こんなふうに人は

車の入れない細い路地を
右へ行くと
今にも聞こえてきそうな
風の音
そこで立ち尽くす私は
あの日以上に哀しい顔
急な階段は
降りる時の方が
誰かを必要とする
だけどひとりなら
転ぶしかない
覚えた痛みは薄れてゆくたび
心に刻まれるから
似たような風景に
足が震えたりする
忘れたくても
忘れたくても
よみがえる
こんなふうに人は
過去をひきずりながら
黙って歩いてゆく
戻りたくても
戻りたくても
遅すぎる
こんなふうに人は
後悔ばかり積み重ね
それでも生きてゆく

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