どのWiMAXプロバイダがオトクなのかを比較してアプリを作りました(※2024年1月24日時点の情報です)
引っ越しに伴って、新たにインターネット回線を契約しようとしていました。
しかし、引っ越し先の物件では色々とネット環境の工事等が色々とややこしかったため、ポケットWi-Fiやホームルーターを検討することにしました。
調べてみたところ、WiMAXが手軽さと性能の点で私の要望を満たしているように思いました。
そして、どうやらWiMAXプロバイダ(WiMAXをネットで代理販売)からの購入が、最も価格を抑えられるらしいことがわかりました。
ただ、どの検索上位のサイトを見ても、私には以下の点がよくわかりませんでした。
比較によく使用される指標「実質月額」とは何なのか?正しい指標なのか?
「どれぐらいの期間」で契約し続けると「どのサービス」が他と比べて「どれほどオトク」になるのか?
これを解決するために、グラフをプロットして比較してみました。
また、比較するための表を生成するアプリも(雑ですが)作って公開しました。
本当は引っ越しで忙しいのに色んなサイトの比較がわかりづらかったからイライラしてこの記事を書きました。
比較サイトでよく使われている「実質月額」とは?
はじめに、多くの比較サイトで使用されている「実質月額」がどのような指標なのかを見てみます。
しかし、この指標には下記のように、いくつかの問題点があります
契約期間が2・3年に固定されている(1年前後の解約を考慮していない)
月ごとに実際に支払う額を知りたいのにそれが反映されていない
従来の「実質月額」がどのような指標であるかは、グラフを描いてみるとすぐにわかります。
2つの料金プランのグラフを重ねてみました。
この図で横向きの青色矢印が1~24・36ヶ月の契約継続期間を表していて、上向きの橙色矢印が実質費用(=支払総額ー特典総額)を表しています。
このように見ると、「実質月額(2・3年間の実質費用÷ 24・36か月)」とは、青色矢印の末端から橙色矢印の先端に向けて引いた直線の傾きであると言えます。
おや?
後で考えた料金プランの方が、橙色矢印が短い、すなわち直線の傾きがかなり小さいですね。
そして、直線の傾きが小さいということは、「実質月額」もかなり小さくなるということですよね。
でも、2つの料金プランの実質費用のグラフが途中まで重なっているのを見るに、短期で契約する場合には2つのプランのオトクさに、そこまで大きな差が出るようには全く見えませんよね?
はたして、このような「実質月額」という指標は、「オトクさ」を知る上でうまく機能している指標なのでしょうか?
そこで、今回は公式サイトの現時点での情報のみを使用して、支払額や月額のグラフを描くことで、これらの解決を試みました。
グラフの描き方
考え方自体は多くの比較サイトと同じです。
キャッシュバックと費用についての関係を考慮して、次のような契約継続月数に対する実質費用のグラフを考えていると仮定します。
このグラフを見るとわかる通り、価格に関わっている要素は以下の通りです。
初月料金【①の要素】
特典・キャッシュバック額【②の要素】
月額料金(ただし段階的に変化する場合がある)【直線の傾き(③で変化する)】
端末代金(分割支払いも同額払うため一括支払いと見なす)【①の要素】
事務手数料【①の要素】
グラフの描き方についてはちょっと長くなる上に本筋から脱線するので、私が最近始めたブログに書きました(下記リンク先)。
もしよろしければご覧いただけますと幸いです。
(noteでは個人的な経験や空想についてをメインに書いて、皆さまと交流をしたいと思っております……)
【※2024年1月24日時点】各WiMAXプロバイダの比較グラフ(キャッシュバックを受け取れた場合)
総支払額のグラフとわかること
百聞は一見にしかずということで、結論をグラフで出しますと、次の画像のようになりました。
ただし以下のグラフでは、背景の半透明な水色・橙色・緑色のエリアは、順に契約開始から1年目・2年目・3年目の期間であることを示しています。
【このグラフからわかること】
1年の契約ならヨドバシWiMAXが一番安い。
キャッシュバックを受け取れた場合は、14か月目にGMOとくとくBBが最も安くなる。
そして、それ以降も契約を継続するほどGMOとくとくBBが相対的に更に安くなっていく。
10か月目までの契約ならシンプルWiFiが2番目に安い。
22か月の契約のタイミングでBIGLOBEが2番目に安くなる。
平均月額のグラフとわかること
2年目以降、GMOの平均月額は4,000円に落ち着いていく。
