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【更年期④通信】更年期ビジネスに役立つ情報まとめ。男性更年期、メノテックの認知度10%

日本の更年期症状経験者は491万人とも言われているにもかかわらず、更年期に関する解決策について、日本はまだまだ多いとは言えない。
しかし、最近はメディアでも更年期に関する情報発信が活発になってきており、コロナ禍における男性更年期も話題となっている。

そこで、更年期ビジネスに役立ちそうな直近1ヶ月程度のニュースをまとめたので、参考にしてほしい。

https://www.jil.go.jp/tokusyu/covid-19/collab/nhk-jilpt/index.html
上記をもとに筆者が作成

①メノテックの認知度10%

フェムテックの認知率は18%、メノテックは10%と全体の認知率は低い。どちらも若い世代ほど認知率は高いものの、フェムテックで20%台、メノテックは10%台程度である。

②更年期が睡眠とリカバリーに与える影響

女性には、いつか必ず閉経と更年期が訪れる。そして、更年期に伴うホットフラッシュ、ホルモンバランスの変化、寝汗、悪寒は、体の回復と免疫系の強化に不可欠な睡眠を妨げる。

オーストラリア版ウィメンズヘルス

③男性更年期障害の予備軍をチェックできる「L世代診断」特設サイト

また、日比谷国際クリニックでは、30~60代男性を対象に、テストステロンが心身に及ぼす影響に関して調査を実施しました。その結果、低テストステロンを引き起こす要因として「目標ややりたいことがない」ことが多いことや、テストステロンが高い人の特徴に「高年収」「イノベーション志向が高い」「仕事を通じて社会に貢献したい」などが挙げられることが明らかになりました。
「L世代」の方々が体内のテストステロンを適切に保つことは、低テストステロンに起因するさまざまな症状の改善につながるだけではなく、仕事のパフォーマンスアップやアンチエイジングなど、より社会の中で活躍し、はつらつとしたライフスタイルを実現していくことにつながります。

④米Meterna Medeicalが$22Mの資金調達

女性の骨盤底筋回復ソリューションを提供している米Meterna Medeicalが、$22Mの資金調達。
15年の歴史を持つ産婦人科のスタートアップだが、妊娠中や産後は、骨盤底筋の緩みにより、失禁などが起きることがある。

更年期世代でも、GSMによる尿漏れや頻尿に悩んでいる方も多いと言われており、日本でも骨盤底筋ソリューションが増えてきていると感じる。

⑤40代・50代女性の半数が「更年期ロス」を経験

政府が当初2020年までにと掲げた「女性管理職登用比率3割」の目標を達成するためには、この更年期世代を手厚くサポートし、不調を理由に仕事を辞める女性を減らすということが、具体的な課題になってきました。女性が望むというより社会が望んでることと考えたら、社会が準備すべきこと、という考え方もできるでしょう。
更年期世代の女性の健康を支援するには、仕組みやルールを作っていくことが必要だと思っています。更年期で困っているということに対し、周りの理解、不調に対して休みやすい環境などが必要だと思います。

産婦人科医 高尾美穂先生のインタビュー

⑥Lisa Healthが$2.5Mの資金調達

fitbitなどウェアラブルデバイスとAIで症状をトラッキングし、そこから適切な情報提供するアプリを提供。MayoClinicとも提携している。
更年期症状は、「症状のデパート」とも言われるほど多種多様な症状が出るため、ウェアラブルデバイスと組み合わせてトラッキング→情報提供のモデルは、海外でも増えてきている。

日本でも過去にルナルナが「ルナルナ エイジング」という更年期アプリを提供していたが、サービスを終了してしまったため、どこまで日本で更年期アプリが受け入れられるのか注目していきたい。

⑦更年期の行動実態調査

閉塞感が低い「全方位充実」「利他重視・自分も大切」タイプは、なんらか自分で改善行動=アクションをしていることが、明確になり、その結果が充実感につながっている。
周囲の理解とともに自分で何らかのアクションをしてみるという意識に変えることで、更年期の辛い時期を短縮することができるのではないだろうか。
また、現状が辛い「閉じこもり閉塞感」タイプでも「今が暗闇」タイプでも、症状が改善すれば少しずつでもポジティブ思考に移行できるのではないかという期待が見え、これは家族を含めた周囲のサポートだけではなくて、働いている場(企業)、参加しているコミュティなどからも働きかけること、私たちが、社会が、応援するようなことを作っていくことが重要であることも分かった。
男女マチュア世代が1歩を踏み出すアクションによって、自分を大切にしてポジティブな気持ちになり、幸年期に近づいていくことができるのではないだろうか。また、そのためのサポートが大事なのではないか。

⑧更年期症状、女性の6割が「仕事で不利」

更年期症状の存在は長く知られてきたものの、その辛さや職場などでの影響についてはまだまだ認知が進んでいないように思います。更年期症状を自覚している人が無理なく働ける環境を整備しつつ、更年期症状についての理解を深める活動を行うことが、職場における喫緊の課題だと考えます。

しゅふJOB総研 研究顧問 川上敬太郎さん

⑨更年期障害も生理も 休みやすい職場どう作る?

「通院や薬を飲みながら、大変な所を緩和しながら働いている人がこんなに多いのかと驚きました。そもそも生理や更年期の話題を職場で出しにくいという現状があり、本人も自分が更年期障害なのか、どう対処すればいいのかと迷っています。早めに発見し早めに対処するには病院に行く必要がありますが、そのための休みを取ることができなくて放置してしまっている人もいるようです。まずは休める環境を作らないといけないと考えています」

連合東京 事務局長 斉藤千秋さん

⑩「更年期」にどう向き合い、どう選択するか

おっしゃるとおりです。北欧の国々は更年期医療が盛んで、小学生から男女一緒に更年期についても学ぶそうです。だから大人になり、職場に更年期で悩む女性がいても何の問題もない。男性のほうから「僕も同じ症状があるよ。仲間だね」みたいにフランクに話せると。
日本だと女性に「更年期ですか?」なんて言うとセクハラになりますが、話せる環境作りが必要だと思います。

医学博士 有馬牧子さん

【まとめ】「更年期」の言葉のスティグマをどうなくしていくか

更年期のスティグマをどうなくすか

直近1ヶ月程度の更年期関連の調査やプレスリリースをまとめて感じたのは、日本における「更年期」のスティグマをどう解決していくかがポイントということ。

「更年期」に変わる新たなマーケティングイノベーションを、日本でも起こしていけるとよいと感じるが、それには時間もかかりそうなので、まずは身近な人にどうすれば更年期について理解してもらえるのか考えていきたい。

【イベント】更年期関連のプロダクトも豊富「Femtech Fes!2022」

今年も10月14日~16日まで、六本木で「Femtech Fes!2022」が開催。昨年の状況については、以下のnoteにまとめているので参考にしてください。