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わたしの副音声ライフ - ウィスパーとの上手なつきあいかた -
「いかん。最近ウィスパーの声がでかいな。」
ここのところ感じている不自由さ。
その正体は、私の耳元で声色を変えささやき続ける警告人、
その名もウィスパー。
時に友人の声で、時に仲間の声で、時にご近所さんの声で。
まるでその人が話しているかのように私に語りかけるウィスパー。
(なので私は時にそれを「副音声」とも呼んでいる。)
何がやっかいって、大概私のウィスパーはスーパーミラクルネガティブ。
例えば、
「これでいいかな。ありがとう!」
っていう感謝の言葉が、
(この程度で我慢してやるか。これ以上言っても無駄だな。)
こんなふうに聴こえる。…万事この調子。
(ちなみにカッコ内はわたしのウィスパーがその人の声で言ってる副音声)
しかもヘンにそのネガティブ翻訳がリアルだしその人の声色で聴こえるので、まるでその人の「本心」が漏れて流れ込んできているように錯覚しそうになる。これが困りもの。
「最近ちょっと副音声がでかくてちょっと困ってる」
と夫に漏らしてみたところ、
「いやそれ被害妄想だろ(笑) 」
って一蹴され、いやそうね、そうなんですけどー!
彼にはどうも副音声が聴こえることはないみたいなんですけど、でも案外こういう心の声に悩まされてる人も多いのではと思って、ちょいと私のウィスパーとの副音声ライフを書き留めておこうかなと思います。
私のウィスパーを絵に描いてみた
なんかほとんどメ○モンみたいになっちゃったけど…
この子がかれこれ私がもう10年以上つきあってるウィスパーのイメージ。
(扉絵みたいなオシャレな絵が描けませんでした)
これが、肩の上にずっと乗って耳元でやいのやいのおっしゃる。
ちなみに私がそのウィスパーがささやく副音声の存在に気づいたのは、
数年前に受講したコーチング講座の時。
あなたが何か新しいことを始めようとした時に、
何か警告のようなメッセージが聞こえてくることはありませんか?
「やめておけ」とか「お前には無理だって」とか。
それはあなたのウィスパーが、
あなたのことをまもるためにささやいているんですよ、
新しいことを初めて失敗して傷つかないように、って。
「あ、なるほどあれはそういうことだったのか!」
と、それまで自分の声なのかと勘違いしていた声の主の存在に気づいた。
(その時まではウィスパーは私になりすましていたことが多かった)
つまり、いろいろ考え事をする時、
やたらとネガティブな思考が出てくるのは、
それが自分自身の気持ちというよりは、
「"わたし"がこれ以上傷つかないように」という想いで声を発する
自分とは異なる何かによるものなんだと考えた時、
それはやけにストンと自分の心の中に落ちた。
自分の声(たとえば「やりたい!」という声)と、
ウィスパーの声(たとえば「私にはできないよ!」という声)と。
この二つを切り分けたことによって、
自分の中の一歩を踏み出すことが以前よりも格段にやりやすくなった。
ずっと"自分で自分にはできない"と思っていたんだと思ってたけど、
それは心配性なお母さんが出かけようとした時に玄関先で
「いくの?!やめておけば?!あんたには無理よぉ」
って言ってるもんだと思えば、
「いや行くし!大丈夫だよ絶対。じゃーね」バタン!
