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食欲の秋だけじゃない! 知られざる「ストレスの秋」との付き合い方(前編)


1. はじめに


秋は多くの人にとって美しい季節ですが、同時にストレスを感じやすい時期でもあります。

紅葉や秋の味覚を楽しむ一方で、日照時間の減少や気温の変化、そして年末に向けての忙しさなど、様々な要因が私たちの心身に影響を与えます。

この記事では、秋特有のストレス要因とその影響を今回の「前編」に、そしてそれらの対処法についての詳しい解説他は次回「後編」の記事で紹介します。

2. 秋のストレス要因

⑴気候の変化


⑴-1気温の低下
秋になると気温が徐々に下がり始めます。この温度変化は体に負担をかけ、自律神経系のバランスを崩す可能性があります。特に、急激な気温の変化は体調を崩しやすくなります。

⑴-2 日照時間の減少
夏から秋にかけて日照時間が短くなることで、体内時計のリズムが乱れやすくなります。これは、セロトニンやメラトニンなどの神経伝達物質の分泌に影響を与え、心身の状態を左右します。

⑴-3 気圧の変動
秋は台風や低気圧の影響を受けやすい季節です。気圧の変動は、頭痛や関節痛、めまいなどの身体症状を引き起こすことがあります。

⑵生活リズムの変化


⑵-1 夏休み明けの環境変化
夏休みが終わり、通常の生活リズムに戻る時期です。この急激な生活パターンの変化は、身体的・精神的ストレスの原因となります。特に学生や子育て世代にとっては、新学期の始まりによる環境の変化が大きなストレス要因となることがあります。

⑵-2仕事量の増加
多くの企業で秋は繁忙期にあたります。年末に向けての準備や決算期を控えた業務の増加など、仕事量が増えることでストレスレベルが上がりやすくなります。

⑵-3イベントの増加
秋は文化祭や運動会、ハロウィンなど、様々なイベントが集中する時期です。これらの準備や参加によって、通常以上に忙しくなり、ストレスを感じやすくなります。

⑶季節性の心理的要因

⑶-1季節性うつ病(SAD)のリスク増加
秋から冬にかけては、季節性情動障害(SAD)のリスクが高まる時期です。日照時間の減少が主な原因とされており、気分の落ち込みやエネルギー低下などの症状が現れることがあります。

⑶-2年末への焦り
年の終わりが近づくにつれ、目標の未達成や時間の経過に対する焦りを感じる人が増えます。これは精神的なプレッシャーとなり、ストレスの原因となります。

⑶-3冬への不安
寒さが苦手な人にとっては、これから訪れる冬への不安が秋のうちから心理的ストレスとなることがあります。特に、冬季うつや冬の健康管理に不安を感じる人は、秋口からストレスを抱えやすくなります。

⑷身体的変化


⑷-1食欲の変化
秋は「食欲の秋」と呼ばれるように、多くの人が食欲の増進を感じる季節です。これは体が冬に備えて脂肪を蓄積しようとする本能的な反応ですが、現代社会では過食につながるリスクがあります。

⑷-2運動量の減少
気温の低下や日が短くなることで、外出や運動の機会が減少しがちです。これは身体活動量の低下につながり、体調管理の面でストレスとなる可能性があります。

⑷-3免疫力の変動
季節の変わり目は免疫力が低下しやすい時期です。これにより、風邪やインフルエンザなどの感染症にかかりやすくなり、身体的なストレスが増加します。

3. 秋のストレスによる身体への影響


秋特有のストレス要因は、様々な形で私たちの心身に影響を与えます。以下に、主な症状と不調について詳しく見ていきましょう。

⑴精神的症状


⑴-1 気分の落ち込み
日照時間の減少や気温の低下は、セロトニンの分泌に影響を与え、気分の落ち込みを引き起こすことがあります。特に季節性うつ病(SAD)の傾向がある人は、この時期に抑うつ症状が顕著になる可能性があります。

⑴-2不安感の増大
年末に向けての焦りや、冬への不安などが重なり、全般的な不安感が高まることがあります。これは、集中力の低下や決断力の鈍化などにつながる可能性があります。

⑴-3 イライラ感
自律神経のバランスが崩れることで、些細なことでイライラしやすくなることがあります。これは対人関係にも影響を与え、さらなるストレスの原因となる可能性があります。

⑴-4意欲の低下
季節の変わり目による体調不良や気分の落ち込みは、日常生活における意欲の低下につながることがあります。仕事や学業、趣味活動などへのモチベーションが下がり、生産性の低下を招く可能性があります。

⑵ 身体的症状


⑵-1 睡眠障害
日照時間の変化は体内時計に影響を与え、睡眠リズムの乱れを引き起こすことがあります。これは不眠や過眠、日中の眠気などの症状として現れ、日常生活に支障をきたす可能性があります。

⑵-2胃腸の不調
ストレスは自律神経系を通じて消化器系にも影響を与えます。胃痛、胸焼け、下痢や便秘など、様々な胃腸の不調が現れることがあります。また、食欲の変化による過食や偏食も、消化器系の負担となる可能性があります。

⑵-3頭痛
気圧の変動や自律神経の乱れは、頭痛の原因となることがあります。特に気圧の低下時に頭痛を感じる人が多く、これは「気象病」の一種とされています。

⑷-4筋肉の緊張と痛み
ストレスによる身体の緊張は、肩こりや背中の痛み、頭痛などの原因となります。特に、デスクワークが多い人や運動不足の人は、これらの症状が顕著に現れやすくなります。

⑷-5皮膚トラブル
気温や湿度の変化は、肌の状態にも影響を与えます。乾燥によるかゆみやかぶれ、ニキビの悪化などが起こりやすくなります。また、ストレスによる自律神経の乱れも、アトピー性皮膚炎などの症状を悪化させる要因となることがあります。

⑷-6 免疫力の低下
継続的なストレスは免疫システムに悪影響を与え、体の抵抗力を低下させます。これにより、風邪やインフルエンザなどの感染症にかかりやすくなったり、症状が長引いたりすることがあります。

⑶行動面への影響


⑶-1食行動の変化
ストレスによる影響で、過食や偏食といった食行動の変化が現れることがあります。特に糖分や脂肪分の多い食品を欲する傾向が強まり、これが体重増加や栄養バランスの崩れにつながる可能性があります。

⑶-2 運動不足
気温の低下や日照時間の減少により、外出や運動の機会が減少しがちです。これは、体力の低下や代謝の悪化、さらには気分の落ち込みにもつながる可能性があります。

⑶-3 社交性の低下
気分の落ち込みや意欲の低下により、人との交流を避ける傾向が強まることがあります。これは、孤独感や社会的孤立を引き起こし、メンタルヘルスにさらなる悪影響を与える可能性があります。

⑶-4生産性の低下
集中力の低下や意欲の減退により、仕事や学業における生産性が落ちることがあります。これは、さらなるストレスや自己評価の低下につながる可能性があります。



4.お知らせ

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