オーバーランはいつまで経っても無くならないのである
オーバーラン。
いわゆる「過走」というやつです。
いつの時代もこのオーバーランは無くなりません。
私自身も運転士時代に経験がありますし
無くすことは非常に難しいと感じています。
こんなニュースがありました🔽
10日午前7時55分ごろ、横浜市西区西平沼町の平沼橋駅で、相鉄線の湘南台発横浜行き上り普通電車が約10メートルオーバーランするトラブルがあった。相模鉄道によると、同電車の男性運転士(26)が同駅に差し掛かった際、普通電車であることを一時的に失念。その後、非常ブレーキをかけ急停車した。
オーバーランというと、眠気を原因とするものが多い。
今回の件が眠気と関係あるかわかりませんが。
大体は眠気や意識の迂回から
ブレーキ操作が遅れたというものです。
眠気は運転士にとって永遠のテーマです。
過去にはこんな記事も🔻
一時的な居眠りも仕方ない要素は多分にあります。
鉄道員はなかなか厳しい勤務形態です。
基本は泊まり勤務であり、一応仮眠時間があります。
ただし、あくまでも仮眠。
しっかりと睡眠をとって翌日に備える訳ではない。
いいところ4時間程度の睡眠で翌朝乗務しています。
もしダイヤ乱れで泊まりの上がりが遅れれば
さらに睡眠時間は少なくなります。
また、人員不足で乗務時間が長くなる場合があります。
例えばですが、誰かの日勤が空いた場合。
突発的に誰かの仕事が空いた場合。
(最近だと感染症により急遽欠勤が出た時など)
泊まり前にその分の日勤を乗務するなどあります。
その場合、例えば朝6時半から勤務して14時頃まで。
その後本来の自分の仕事である15時頃から泊まり勤務
開始で深夜1時過ぎまで。
そして4時間ほど仮眠して翌朝ラッシュから昼頃まで
乗務する事になります。
こんな勤務を鉄道員は日常的にこなしています。
またその逆で、通常の泊まり明けをこなし
その後日勤で夜までというパターンなどもあります。
仮眠程度の睡眠で夜まで電車に乗るのです。
ただでさえ不規則な勤務に
イレギュラーな勤務も日常的にこなします。
さらには、休日に出勤することもザラです。
電車は必ず誰かが担当しないとダイヤ通りに運転
できません。そして現場はやはり給与水準も低めです。
休日出勤しないと生活が厳しい場合もあるのです。
つまり。
鉄道員は慢性的に睡眠不足や休息不足であり。
睡魔に襲われやすい環境が整っているのです。
こういうニュースが出ると。
きまってしっかり指導しますという回答になります。
しかし私も運転士経験者なのでわかりますが‥。
眠い時は眠いしどうにもならない。
これは真実です。
眠い時にこんな駅であっさりオーバーランします🔻
そして眠気を指導するというのも難しい。
大概は基本動作をキッチリやる。
日々の体調管理をしっかりさせる。
というような内容になりますが。。。
日々泊まり勤務をこなして睡眠不足なのです。
眠くなるに決まっています。
どんな対策を施しても眠いものは眠い、間違いない。
そんな電車に皆様は日々乗っているのです。