【詩】桜歌
二月の置き土産が肌を刺す
太陽は薄雲の先で輝いては
厚雲に隠れ遮光を繰り返す
先を急いで咲いた桜は雨に撃たれ
道端に花びらを落とし次の緑へと
久々に参拝した
神様へお願い事
「見守ってください」
今日も鉄塔の頂は無人
そこに腰掛け葉を紡ぐ
咲き急いだ桜はきっと後悔していない
遅咲きの桜もまた後悔はしないだろう
命の終わりは一度だけ
凛と謳歌してやろうか
桜の花が教えてくれた
背中が暖かくなってきた
紙巻煙草に火種を灯した
ちりちりと咆哮する火種
足元には影が伸びていた
吐いた白煙の黒影と共に