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くつみがき | 読書日記『夢をかなえるゾウ』
「成功者は皆靴がピカピカである」
という一文に出会い、それから毎週靴磨きを行うようになった私、とっても単純。
私がこの本に出会ったのは入社間もない新人・若手と言われる頃。海外に住みたい!という夢を抱いて仕事に挑むフレッシュな時期。だからこそ愚直に夢をかなえるため、タイトルに吸い寄せられるままその内容をただ実行した、という感じだった。
その時唯一実行したのが靴磨き。まるでカラテ・キッドのように師匠に言われるがまま、毎週靴を自分なりに磨いていた。それまではツヤ出しワックスをツーっと塗って終わりだったのに。これで本当に夢がかなうのか?ピュアだった私は深く考えることもなく続けていた。
ある時から何も考えず靴磨きが毎週の習慣となった。そして気づけば10年以上経った今でもこの靴磨きの習慣を続けられている。
夢はどうなったのか?私の夢はありがたいことにかなえることができた。入社して10年、海外赴任という形で海外で暮らす・働くことになり、今もなお海外生活が続いている。
夢は叶えてからが肝心、成功してからが大変だ、という心得を見かけたことがある。私の夢はそんなに壮大な夢ではないが(当時の自分にとっては手の届かないもののように思えた)、そんな私も叶ってからが大変であることを思い知る。
仕事自体求められるレベルが違うとか異文化への順応といったこともあった。
でもそれよりもメンタル面において夢がかなってしまったらこれから先何を目標に頑張っていけばいいのか、努力を積み重ねていけばいいのか、というある種の虚無感が出てきたことが地味にキツかった。無気力に陥る感覚を持つことになり、あぁ夢を追いかけている時は、エネルギーを向ける方向が一点だからシンプルなんだ、という大きな気づきを得る。今は自分の夢は一つ叶ったのだから、落ち着いて目の前のことをコツコツ丁寧にやっていこうという気持ちにシフトすることができた。
話を靴磨きに戻す。靴磨きが私の夢をかなえることに役に立ったのかどうか?自分としては関係している感覚はない。
でももしかしたら靴磨きを通じて何かを継続することの自信をもつきっかけになったのかも、と思う。
靴磨きはちょっと面倒だけどなんとかこなせるいい感じの課題なのではないか。それを毎週こなすことで自分って意外と続けられるな、という自信(勘違い)が起こる。そして本当に夢を叶えるために必要なことを実行する・継続する体質になれるということではないかと振り返る。
実際に靴を磨くと週明け月曜の朝、靴がピカピカしているといい気分になる。このちょっとした達成感を味わえるのも靴磨きがちょうど良い理由なのかも知れない。
習慣は第二の天性なり
Habit is a second nature.
故事ことわざ辞典より
靴を磨くことは自分を磨くこと?今日も私はあのガネーシャを思い出してニヤニヤしながら靴をピカピカに磨いている。