【第6日】小さな約束が紡ぐ希望の光
秋の夕暮れ、窓から差し込む柔らかな光が部屋を淡く染めている。私は机に向かいながら、ペンを握る手を止め、心の中で静かに問いかけた。
「双極性障害の私と、認知症の母が一緒に暮らすことはできるのだろうか?」
この問いは何度も頭を巡り、不安と希望が交錯する。母との生活は困難を伴うだろう。しかし、だからといって諦めたくはない。私たちが共に生きるために、どんな約束事が必要なのかを考え始めた。
記憶が曖昧になる私たちだからこそ、約束はシンプルでなければならない。私は最終的に三つの約束に絞った。
「自分のペースで生きよう」「無理はしない」「何かあったら相談しよう」
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消えゆく記憶と共に〜双極症の私と認知症の母の日記〜
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私は双極性障害を抱え、母は認知症を患っている。病が進むにつれ、私たちは現実を見失い、自分が誰であるかもわからなくなる。そんな私たちは、まる…
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