メンタルゲームの勝者: 怒りを制御するスポーツ心理学

笠原彰　とちぎスポーツ医科学センター協力心理相談員　プロメンタルコーチ　作新学院大学教授

2023年11月3日 06:36

ステップ1: 状況の再評価

スポーツにおいて、スタンフォード大学の研究によると、「怒りをコントロールするコツは、何に対して怒っているのかをスポーツの観点から再評価すること」となります。

ステップ2: 感情制御方略の適用

「再評価」とは、感情の強度や種類を変化させる感情制御方略です。具体的には、試合やプレイに対する自分の解釈を変えることによります。

ステップ3: 怒りのボルテージを下げる

例えば、審判の判定に怒りを感じた時、「なぜこの審判はこのような判定をしたのか」「なぜ自分はこれに怒っているのか」と一時停止して考えることで、怒りのボルテージが下がります。

ステップ4: 感情へのフィルターの適用

相手チームの選手が挑発してきた時に、「この選手はプレッシャーを感じているのかもしれない」と一枚フィルターをかけると、怒りが収まります。

ステップ5: 感情への再評価の具体例

試合で待ち時間にイライラするなら、「相手チームも準備に時間がかかっているのだろう」と考えることで、イライラを抑えられます。また、試合中に相手にぶつかったとしても、その選手が誤っていたとわかれば、許す気持ちになります。

ステップ6: 認知と感情の機能の再配分

認知と感情の機能は、脳の限られたリソースを使っています。怒りの感情が湧いた時は、例えばスコアを数え直すことで、脳の別の機能を使い、怒りが静まります。

ステップ7: 脳のリソースの再配分

怒りのスイッチが入っている時は、スポーツの戦略を練るなど、他の思考にスイッチを切り替えることで、怒りの感情を減少させます。

ステップ8: イライラの解消

イライラを自覚した時は、「再評価」をするか、スコア計算や戦略の見直しなどをして、脳を別の方向に向けることで、イライラから解放されます。

笠原彰心理学的分析

このアプローチは、認知行動療法の応用として見ることができます。認知行動療法は、否定的な思考パターンを識別し、それらをより現実的かつ肯定的なものに置き換えることを目指します。スポーツにおいては、プレッシャーや競争に直面した際の選手の感情管理に特に有効です。再評価を通じて、選手は自己調整能力を高め、パフォーマンスに悪影響を及ぼす可能性のある怒りやフラストレーションを減少させることができます。また、この技術は集中力を高め、状況に対するより適応的な反応を促すことで、スポーツの成果を向上させることにも寄与するでしょう。

笠原彰プロフィール：

作新学院大学メンタルトレーニング教授
とちぎスポーツ医科学センター協力心理相談員
プロメンタルコーチ
自己肯定感養成プロコーチ
ライフバランスアーティスト
健康運動指導士
メンタルヘルスファーストエイダー
メンタルヘルス運動指導員

アスリート、コーチ、指導者、ビジネスマン、音楽家など、人生をより豊かにしたい全ての方の挑戦をサポートします。

専門的な知識を習得したプロメンタルコーチとメンタルアスリートを養成しています。完全個別指導でプロメンタルコーチとアスリートを養成します。

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