ニューヨーク紀行⑧ 自称「紳士」現地スタッフFさん
ニューヨークについに到着した。まずは、ニューヨーク州のお隣、ニュージャージー州にある、ニューアーク・リバティ国際空港である。
ニューが多くてよくわからなくなるが、とにかく空港から滞在先のマンハッタンまでは、高速道路を使いながら車で1時間ほどを要する場所だ。
FさんのニューヨークLIFE
今回の旅は全日程がフリーだ。
旅行会社は、飛行機とホテルの手配だけしてくれた形になる。
そして、"現地係員"と呼ばれるかたがニューアークからマンハッタンまで送迎してくれるというものだった。
その係員として派遣されたのがFさん(男性)である。
先日の「スーツケース問答」でも書いたが、ニューヨーク旅の記念すべき初傷を、不注意によって道端に転がして付けてくださった奴でもある。
Fさんは幼少時代から親の都合でニューヨークに暮らしてきたそうだ。
今は神奈川で出会った奥さんとともにニューヨーク州内で暮らしているそうだ。どこに暮らすかとなった時、Fさんはニューヨークは生活費がかかるから、ちょっと治安悪いけどお隣のニュージャージー州でええやないかと提案したそうだが、奥さんたっての希望でニューヨークに住んでいる。
一瞬、何の話聞かされてんねんと思いはしたが、Fさんのニューヨークライフを想像していた。
車間距離わずか30cm。ニューヨークの交通事情
高速道路を降りたら、一気ににょきにょきとビル群が建ち並ぶ。
遠目には新宿のような感覚だったが、近づくほどに、その規模の大きさと、ビルのスタイリッシュさに圧巻された。
時刻はPM7時頃だ。空は夜まで数分の暗がりとなり、星のように光るビルの灯りがめちゃくちゃかっこよかった。
あぁ、ニューヨーク来たんだなぁと初めて感じていると、
パッパー!
プププップップ!
ブゥーーーーー!
といろいろな種類のクラクションが秒を置かずになり続ける。
全然浸れへんな・・・と思ったら、Fさん。
「この時間は、いわゆる帰宅ラッシュの時間帯なんすよ」
とのことだった。
それにしても車同士が近い。
そっと隣のレーンの運転手を見たら、車間距離は30cmだった。
Fさん曰く、
・割り込み当たり前(割り込まないとやっていけない)
・前の車が少しでも遅ければクラクション
・2車線道路 = 3.5車線
だそうだ。
いやー、大阪でこんなんしたら喧嘩もの。
よくぞ事故が起きないものだ。
警察24時もビックリ。
いや、Fさん、おもろいでそれ
そんな道路をFさんはスイスイと車の間に割り込んでいく。
「これだけツメツメにされて、クラクション鳴らされて、怖くないんですか?」
私は聞かずにはいられなかった。
Fさんは余裕の笑顔で
「NYではね、クラクション鳴らされたら中指立てるくらいがちょうどいいんすよ。」
と片手にスタバのグランデを持ちながら肩肘ついて言っていた。
(おいおい、Fさんかっこいいな!ドラマやん!)
旦那くんと思わず顔を見合わせてしまった。
そのまま穏やかな口調を続け
「まぁ、僕は紳士なので、自分から鳴らすことはないんですけどね。」
と言いながら片手でハンドルを操っている。
タイムズスクエアの交差点は渋滞最高潮だ。
左右前後から車が押し寄せる交差点で、一際激しくクラクションをいの一番にかましていたのは、Fさんであった。
我々夫婦は、笑い死ぬところだった。
つづく。
↓ニューアーク・リバティ国際空港はここ
マガジン「愛おしき日常」を書籍化するのが夢です。 いただいたサポートは、そちらの資金として使わせていただきたいと考えています。 スキ♡も、いつも励みになっています!ありがとうございます。