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【第4日】失われた笑顔を求めて
母が急に元気を失ったのは、今から約十年前、父が亡くなったときだった。私は数ヶ月や一年もすれば、母は元気を取り戻すだろうと考えていた。しかし、十年経った今でも、母は以前のような活力を見せない。
「母が元気がない」というのは、何かをしたいという意欲が減ってきたことを意味している。「どこかへ行きたい」や「遊びたい」という欲求はもちろん、「食べたい」という生きる基本的な欲求さえも薄れている。自然豊かな場所への旅行や買い物、美味しそうなレストランを提案しても、母の興味を引くことはできなかった。
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消えゆく記憶と共に〜双極症の私と認知症の母の日記〜
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私は双極性障害を抱え、母は認知症を患っている。病が進むにつれ、私たちは現実を見失い、自分が誰であるかもわからなくなる。そんな私たちは、まる…
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