【詩】春のひと嵐
太陽が雨を流す朝だった
突風が幾度も洗濯物を回す昼だった
林檎の香りがする不思議な夕暮れだった
分岐点
進んでみぬと
分からない
何処へ舵を切ろうか
風は何処から吹くか
帆を何処へ向けるか
船長は俺
一等航海士も甲板長も操舵手も不在
ただ一人、生を渡る船に乗っている
今日は四方八方から風が吹き荒れて
思うように航海は進まず錨を落とす
ラム酒を飲みに行こうか
今日は洋食って気分だね
港へ辿り着いた時に
私はどんな心地かな
桜は潮風に散り香る
笑っていますように
とりあえずさ
慎重に大胆に
鎖を上げるか
落としとくか
決めないとね
沈没は懲り懲りでっせ。