1日4色は食べたい「第7の栄養素」
ファイトケミカルってなに?
ファイトケミカルは「植物が持っている化学物質」などと表現するそうです。元々植物は自分で移動できないため、自己防衛能力を授かっています。
例えば、強い紫外線や雨風にさらされても移動できない植物は酸化を防ぐ抗酸化力や抗菌力を自らもっていたり、害虫や動物などから逃げられない植物は匂いを出して遠ざけたりする性質があります。身を守るために植物が自ら作り出した色素、香り、辛み、苦みなどに含まれる機能成分がファイトケミカル。
人は「ファイトケミカル」を作り出すことはできませんが、それらを含んだ野菜や果物を食べることによってファイトケミカルを体内へ取り入れることができます。
ファイトケミカルは、6大栄養素(タンパク質、脂質、炭水化物、ビタミン、ミネラル、食物繊維)に次ぐ、「第7の栄養素」として注目を浴びています。
ファイトケミカルの最も期待されている健康への効果は、抗酸化力です。
人は呼吸の際に酸素を利用しますが、取り込まれた酸素の一部は活性酸素やフリーラジカルという体内の成分と反応しやすい状態になります。活性酸素やフリーラジカルは、タンパク質と反応してその機能を損なったり、脂質を酸化して過酸化脂質を生じさせたり、遺伝子の損傷を引き起こしたりすることで、老化、がん、動脈硬化、生活習慣病などの原因となると考えられています。抗酸化物質を摂取することで酸化を防ぎ、老化や様々な病気のリスクを低下させます。
ファイトケミカルの種類
トマト〈ミニトマト〉、スイカ、赤パプリカ、グレープフルーツ〈赤肉種〉、唐辛子など
【黄】代表的な栄養素(ルテイン、ケルセチン、ヘスペリジン、フラボノイド)
玉ねぎ、黄色のパプリカ、オレンジ、柚、みかん、レモン、伊予柑、デコポン、銀杏など
【橙】代表的な栄養素(ベータカロテン、プロビタミンA、ゼアキサンチン)
かぼちゃ、にんじん、マンゴー、桃、メロン、パプリカ、トウモロコシなど
【緑】代表的な栄養素(クロロフィル)
ピーマン、春菊、レタス、ほうれん草、オクラ、大葉、チンゲン菜、小松菜、水菜、パクチー、アボガド、キウイ、ライムなど
【紫】代表的な栄養素(アントシアニン)
なす、赤キャベツ、赤しそ、サツマイモ、赤大根、ビーツ、黒豆、ぶどう、ブルーベリーなど
【黒】代表的な栄養素〈クロロゲン酸、カテキン〉
じゃがいも、ゴボウ、舞茸、松茸、椎茸、タケノコ、長芋、レンコン、バナナ、甘栗、コーヒーなど
【白】代表的な栄養素(イソチオシアネート、アリシン)
にんにく、長ネギ、大根、かぶ、白菜、カリフラワー、らっきょう、えのき、エリンギ、生姜など
効果的に摂るコツ
①野菜は皮ごと食べる
野菜の皮にもファイトケミカルは含まれる為、よく洗って皮ごと料理に使う
②カロテノイドは油と一緒に摂る
β-カロチンやリコピンは脂溶性なので油と一緒に摂ると吸収率が上がります。
③含硫化合物はなるべく加熱しない
アリシンやイソチオシアネートは熱に弱い為、なるべく生がオススメですが、ニンニクや玉ねぎは生で摂りすぎると胃を荒らします。食べ過ぎは注意です。
④ファイトケミカルは組み合わせて摂る
体に作用する働きがそれぞれ異なるので、単体よりも組み合わせて食べる。何でもバランスよく食べることが健康への道です。