【勝手に現代語訳】三遊亭円朝作『怪談牡丹灯籠』第5話(全22話)
五 話は替わります。飯島平左衞門は凛々しく、智慧に優れ、諸芸にたしなみ、とりわけ剣術は真影流の極意を極めた名人です。年齢は四十ぐらい、人並みに勝れたお方なれども、妾の國というのが道理に外れた奴でありました。
お國はこっそりと隣家の次男である源次郎を連れ込み、逢瀬を楽しんでおりました。人目を憚り、庭口の開き戸を開けたままにしておき、源次郎を忍ばせる趣向で、殿様のお泊り番のときには、ここから忍び込んできます。奥向きの切り盛りは万事、妾のお國がすることゆえ、誰もこの様子を知る者は