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素粒子物理学の本を読みまくった話

こんにちは、メダカ飼育担当のメダたんです。
今年の春、YouTubeがきっかけで素粒子物理学と量子力学も学べる宇宙の本を読んだメダたん。
(その時の記事です↓)

ニガテな量子力学はニガテなままだけど若干マシになったのと、素粒子物理学もちょっとだけわかりました。そして、最新の物理学について、一般向けの本がたくさん出ている事も知りました。

もともと化学専攻のメダたんにとって勘弁してほしい物理現象の1つに、β崩壊があります。突然、ある原子が周期表のお隣の元素に変わってしまう現象。β崩壊では原子核中の中性子1つが陽子に変わり、それによって周期表の中の1つ右の元素に変わります。周期表の隣ということは、原子自体の化学的性質も変わってしまうので、そういう変化はやめていただきたい。もし有機化合物の中に入っている原子がβ崩壊したら、そこの共有結合はどうなってしまうんだろう。そしてそもそも、なんでそうなるか、わからん!

今回の案内係はツートンカラーのメダカ。「わからん」という子供みたいな不満に、最後まで付き合ってくれるか?

以前、原子核の中の陽子と中性子がそれぞれ3つのクォークという素粒子でできていると知った時、ついに分かった気がしました。クォークにはアップクォークとダウンクォークの2種類があって、陽子にはアップクォーク2個とダウンクォーク1個が、中性子にはアップクォーク1個とダウンクォーク2個が入っている。アップクォークの電荷は+2/3でダウンクォークは-1/3。足し合せると陽子は+1で中性子はゼロ。β崩壊では中性子の中のダウンクォーク1個がアップクォークに変わるので、中性子は陽子に変わり電荷もゼロから+1になる。電荷の計算も合うので一旦は「わかった!」と思ったのですが、なぜダウンクォークがアップクォークに変わるのか?という点がやはり引っかかり、また、β崩壊けしからん!に戻ってしまいました。(ちなみに陽子1個が中性子に変わり周期表の1つ左の元素になるβ+崩壊では、陽子の中のアップクォーク1個がダウンクォークに変わります。)

自然現象に対して不満を言ってどうするの?と思うツートンカラーのメダカ

さて、冒頭の本を読んでもちょっとしかわからなかったメダたんですが、強い味方がいました。それはKindleの割引セールとポイント還元セール。これを使いまくり、さらに大人買いというワザも使い、素粒子物理学の本を読みまくります。追加で読んだ本は6冊。以下にリストアップした本を、上から順に読みました。この順で読んだのは、セールになっているのを見つけたのがこの順番だったから。幻冬舎新書の4冊はシリーズものなので、そのシリーズの順番です。重力に関する本も混ざっていますが、どうも重力の正体はメダたんが思っていたのと違うらしいと知り、重力系の本も一緒にポチリです。

  • 多元宇宙論集中講義、野村泰紀 (扶桑社BOOKS新書)

  • 重力とは何か、大栗博司 (幻冬舎新書)

  • 強い力と弱い力、大栗博司 (幻冬舎新書)

  • 宇宙は何でできているのか、村山 斉 (幻冬舎新書)

  • 重力波とは何か、川村静児 (幻冬舎新書)

  • 宇宙と物質の起源、高エネルギー加速器研究機構 素粒子原子核研究所 (ブルーバックス)

この6冊、どれも現代物理学や素粒子物理学を一般向けに書いた本で、同じ内容が違う本でも登場します。学生時代は同じ本を繰り返し読むこともありましたが、社会人の味方はお金。1冊読んだら分かった気になり、新たな気持ちで別の本を読み始めます。以前読んだことも初めて読むことも、以前読んですっかり忘れていたことも覚えていたことも、新たな気持ちで読みます。

著名な物理学者たちの著書に対して、ちょっと失礼な読み方じゃないか?と思うツートンメダカとお友達メダカ

そしてついに、β崩壊は弱い力によって起こることが分かりました。弱い力が作用して、ダウンクォークがアップクォークに変わる。実は、これはメダたんにとって新情報、ではありません。冒頭の本にも書いてあったし、ネットでも見たことがあるし、見当はついていました。「弱い力」というのは、現代物理学における4つの力である、電磁気力、強い力、弱い力、重力のうちの1つである、という事も知っていました。

6冊のうち、本命だろうと目を付けていた本

では何故、ついに分かったと思ったのか?「β崩壊は弱い力によって起こる」という既知の情報が、これらの本の中で表現を変えて何回も登場すると、だんだん自分の中に染み込んできます。特に「弱い力は粒子の種類を変える」という表現が理解を助けてくれました。そして、β崩壊が起こると、電子とともにニュートリノ(正確には反ニュートリノ)も飛び出ること、ニュートリノの存在はβ崩壊の研究で予言され、時を経て実験により証明されたこと、そんなドラマチックなストーリーも登場してきて、一緒に頭に入ってきます。さらに、弱い力を伝える素粒子(Wボソン or Wボゾン)は、名前は聞いたことあるけど分からな過ぎてスルーしていたのですが、これも、「電磁気力と、それを伝える素粒子である光子」と同様の関係性のモノ、という認識になりました。今まで「ニュートリノはノーベル賞のヤツ」くらいの認識だったし、Wボソン/Wボゾンは完全にスルーしていましたが、今ではニュートリノのストーリーがお気に入りになったし、Wボソン/Wボゾンについても文章も読み飛ばさなくなりました。

繰り返しは大事だね、メダカのツートンカラーも初見では信じられないよね、と思うツートンメダカとお友達メダカ

本を追加で6冊も読んで、β崩壊が弱い力によって起こるという既知の情報に、ようやく納得したメダたん。よーやく腑に落ちました。ある原子が突然違う元素に変わり、化学的性質が変わってしまうと、化合物はどうなってしまうの?という化学側のナゾは残りますが、物理側の説明はキチンといただいたので、「けしからん!」は無くなりました。
そもそも自然科学に「けしからん」も何も無いはずだけどね😆

納得したとか言ってるけど、ツートンメダカがわずか1週間でワントーンになったのは納得していなかったよね、と思う元ツートンメダカ


おまけ
この記事の中でちょこっと書いた重力のナゾは、まだ「よくわからん」の領域です。「思ってたのと違うらしい」が強化されたレベル。重力の本質は空間の歪み、と書かれているのは覚えたけど、まだ感覚的に分からな過ぎの状態です。
下のリンクは、あるかもしれないと言われている重力を伝える素粒子の、かわいいイラストが載っているウェブページ。難しいモノにかわいいイラストは重要😆


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