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013.セレンディピティを起こすための方程式があるって、ほんとう?
本日は1月19日。
数日後の1月23日は私の会社Catalyski(カタリスキー)の2歳の誕生日です。駆け抜けた2年間だったような気もするけど、家族と過ごす時間も増えてゆったり過ごした気もする、そんな不思議な感覚の2年でした。同時に、自分の身の丈も知る2年であり、肩肘を張らずにいられた2年でもありました。
創業は2023年1月23日。本来なら、大安とか「〇〇日」みたいな縁起の良い日をしっかりと選んで起業すべきだったのかもしれませんが、個人事業主で開業するつもりだった年末から、いろいろな先輩起業家のアドバイスに触発されて法人格にすることを決めてしまったので、早く手続きしなければと焦って、現実的な最短日程で選んだのがこの日でした。
年月日を8桁で表すと「20230123」で、地道に増えたり減ったり、また増えたりする「一歩進んで二歩下がって三歩進む」感じが、順風満帆でもないし、大怪我もしないし、塞翁が馬だし、なんか僕っぽいなと気に入っています。
1/23にはCatalyskiの『Vision2025』を発信しようと思いますが、その時は、ここでも解説をさせてもらえたらと思います。
Catalyski共々2025年もよろしくお願いします。
「セレンディピティの人」として馴染んできた!?
昨年の秋ぐらいから急に声高に「セレンディピティ」と口に出してきましたが、3ヶ月ちょっとが経過して、僕の周りの人もセレンディピティって口にする人が増えた感覚があるし、僕がそういうことやっているってことも、白い目を向けられることもなく、自然に受け入れられてきた気がします。もちろん、はじめましての人からは相変わらず白い目を向けられていますがw。僕自身も耐性がついてきたのかもしれませんね。
わかってきたのは、セレンディピティについて話してみると、「おもしろい」と思ってくれる人はまぁまぁいるということ。さらに言えば、僕が出入りしているコミュニティの人たちや、交流している人たちは、セレンディピティに対する理解度は比較的高くて、例え「セレンディピティ」という単語を使っていないとしても、偶発性の価値や可能性に対して感覚的に理解できているということ。
それなりに理解してるから、わざわざ誰かからインプットされる必要が無いというのもあるのでしょうが、とは言え、経営者の方々との会食の時に、僕の興味本位でインタビューみたいに質問攻めすることが最近多いんですが、経営者からすると、セレンディピティを得るためのアクションや思考について、無自覚で空気を吸うようにやってしまっていることもあるので、僕からの質問に答えていく中で言語化されていくのが楽しいと言われることも。
これは僕にとっては、思いがけない気づきで、ファシリテーションやトークイベントの回を重ねて、僕の『問う』という行為が少しずつ上達してきているのかもしれません。そしてその問いが条件反射で答えられない深度の深い問いであればあるほど、その意義は高まる可能性があるということです。
僕としては、このセレンディピティ的な思考は、ビジネスでも日常でも活かせるものだと思っているし、役職も年代も問わないものだと思っています。未だにターゲットが判然としてないけど、これからも言い触れて回りながら、届けるべき人を見つけられたらと思います。
運の方程式について
今日のタイトルにもしましたが、もし「運」に方程式があるなら知りたくないですか?
セレンディピティの話をするときに、「運」という言葉を使うかどうかをよく悩みます。セレンディピティを、いわゆる「(降りかかってくる)運」と同じ意味合いで捉えられてしまうと、僕が大事にしたい「偶然と才気によって、探していないものを発見すること」という定義に反するからです。
昨年、とある方とセレンディピティについてお話をさせてもらったときに、『運の方程式』という本の存在を教えてもらいました。その直後にすぐネットでポチって購入しましたが、しばし積読の時期を経て、最近になってやっと読み始めました。
ちなみに、僕は今読んでいる本や、最近使ってるガジェットなどを敢えてテーブルに置くようにしています。それは、「これなんですか?」とか、「なんの本読んでるんですか?」と、周りの方から話しかけやすいような材料を置いて、会話のきっかけをつくる意図があります。
今回もいつも通り『運の方程式』を机に置いておいたところ、いつもに増して「これなんですか?」「うん・・の・・・ほう・・ていしき?」みたいな感じで、声をかけられました。過去最高に話しかけられたかもしれない。声をかけて欲しいという思いで置いているので、運の本だけに、文字通り「運が良い」と言って良いのかもしれません。
興味を持ってくれた人にはその場で、僕なりの解釈を交えつつ、軽く本の解説をするんですが、今回も、さわりの部分として、皆さんに本に記載されている『運の方程式』をお伝えすることにしました。
【運の方程式】 幸運 = (行動×多様+察知)×回復
この本の解説はここでは詳しくしませんが、とても読み応えがあります。幸運を引き起こすために、①行動、②多様、③察知、④回復の4つのスキルに分けて、それぞれの要点と、その部分を強化するためのアクションについて、具体的にアドバイスしてくれます。
正直、掛け算とか、足し算とか、カッコとか、その辺の塩梅はよくわかんないけど(笑)、まぁ、方程式っぽく見えるように作り込んだのだと思います。タイトルこそ、まだスピリチュアルな匂いが漂いますが、中身は中々に科学的です。
①行動スキルとは?
これまで何冊も運やセレンディピティの本を読み込んできましたが、ほぼ共通している究極の結論は「まずやれ!」なんですよね。そういう意味で、やはり『行動』が最重要だということは、私の先日のセミナーでも触れています。ビジネスの世界でも、「打率よりも打席(数)」といった言葉はよく耳にします。要は、人生の幸運は試行回数で決まるからです。
人生におけるチャレンジの回数を増やすしかない。そういう考え方です。ちなみに、成功率1%しかない難しいことも、100回の試行を超えると成功率は66%を超え、459回で99%に達するそうです。シンプルな計算ですが、チャレンジを後押ししてくれる、力強い結論とも言えますね。
②多様スキルとは?
