【勝手に現代語訳】三遊亭円朝作『怪談牡丹灯籠』第3話(全22話)
三 さて、飯島様のお邸の方では、妾のお國が腹一杯のわがままを働くうちに、草履取りの孝助を抱え入れました。孝助は、年頃二十一、二にて、色白の綺麗な男ぶりです。三月二十二日、お非番の平左衞門様が庭先へ出て、あちらこちらを眺めているとき、この新参の孝助を見かけ、声をかけました。
「これこれ、手前は孝助と申すか」
「へい、殿様、御機嫌はいかがですか。わたくしは孝助と申す新参者でございます」
「おまえは、新参者でも蔭日向なく、よく働くといって、だいぶ評判がよく、みなの受けがよいぞ