1年目のヨドバシとBIGLOBEの平均月額は差が大きいものの、2年目後半から共に4,000円台後半になっていく。
【※2024年1月23日時点】各WiMAXプロバイダの比較グラフ(キャッシュバックを受け取れなかった場合)
総支払額のグラフとわかること
そして、キャッシュバックを「ホームページに書かれていたキャンペーン内容と違った」「うっかり忘れる」等の理由で受け取れなかった場合には、こちらの画像のようになります。
【このグラフからわかること】
1~2年の契約ならヨドバシWiMAXが一番安い。
2年目の途中まではシンプルWiFiが2番目に安い。
最初の差額は端末代金の影響が大きく出ている。
平均月額のグラフとわかること
【このグラフからわかること】
ヨドバシWiMAXの平均月額は大体4,500~4,700円台の範囲に留まる。
シンプルWiFiの平均月額は契約期間によらず大体5,000円ちょっとであり、変動しない。
GMOとBIGLOBEの平均月額は初期費用が影響し、1年目の間は上2つの月額よりも1,000円以上高め。
以上の比較から、1年未満の短期間の契約であればシンプルWiFiやキャンペーンを利用したヨドバシWiMAX(ギガ放題プラスS)がオトクであることがわかりました(【※2024年1月24日時点】)。
一方、長期での契約で更にキャッシュバックを受け取れた場合には、2年目の中盤からGMOやBIGLOBEでの契約がオトクになっていきます。
BIGLOBEは月額料金の安さが、GMOはキャッシュバック額の大きさと月額料金の安さがその要因です。
企業の立場では、顧客データのキャッシュバックの受け取り率や平均契約継続月数から、どのような料金プランでどれぐらいの利益が出せるのかを概算しているのだと思います。
同じ製品でも各プロバイダによって、どこで消費者にオトクだと思わせたいのかという点で差別化をして、結果的に人気に差が出ているのは興味深いです。
まとめ 個人的な感想
WiMAXの各社プロバイダについてグラフを描いて比較してみました。
これでやっといろんな比較サイトに書いてあった「実質月額」ではない、「平均月額(支払総額を契約継続月数で割ったもの)」による比較ができたと思います。
このデータを踏まえて、私個人の意見としては「WiMAXのプロバイダでGMOとくとくBBが最強!」という主張にはやや疑問を感じています。
契約継続期間のが1年未満の場合は、総支払額は他のプロバイダと1万円近く差がありますし、安さの要因であるキャッシュバックの額もサイトによって書かれていることが大きく違っています。
4万越え!とか書かれているのは、他プロバイダからの乗り換え時の最大キャッシュバック額なので、自分の契約がこの条件に該当するのかを確認しておいた方がいいです。
また、GMOとくとくBBはその月額料金の安さから、長期で使えば使うほど確かにオトクだということが確認できましたが、そもそもWiMAX端末を何年も長期的に使うのかということも疑問に思います。
その理由は、WiMAXのサービス内容や端末性能はかなり短期的に大きく変化するためです。
例えば、途中解約について数か月前の情報だと「違約金がかかる」と書かれていたのに、今見ると「制度の変更によって違約金は廃止された」と書かれているといったことが多々あります。
そもそもWiMAXを使いたい方は、「回線工事ができない等の理由でWiFi環境を準備できない」「引越しが多いのでモバイルルーターを使いたい」「出先でも高速な回線を使いたい」などの理由で使用を考えているように思います。
しかし、これらの理由によるWimaxの使用は、その多くが短期間に留まるのではないでしょうか?
色々とごちゃごちゃ書きましたが、言いたいことはたった1つです。
忙しい時に、すぐ参照できるちゃんとした比較サイトがあって欲しいと思いました。
本当は引っ越しで忙しいのに色んなサイトの比較がわかりづらかったからイライラしてこの記事を書きました。(2回目)
読んでくださり、ありがとうございました。
おまけ 作成した比較表アプリ
引っ越しで時間がないのとITが苦手なのでかなり雑な出来です。
もし機能しなければ申し訳ございません。
Wimaxだけではなく、キャッシュバック・初期費用・月額料金の切り替わりがあるインターネット回線などのサービス比較にも使えると思います。
(ただし、カシモWimaxなどの特殊なキャッシュバックには今回対応していませんのでご了承ください。)
こんな感じで各種パラメータを入力すると表が出てくるようになってます。