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【断酒・アルコール依存性】自分だけは大丈夫という正常性バイアスの危険さ

アルコール依存性は『自分だけは大丈夫』という正常性バイアスに気をつける必要があります。

自然災害や火事、事故、事件などといった自分にとって何らかの被害が予想される状況下にあっても、それを正常な日常生活の延長上の出来事として捉えてしまい、都合の悪い情報を無視したり、「自分は大丈夫」「今回は大丈夫」「まだ大丈夫」などと過小評価するなどして、逃げ遅れの原因となる。

正常性バイアスは自然災害の時によく用いられる言葉ですが、アルコール依存性、また飲酒運転や飲酒による暴力等にも当てはまると考えております。

私も断酒する直前まで、ずっと考えていました。いや、思い込もうとしていました。

『自分だけは大丈夫』

『まさか、自分がアルコール依存性になる訳が無い』

『自分は只の酒好きなだけ。少し飲み過ぎる日があるだけ』

『休肝日も作れているし、絶対にアルコール依存性では無い』

こうやって、現実から目を背けて、飲む理由を正当化し、どんどん依存性は進行して行きました。

何故この正常性バイアスが強く働いてしまったのか。

理由は大きく3つあります。

①アルコール依存性のイメージとの解離

今でこそアルコール依存性に関する知識はネットで収集出来ますが、多くの人は興味、関心も無いので敢えて収集はしないと思います。

アルコール依存性といえば、

日本酒のワンカップを持って、朝からフラフラ飲み歩いて、手が震えている人

という固定観念的なイメージが存在します。

私の中のイメージは少なくとも上記のイメージでした。

なので、『ちゃんと働けている自分はまだアルコール依存性では無い。手も震えていないから大丈夫だ』と勝手に思い込もうとしていたのだと思います。

実際、アルコール依存性は誰でもなりうる病気で、普通に仕事をしている人にこそ多い病気だと、断酒後知りました。

②更に酷い依存性者に安心してしまう

醜い人間だとも思いますが、自分より酷い、明らかにアルコール依存性者だな、と思う人が身近にいました。

知り合いでは無く、街の近所でフラフラしている、正に固定観念のイメージのアルコール依存性者の方です。

その方を見て、『この人よりは自分はまだまともな飲み方をしている。自制を保っている。だから、アルコール依存性では無い』と思っていました。

③アルコール依存性を認めると一生飲めなくなるから

③が一番大きな理由です。

断酒前、アルコール依存性についてよく知らなくても、これだけは分かっていました。

アルコール依存性は治らない。なったら酒を止めるしかない。

だから、アルコール依存性に陥っていく自分を認める訳にはいかなかったのです。

認めたらもう一生飲めなくなるから。

①ー③の理由により、正常性バイアスに陥っていた私はアルコール依存性を進行させ、連続飲酒状態になりました。

朝からビールを飲む、数時間毎にアルコールを身体に入れないと不安になる、コンビニでお酒を買う時手が震えている。

固定観念通りのアルコール依存性者になってもなお、自分はアルコール依存性では無いと信じていました。

これが、否認の病の恐ろしい所です。

結局、底つき体験を経て、断酒後の離脱状況を経て、初めて自分はアルコール依存性だったのだと、認めることが出来ました。

健康、時間、信頼、お金、、多くの物を失ってしまいました。

繰り返しになりますが、アルコール依存性はお酒を飲んでいる以上誰でもなりうる病気です。

自分だけは大丈夫、自分だけはアルコール依存性にならない、という正常性バイアスに陥らないようお気をつけ下さい。

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