とは言え、試行をただ闇雲にやっても仕方ないし、だからと言って、同じことをやり続けることが本当に正しいのかというと、そうでもないという観点で解説されている『多様』は、個人的には一番面白かったかもしれません。僕もこの『多様』の重要性を重んじているから尚更です。
例えば、子どもの時の英才教育に関するデータは、なかなか興味深い。
スポーツの世界で成功するには、幼少期から一つのスポーツに特化すべきかというテーマの研究です。これは、結論、長期的な成功に結びつかないのだそうです。長期的に活躍するトップアスリートほど、複数の種目を経験していたことがわかってきました。その理由は・・・また機会があれば解説しようと思います。
③察知スキルとは?
チャレンジの総量を増やし、複数の物事に手を広げて多様性を広げていくことの重要性を語りつつ、それだけでは「ただのいろんなことをしてる人」に過ぎないという現実があります。
身の回りに起きる小さな変化を察知し、偶然に注意深く目を向けて、そこで得た発見を幸運に変える必要があるわけです。僕は、一見関連性がわからないことに「構造的な類似」を見出すことが重要だと思っていて、それは、まさにこの『察知』だと思いました。だから、これまた非常に共感。
④回復スキルとは?
行動・多様・察知を押さえた上で、最後に必要なのは『回復』。
僕に無かった観点というか、これも方程式に組み込んでしまうか・・と唸らされました。いわゆるレジリエンスのことです。先述の3つのスキルを身につけて挑戦をできたとしても、必ずしもうまくいくとは限らないわけです。
1回の挑戦で心折れて終わってしまったら、その次に来るかもしれないセレンディピティを逃すわけですから、その失敗をレッスンとして、次に目を向けられるかという『回復』はとても重要です。ドリカムの曲にもありましたよね。
10000回だめで 望みなくなっても 10001回目は来る
君を呼ぶ声 力にしてくよ 何度も
明日がその 10001回目かもしれない
僕も『GRIT(やり抜く力)』を引き合いに出しながら、この『回復スキル』的なことの重要さは語ってきましたが、挫折の痛みから速やかに抜け出し、再び新たなチャレンジに挑めるメンタリティは、重要なスキルと言えるかもしれません。これは私にとっても示唆に富むものでした。
セレンディピティの方程式
鈴木祐さんの『運の方程式』という本について特別異論はなく、自分が考えていることに近かったことに、むしろ励まされた気持ちになりました。
1年ちょっと前に、お恥ずかしながら、私が初めてセレンディピティについて、10名弱の人の前でお話をさせていただいた時、私は資料の中に『セレンディピティの方程式』というページを作っていました。
あの時の資料は、今以上に粗くて、読み返すと恥ずかしくなりますが、でも結構良い線をついてるなとも思いました。
【セレンディピティの方程式】
セレンディピティ = 出会いの頻度 × (知的)好奇心
※出会い:人に限らず、物事全般との出会い・遭遇
※知的好奇心:知識や理解を深めたいという気持ち
そして、さらに続きます。
・知的好奇心 = 知識 × 感性
・感性 = 理性 × 感受性
※感性:外界の刺激を受けた感覚内容を咀嚼して、意味のある認識を作る
※理性:論理的・概念的に思考すること
※感受性:外界の刺激や印象をそのまま受け入れる・受け止める力
つまり、
セレンディピティ = 出会いの頻度×知識×理性×感受性
これ、ここでは、細かくは解説しませんが、鈴木祐さんの方程式にも一部通じるものがあります。
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ここで言うところの『出会いの頻度』とは、つまり『行動』なんですよね。何かをすることで、得られる人や物事、学び、刺激のことを指している。そして、『感受性』が『多様』かな。刺激や印象を一度受け止めてみる姿勢。これは多様性と言って良いと思います。『感性』・『理性』は『察知』かもしれませんね。その刺激に気付き、意味付けしていく作業ですからね。
『回復』というスキルには、僕の方程式の中で触れていませんが、その重要性は当然ながら僕も理解しているつもりです。代わりに『知識』というものに触れています。『多様』にも通じますが、この知識が僕の方程式におけるベースであり、これが全てに大きく影響を及ぼすと僕は考えていて、インプットとアンラーンの重要性は他の場面でも語ることが多いです。
シン・セレンディピティの方程式!?
鈴木祐さんの『運の方程式』を読んだことで、僕の方程式も改良の余地があることに気づくことができました。ですので、いつか、この方程式をアップデートし、『シン・セレンディピティの方程式』としてまたどこかでお披露目できたらと考えています。
その時には、それぞれのスキルを身につけるためのTipsも組み合わせていければと思いますし、この軸が出来上がることで、色々と説明しやすくなる気がします。今から楽しみです。
最後に
そんな僕は、今、セレンディピティ(偶然と才気によって、探していないものを発見すること)について(個人の趣味として)研究をしています。
セレンディピティを、ただ降りかかってくる運として捉えるのではなくて、普段の過ごし方や考え方を少し変えることで、その頻度を増やすことができる後天的に見つけられるスキルやマインドセットにできないかと僕は考えていて、このnoteで週1配信を行っています。
今後も、色々な経営者との対話から得た知見や、ビジネス書、論文などの文献を織り交ぜながら、生煮えの考察を言語化し発信していきます。
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