全てにおいて満たされなくていい

時に人は全てにおいて満たされようとしてしまう

自分に欲がないというのは嘘になります。こうであって欲しいと思うことはたくさんあるからです。文章を書く才能だって欲しいし、休みだって欲しい、お金が欲しい、もっと人に恵まれたい。それに、旅行だって行きたいし、見てみたい景色もたくさんあります。美味しいものを食べたい。もっと暮らしを豊かに便利にしたいし、見たい映画もあるし見たいドラマもあります。読みたい本は全部読みたい。そのための時間が欲しい。自分の望みを挙げればキリがありません。

ただ、時々僕はその全てを叶えようとしている自分がいることに気が付いたのです。だって、例え美味しいものを食べることが出来たからといって、自分の望み通りの人生になっているとは思えないからです。確かに、その瞬間は満たされたかもしれません。こんなに美味しいものを食べて幸せだと言ったかも知れません。でも、僕の中では、すぐにあれもこれも叶ってはいないではないかと、満たされていない不足の部分に意識はいってしまうのです。

人は欲深い生き物だと、よく言われるのですが、まさにそうで、こうしたいと思うことは次から次へと溢れてきてしまうのでした。それと同時に、多くの願いは叶わないというネガティブな思考に陥ってしまうのでした。

全てにおいて満たされたとしたら

僕は、時間がないとい言いながら、もしもすべての望みがかなってしまったら、どうなるのかを想像してみたんです。

何もかも全てが叶ってしまうのです。もう、あれがしたいとかこれがしたいとか思う必要がないのです。あれこれ欲しいと思うこともなくなるのです。だって自分にないものはひとつもないのですから。何かを頑張る必要もないし、何かを諦める必要はありません。それは一見、夢のような世界ではありますが、とんでもないくらい地獄のような世界なのかもしれません。

何もしなくても全てが叶ってしまうのです。喜びも充足感も幸せも、感謝の気持ちも感じられないことが想像することが出来たからです。全てを手にしたことで、最も大事なものを失うことになるのです。

想像してみて、はっとしたんです。人生において、叶わないことやないものがあるからこそ、自分にあるものを見ることが出来るのではないかと思うのです。満たされ足り幸せを感じることが出来るものだったのです。

不安なことがあるから、不安を解消しようと努力することで、安心することが出来ます。悲しみや辛い気持ちがあるから、喜びがあるのです。貧乏だったから、ちょっとしたお金を手にしても、喜びを感じます。才能がないから、出来たことひとつひとつに成長を感じられるのです。

僕らに必要なことは何か

こうしたことを踏まえた上で、ひとつ大事なことを知ることができました。今の自分において何が必要なことなのか。

無限のように湧いてくる自分の願望ばかりに目を向けてしまうと、決して自分を満たし続けることは出来ないのです。むしろ、ないものばかりに目が行ってしまい、自分を不幸であると勘違いしてしまうのです。

それよりも、今の自分にあるものに目を向けていく必要があるのだということです。ひとつのことで、充足感をしっかりと味わうのです。今ある幸せを探すことです。探せば、どんどん見つかるはずなんです。それで気付けるはずなんです。自分がこんなにも幸せであることが理解出来るはずなんです。

どんなに願いが叶っていなくても、どれだけ自分が望んでいない状況であっても、自分が幸せだと思う人こそが幸せな人なんですから。

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今日も自分をご機嫌に。
メルシー