ってすればいいってこと。
この発見の私の暮らしに与えた影響はなかなか大きい。
センシティブで心配性のわたしのウィスパーの次の戦略
私に認識され、もう私の真似っこが通じなくなったわたしのウィスパー。
このままでは、自分の心配を私に伝えられない。
すると今度はなんと、私の周りの人の心の声になりすますことを覚えた。
わたしのウィスパー、なかなかかしこい(笑)
これにはなかな私も参った。
そもそも自己肯定感が低い私には、この攻撃はなかなか厳しかった。
なぜなら自分の恐れを、明確に言語化して表現してくるからだ。
ただもちろん私もそのままにはしておけないので、
ウィスパーの登場条件を観察してみた。
すると、いくつかやはり登場には条件があることがわかった。
① 誰でも副音声として出てくるわけではない
② 絶対的な好意を示してくれている人には出てこない
③ 自分が何かに夢中になって毎日を楽しく過ごしている時はほとんど聞こえない
④ 自分の仕事の調子や体調に比例して声の大きさが変わる
⑤ その人との関係性に疑問や違和感を感じると聴こえるようになる
⑥ 自分に自信がなくなると声が大きくなる
総じてやっぱり、
自分が落ち込んだり傷ついたりしやすいコンディションになると、
より効果的な人の声を使って、私に「警告」をしてくるっていうこと。
<<あなたが最も傷つくことが起こるかもしれないよ>>
<<またあなたは嫌われ者になってるかもしれないよ>>
<<あなたなんて必要ないんだよ>>
<<傷つく前に、もう逃げちゃいなよ>>
あまりに自分が疲れていると、
このウィスパーの作り出す副音声を、
本気でその人の声だと信じ込んでしまう自分もいる。
でも私はちゃんと知っている。
これは私が、私のウィスパーが作り出した幻の副音声だってこと。
だからすぐ思考の矢印を自分の方向へと切り替える。
「まずいな、ウィスパーの声が大きい。私今疲れてるかも。」
「今私、自分で自信持てるほどに頑張れてないかもな。」
こんな時は割と本気で、
1に睡眠、2に食事。3・4も睡眠、5に外出。
特に外出では、好きな場所、好きな人へ会いに行くのがいい。
とにかく自分を整えるのが一番の解決策だ。
こわがりウィスパーの正体は…
本気で最初は、自分の中に残った自分の母の影なのかとも思った。
でも、向き合っていくうちに、違うなと思った。
だって、私が一番恐れていることを、的確に知りすぎている。
そう、だから、
こわがりでさみしがりで臆病でいつも引っ込み思案なウィスパーの正体は…
多分この子なんです。
そう、2-30年前のまだまだ幼かったころのわたし。
たくさんたくさん、うまくいかなくて、愛されなくて、もがいていたころのわたし。
そう思うと、いろんなことがしっくりきて、
そしてウィスパー、おさない私とのやりとりも、
こういうふうにすればいいんだって、思えてくる。
(ねえねえ、あの人あなたのことじつはすごくきらいかもしれないよ。)
わたし「そうだね。でも大丈夫。もしそうでも私はあの人のこと好きだよ」
(ねえねえ、それひきうけちゃって、がっかりされたらどうするの?)
わたし「がっかりされないように、めっちゃがんばるよ。今までもたくさんがんばってきたの、知ってるでしょ?それでもだめだったら、その時はちゃんとだめだったこと受け止めて、またがんばれるよ。ただその繰り返し。」
(ねえねえ、なんでもっとがんばれるのにがんばらないの?みんなこいつがんばってないなってきっとおもってるよ)
わたし「誰かが見て頑張ってるか頑張ってないかで考えるとちょっと苦しいから、自分なりにとにかく1日1日頑張ってみる。ただ後で後悔はしないように、でも無理しないように。大切なもの見失わないように、これからもずっと隣で一緒に私のこと、しっかり、見ててね。」
私の副音声ライフ
時々やっかいな困りものだけど、
誰よりも私の幸せを願ってくれている私のウィスパー。
幼きわたしとの共存生活は、
時にめんどいし時に足枷になりそうなこともあるけど、
そういうときこそ自分との対話が足りてない証拠だと思って
たっぷり時間をとってみる。
副音声がでかい時は時々あらわれるんだけど、
今回は対話をnoteの上でしてみたら、
また久しぶりにすっきりした。
(メタ○ンみたいな形で具現化したからなおなんか気が楽になった)
弱虫で、
こわがりで、
傷つきたくなくて、
人のうしろでまあるくなってるウィスパー。
だあいじょうぶだって。
私もこー見えてもう37だし。
あれから何気に波乱万丈乗り越えてきてんのよ?
周りを見てみなさいな。
私が全力で好きって言える人たちで溢れてる。
たとえ99人に否定されたって、
たった1人でも味方になってくれたらきっと戦える。
そしてその1人は、きっといる。
愛する家族もいるし、
あなたもいる。
わたしもいる。
もうひとりじゃないから、大丈夫。
それでもきっとまた聞こえてくるんだろうけど、
ありがとねー!って言って、またしっかり休む。
聞こえない時は絶好調なわけだけど、
きっと聞こえないのも寂しい。
そんな私のウィスパーとの副音声ライフ。
明日もいい日になるといいな。