【読書】読み出すと止まらなくなる『任侠系自己啓発小説』
『任侠系自己啓発小説』というジャンルがあるのかどうかわかりません。
多分、ないと思います。
任侠と聞くと、私は高倉健さんを思い出します。
任侠映画という映画のジャンルがありました。(今でもあります。)
任侠映画からは、高倉健さん以外にも鶴田浩二さん、菅原文太さん、松方弘樹さんなど、たくさんのスターが生まれました。
任侠とは・・・新明解国語辞典で調べてみました。
「おとこぎ」という言葉が出てきました。
ジェンダーレスの時代が進むと、「おとこぎ」なんて言葉は近い将来なくなるのかもしれませんが。
「おとこぎ」についても新明解国語辞典で調べてみると、
と書かれています。
まさに健さんではないですか。
感動です。
「任侠」とは、わかりやすくいうと、高倉健さんのように生きるということになります。
(わかりやすい人にはわかりやすいと思いますが、わからない人には全くわからないと思います。)
任侠系自己啓発小説
勝手にジャンル名をつけてしまいましたが、「任侠系自己啓発小説」を紹介いたします。
今野敏 任侠シリーズ
今野敏さんの任侠シリーズは、第1作の『任侠書房』に始まり、現在では第六作の『任侠楽団」まで発売されています。
とある街の小さなヤクザの組(指定暴力団ではありません)が、経営で困っているいろんな事業のお手伝いをして立て直すいうストーリーです。
第2作目の『任侠学園』は、西島秀俊さんが主演で映画化もされました。
立て直してきた事業は、出版社、私立高校、病院、銭湯、そして楽団と続きます。
登場人物はみんなユニークで笑えます。
そして以外にも経営や生き方について学ぶことができます。
福澤徹三 侠飯(おとこめし)シリーズ
福澤徹三さんの侠飯(おとこめし)シリーズは、2014年に第1作目が発売され、2021年には第7作まで発売されています。
強面の二人組が毎回登場するシリーズです。
その二人組のアニキの方がめちゃくちゃ料理が上手いのです。
料理を作るたびにレシピも教えてくれます。
どの料理もそんなに難しい料理ではありません。
食材も冷蔵庫の残り物であったり、普通のスーパーで売っているものばかりです。
ひと工夫で、本当に美味しくなる様なレシピばかりです。
読んでいると本当にお腹が空いてきます。
美味しいものを作って、悩んでいる若者に食べさせながらいろいろとアドバイスをします。
そうしているうちに、若者が立ち直っていくというストーリーです。
読みながら自分の生き方も考えさせられますし、料理のレパートリーも増えます。
任侠系自己啓発小説のメリット
高倉健さんの映画を見た後、映画館から出てくる人はみんな背筋が伸びて、肩を怒らせ気味で歩いていたと言う話を聞いたことがあります。
自分が健さんになった気分になるのです。
任侠の世界というのは実際にどいうものなのか、堅気の私たちにはわかりません。
小説は、私たちには知ることのない世界に気軽に連れて行ってくれます。
自己啓発本と言われる本はたくさんあります。
一般の自己啓発本は、大事な言葉が見出しになっていたり太線で書かれていたりします。
全部の文字を読まなくても、そこだけ読めばその本の言いたいことは大体わかってしまいます。
自己啓発小説は、物語の中に大事な言葉が散りばめられています。
その中でも、『任侠系自己啓発小説』は、普段の生活とはかけ離れた世界に入り込みながら、生き方について考えさせられます。
今野敏さんの任侠シリーズも、福澤徹三さんの侠飯シリーズも、読みだすと止まらなくなる小説です。