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洋服を労るブラシ。

「一生もの」とは、その「モノ」自体ではなく
「モノ」に付随する「オリジナルのエピソード」が
その「モノ」を「一生もの」に昇華させているではないだろうか。

持ちものは、その人の生き方。 所有するモノも含めてその人自身。
棺桶に持っていくつもりで愛用しているアイテムをご紹介する
知的なお買い物を楽しむオトナの女性に向けたコラムです。

from 彩


わたしはこれまで
長く断捨離を続けてましたが
結局、クローゼットに残ったものは
「質」を重視したアイテムでした。

特に冬物は「質」に
身を委ねることが多くなりました。

歳を重ねるごとに
衣類に「軽さ」を
重んじるようになったこともあって
素材が「カシミア」類にしか
手が伸びないようになったり、
これまでこのマガジンでもご紹介している
大切な想い出を含んだ毛皮類が
ようやくしっくりくる年齢になったり。

これらは高価でもあるし
唯一無二の存在でもあるから
ずっと「特別な時」に
引っ張り出していたのですが
あまり使わないものを保有するなんて
馬鹿馬鹿しいと意識が変わり
なるべく日常に多く登場させる
ようになりました。

クローゼットには
必要最小限しか残していないので
どうしても個々のアイテムの
使用回転数が高まります。

しかし、いずれも
とても気に入っていて
2度と買えないものばかりだし
とても大切なものばかり。

そのため、長く長く、
こうなったら死ぬまで使うために
丁寧な管理が必要になります。

ご存知の方も多いと思いますが
高級衣料と類されるカシミヤ等を
クリーニングに出すと
化学合成物質で洗浄するため
風合いが損なわれがちです。
カシミヤ類は天然由来のツヤや
ふんわりとした毛質が特徴ですが
これらが失われてしまうのは
避けたいところです。

そのためわたしは「ブラシ」を使って
ブラッシングするようにしています。

幸いにも20年くらい前に
良質な馬毛のブラシに出会い購入し
今でも毎日使っています。

当時はまだ若かったので
ブラシの価値について
正直なところ
よくわかっていなかったのですが
当時付き合っていた今の主人が
いつもスーツにブラシをかけていたのを見て
わたしも自分用のブラシを買おうと
思うに至ったわけです。

主人はわたしよりもひと回りも上なので
わたしよりも少し先を歩んでいますから
その思考や行動はサンプルとして
時として役に立ちます。
(時として。。。ね)

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このマガジンのコラムは随時追加され、書き手のネタが尽きない限り永久的に続きます。

持ちものは、その人の生き方。 所有するモノも含めて、その人自身。 人生折り返し地点を迎え、繰り返す断捨離を経ていよいよ「持ちもの」の多く…

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