虐待被害の後遺症からの回復を目指すカウンセリングは、可能です.
【自分が虐待を受けてきた事実は、気づきにくい.】
私たちは、虐待問題に対して、残念ながら感性が鈍っています。子ども時代に虐待を受けてきた人は、私たちが予想しているより遥かに多いのです。
虐待とは、
①殴る・蹴るなどの身体的虐待
②傷つける言動、人格否定的な態度、本人の自由を奪うようなコントロールなどの心理的虐待
③性的な側面を損なう言動や行為の全てを指す性的虐待
④養育放棄のネグレクト
これら全てが含まれます。
「親から一貫して自分が尊重されずに養育されてきた」という虐待の事実を、成人するまでに気づく人は、むしろ少数派です。「どこか親はおかしい」という感覚をもちながら、その実感を否定します。そして、親の期待に添うように努力するのが当たり前になっていて、「それがうまくいかない自分が悪い」と思う方が多いのです。
子どもは、「親というものは、自分につらいことをしたとしても、心の底では自分のことを大切な存在だと思っているはずだ」と思いたいものなのです。
【虐待被害には後遺症が長く残ります.】
「虐待は子ども時代の出来事にすぎず、大人になれば何の問題もない」という訳ではありません。虐待被害を受けて成人した人は、以下のような“様々な生きる上での困難”を抱えることが多いのです。
●いつも同じ種類の状況や言葉をきっかけとして、非常に耐えられなくなり、強烈な悲しみや怒りの感情をコントロールできなくなる。
●なぜか同じパターンで人間関係がうまくいかなくなる。
●「他人の期待に応えたり合わせないと、自分が周囲から受け入れられない」という感覚がしみついていて、いつも自分をおし殺して生きているようで、苦しい。
●心の奥に底知れないさみしさがあり、何かでそれを埋め合わせたいような衝動をしばしば感じて、言葉で表現できない苦しさがある。
●人間関係の中で、自分に悪意や誤解が向けられた時に、適切に自分を守ることができない。
●自分の本当に気持ちが感じとりにくい。
●PTSD、パニック症状、うつ状態、過食症、拒食症、性依存症、アルコール依存症、不眠、過眠、その他の精神身体的症状に苦しめられている.
これらは、本人はなかなか気づきにくいものですが、子どもの頃に受けた虐待の典型的な悪影響です。
さらには、成人して後も、親からの虐待が継続しているケースが多々あります。例えば、
●親の言いなりになるのが当たり前になっていて、自分が得た収入を親から搾取されている.
●常に親から日常の細かいことを指摘され、ミスを見つけれらて叱責されたり、バカにされたりする.
●子ども時代に親から言われ続けていた言葉、例えば「弱音を吐いてはいけない」「贅沢をしてはいけない」「自分の気持ちより、周りの人のことを優先しなさい」など、大人になってから「これらを忠実に実行するのはおかしい」と思っても、気づかないうちにその通りにしている。
といったケースです。
【虐待被害の後遺症は、回復が可能です.】
虐待を受けると“多様で複雑な生きにくさ”をかかえることになり、どこから何をしたら解決できるか分からず、途方に暮れることがあります。
しかし、これらの苦しさから自分の人生を取り戻すことは、十分可能です。例えば、次のような取り組みをすることが重要になってきます。
●「どうすればよいか」より、「自分がどうしたいか」を大切にする。
●自分の本当の気持ちを感じとるための工夫をカウンセリングの中で実施する。
●人間関係の中で自分が侵害されたと感じる場面で、適切に自分を守るスキルを身につける。
●自分がいつも批判されるような存在ではなく、正当に評価されうる存在であることを実感するワークを実施する。
●虐待を受けた“内なる子ども”の言い分を明確にし、大人としての自分が子どもの部分を癒して大切に扱うための取り組み(これを“インナーチャイルド・ワーク"と呼びます)を実施します。
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→→ 詳しくは、ブレインスポッティングのページ参照
メンタルサービスセンターでは、 眼の「視点」によりフォーカスを高め、脳と身体を基盤にした「素早く」「徹底的に」トラウマを処理する心理療法『ブレインスポッティング』を実施しております.
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■参考:デイビッド・グランド (著), 藤本 昌樹 (監修, 翻訳), 鈴木 孝信 (翻訳) 『ブレインスポッティング入門』(星和書店)
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人によって必要なものは、異なります。「自分が生きるにあたって必要なものを得てもよいのだ」と実感し、自分自身であることを肯定する生き方を、オーダーメイドで支援していきます。
「子ども時代に体験した苦しみ」の悪影響から、自分を解放したいとの願いをもった方は、ぜひ一度ご連絡下さい。
〔お問合せ〕メンタルサービスセンター:
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