【詩】You-Me
精神安定剤の眠りから覚めたとき
田園が夕陽に焼かれて燃えていた
幾星霜
長い永い時間のなかで
わたしはあなたと会えるでしょうか
窓辺を伝う雫のように
あなたへわたしの想いを伝えられるでしょうか
カーテンを膨らます風のように
わたしはあなたへ届けられるでしょうか
煙草の先の火種のように
小さく熱く灼ける想いを
憧れたあなたに言ってみたいのです
ゆめ
叶えるもの
覚めるもの
わたしがあなたにこれを渡して
あなたがわたしにそれを返して
ひとつの美しい果実になったら
わたしはもうそれでいい
タールで侵し続けたた肺と
アルコールで澱んだ内蔵と
鉄粉を飲み込ませた皮膚と
ヘドロを啜って穢した喉と
焼け焦げたわたしのこころ
叶うのが先か、覚めるのが先か
脈の始まりはアトランダムでも
動の終わりは似非ランダムだし
この息苦しいような感覚を以て
わたしはもうすこしあなたをさがす。