絡んでいるので、ついつい読みたくなります。「あかんべえ」というお話も好きで、これだけは今でも手元にあります。「あんじゅう」とか、「おそろし」とかの江戸時代ものも、一度借りて読んだきりなので、そのうち買ってそろえたいなぁと思っている今日この頃です。
あとは海堂尊の「チームバチスタの栄光」。医療用語に苦戦しながら読んでいました。
この頃の読書は、全体的にテレビと連動して興味をもっていった感じがあります。
そのころ、ナルニア国物語が映画化されました。本だったら無条件に買ってくれる両親だったので、立派なセットを買ってもらいました。
独特の世界観でしたが、楽しく読破。「魔術師のおい」が一番好きです。
世には世界三大珍味ならぬ、世界三大物語というものがあるのもこの時知りました。一つ目が、このナルニア国物語。2つ目は指輪物語。3つ目は、ハリーポッターです。3つ目は、比較的新しく、ゲド戦記と入れ替わることもあるらしい。指輪物語だけ読めていません…。いつか制覇したい。
そのほかのファンタジーもたくさん読みましたが、フランスの作家が描く、「ペギー・スー」が一番好きでした。
中学校生活は小学校生活よりも、人間関係が単純には行かなくて、周りと合わせることに苦労したり、変に見られないか極度に気になったり、とても窮屈だったように思います。みんなどうにかこうにかして一人ぼっちにならないように、駆け引きをしていたようなところがありました。
たまにニュースで、中学生の子が自殺してしまうニュースがあるけれど、私はなんとなく気持ちがわかる気がします。
いじめられた経験こそないけれど、学校と家の往復、小さい教室だけの社会で、人とどうにかこうにかして付きあわなくてはいけなくて。かといって一人でいることは恥、みたいな世界にいると本当に病んでしまいます。
大人になった今でも、そのくらいの子たちが「どうやって友達になったらいいのかわからない」とか、「本当は楽しくないのに一緒にいる」とか、ユーチューブのラジオなんかで相談をしているのをよく聞きます。
なんでそうなるのかちっともわからないけど、学校というのは、独特な社会です。
私も結構苦労していた側の人間ですが、そのあと、高校生になって大人になって、その教室がどれだけ小さな世界だったのかがよくわかりました。
ニュースをみると、気持ちはわかるけど、死ぬことなんかないのにな…といつも悲しい気持ちになります。
私の場合、そういう苦しいなぁと思っているときに助けてくれるのは、本でした。
中学生の時に出会って一番好きになったのは、加納朋子さんでした。
何気なく手に取った「てるてるあした」という本が、本当に面白くて、泣けて、当時も今でもとても大事な本になりました。
両親の浪費癖のせいで家庭が崩壊・夜逃げ。遠い親戚のおうちに預けられることになってしまった女の子のお話です。ちょっと現実離れしている設定ですが、暗さはなくて、コミカルでとても引き込まれます。
愛情に飢えていて、ひねくれているけれど、周りの人と少しずつ関わりを持ちながら、成長していく様を描いたお話です。
励ましますよ〜!っていかにもな感じのお涙ちょうだいな雰囲気ではないところが、私はとても好きでした。(昔からハートウォーミングな感動系話にあまり親しみがもてないです。はじめからそこを狙ってくるのが見え見えだからです。)
話の中の主人公と一緒に暮らしていたおばあさんが、「本を読みなさい。本の中に泣いている人を見つけると、ほっとするんだ。絵空事でもここに悲しんでいる人がいるって単純にほっとするんだよ。」みたいなことを言っていたのが印象に残っています。
それまでは、ただ楽しく読んでいるだけの娯楽だったけれど、読むことで救われる部分もあるのだな、という本の知らなかった側面に出会った瞬間でした。なので、中学時代の好きな作家さんは間違いなく加納朋子さんです。
そのほか有名だけど、梨木香歩さんの「西の魔女が死んだ」と、重松清さんの「きみのともだち」もあの頃に読めてすごくよかったなと思っています。西の魔女は今でも持っています。どちらも同じくらいの歳頃の子が、学校の息苦しさに悩んでいるお話です。自分だけじゃないんだなって、思える力強い味方です。
もし、これを読んでいる学生の人で悩んでいる人がいたら、ぜひ読んでみて欲しいです。きっと気持ちが安らぐと思います。
本はいつ読んでもいいし、待っててもくれるけれど、「今読めてよかった!」という時期は絶対にあるような気がしている・・・・。
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