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【詩】路地裏我楽苦多物語
刑期残り一年で旅立ったポン中老爺
ペテンとドラッグと裏切りの果てに
六畳二間過積載のガラクタを置いて
深い絆で結ばれた母の元へ向かった
ここは市境の路地裏
蟲も寄り付かぬ雑居
ここのひとびとはあたたかい
「お兄さん、大変だわね」
なんて言いながらエールをくれる
引き摺り出したガラクタ達
梅雨の終わりをよろこんで
娑婆を吹く風にかわかされ
在るべき場所へ帰っていく
我、残る感情は
楽、染みを零し
苦、沁みを覚え
多、絆を大切に
もうすぐここもきれいになるよ
新しい住人もじきに来るからね
哀愁故人、黄泉にて償い休まりたまえな。
やっと汚泥から這い出てきました。