【詩】ライフ・イズ・アート
美麗眩き水面で呼吸しては
醜悪すら届かぬ深海で眠る
眩
闇
くらやみ
妖艶な死神の愛撫
麗しく香る水中花
家鴨と咲く金木犀
人の道に生を授かったなら
うたを語ろう、奏でようよ
所詮終るまでの暇潰しだよ
ヒトとは芸術を知る生き物
「有終の美を飾る」
三十年だか五十年か百年か
どんなに永らえても必ずや
直面せねばならぬ終の時よ
せめてその瞬間だけでいい
美しく在れ
歩んだ道を誇れ
奏でた歌に胸を張れ
一人相愛のワルツを踊ろう
そう遠くない未来なんだからさ
後腐れ無く無垢の向く間に躍れ
梟の鳴き声が朝を告げ
永久の森で囀る不如帰
おやすみの合図には鶯
ほーほけきょ。
春は目の前で眠っている