緊張100%、リラックス100%の生き方。
先週の木曜日、職場でマッサージを受けた。現在、福利厚生として「出張マッサージ(オフィスマッサージ)」を導入する企業が増えていて、これはマッサージ師の方が簡易ベッドやタオルなど持参し、会議室などで施術を行うというものだ。その日、たまたま空きが出たのでわたしも受けさせてもらうことになった。
うつ伏せになったわたしの肩、背中を指圧する女性マッサージ師さんは「これは固いね」と言いながら、わたしの食生活や性格などについて尋ねる。そのヒアリングの結果「これはほとんど緊張から来ている凝りだよ、偽の凝り。本当は柔らかいから。凝り損だね」と彼女は仰った。そうなのォ!!(わたしの筋肉柔らかいんだ!)という喜びと、そうなのぉ?!(わたしずっと緊張しっぱなしなんだ!)という絶望。
感情を出しにくい・息抜きをするのが下手なタイプなら、映画を観て泣いたり笑ったり、歌を歌って大きな声を出したりすると良いよ、と最後にアドバイスしてくれた優しいマッサージ師さん。あぁ〜なるほど!実はわたし、バンドマンなんです。だけど、ベースを体からぶら下げながら歌ったり、激しく動いていて、帰りはそれを肩に下げて家まで帰るんです、次の日は全身バキバキで痛いんです、だから体自体はあまりリフレッシュできていません、と背中で語りかけて施術は終わった。
わたし、緊張しやすいタイプなんだ、とその日初めて自覚した。社会で働くようになってからというものの、それはそれは酷い肩こり持ちとなった。そして今思えば、全身にグッと力を入れることが癖のようで、リラックス状態がよく分からない。しかしそうして緊張していないと、周りとうまい具合にやっていけないような気がするのだ。リラックスした状態で居れば居るほど、わたしは周りに甘えるし、雑把な口の聞き方をするし、周りを傷つけることだってあるだろう。そうならないための、社交辞令、女の子の世界、社会のルール、それをすべて肩こりに変えていく、それがヒガシノスタイルなのであった。(バカだなぁ)
そんな風に常に緊張状態だったわたしは、先週1週間ずっと体調が思わしくなかった。常に気分が悪く胃が痛み、電車に乗るたびに酔っぱらっていた。気分も少しずつ落ち込んでいく。週末の用事も1つずつ終えて、あっという間に迎えた月曜日。テレビをつけると電車が酷いダイヤ乱れを起こしていると伝えている。毎朝、乗換回数を増やしてでも満員電車を避けているこのわたしは、満員電車に乗りこむことを決意して家を出た。
女性専用車両に乗ったのは5年ぶりくらいだったと思う。女性専用車両は、普通車両に比べてより殺伐としている気がするのでいつも避けていた。しかし今日ばかりは仕方がない、と全身にグッと力を入れて乗り込む。女性という女性が詰めかける圧着空間の中、何とか気を紛らわそうと、女性専用車両と普通車両の違いについて考えることにした。
まず女性専用車両は、変なニオイ・鼻が曲がるようなニオイはしないかもしれない。その代り衣服のニオイ、髪のニオイがやたらとする。
音楽のマナー、これは普通車両と変わらないようで、音漏れしてる女性が数人。意外なことにガムの咀嚼音のする女性も何人か。これは男性がいないからこそ気が抜けて出ちゃうのだろうか。
続いて肘鉄。今日は肘鉄を食らわすほどの隙間がないから発生していないだけで、これは女性車両の方が多いとわたしは踏んでいる。
声が出ちゃう人。これも絶対に女性専用車両の方が多いと思う。押し合いへし合いの状態でドアが閉まる瞬間、思わず何かしらのボヤきや心の声が出ちゃっている人が多い。
最後に髪の毛顔面ファサ率。これは圧倒的に女性専用車両に多い、というか女性専用車両の醍醐味、年中無休の風物詩と言っていいだろう。なぜこの狭い空間でも、髪をファサァしたがるんや…もうちょっと小さな動きで顔を動かしてくれ…幾人もの髪の毛に顔面をファサァされながらわたしは思う。
ファサられたり、もみくちゃになりながらも、何だかんだ満員電車に乗って職場に来れたわたし。先週よりは調子がよさそうだ、と自信を取り戻す。リラックス、リラックス。今週からはもっと自然に過ごすぞ、そう思いながら席に着いた。そして今日も向かいの席の男性の足がわたしの足元に侵入してきて蹴飛ばし、やはりこいつはわたしに恋しているな、とブチ切れそうなハートを抑えながら、そう、リラックス、リラックス…。
仕事を終えて家に帰ってきて、体調が良かった理由が「鉄・葉酸」の錠剤サプリメントを飲み始めたことが起因しているでのはと気付いた。なぁ~んだ、ずっと貧血気味だったってことか!リラックスだなんだって大げさに意識しなくても、体調が整っていれば何にも怖いことなんてなかったんだ。あはは!わはは!バシャァッ。
着ていたパーカーの裾で水を倒し、周辺の本を水浸しにした。鉄分を補うとか、肩凝りを治すとかはやれば効果が出るし治るものだけど、注意散漫は死んでも治らない。
先週の深夜、ライブをするため両国へ訪れ、近所のコンビニに立ち寄った時のこと。アイスコーヒーが飲みたくて、専用の氷の入ったカップを購入したのだけど、カップを設置する前にコーヒー注ぎボタンを押してしまい、近くにいたバンドメンバー諸共、文字通り凍りついたのを思い出した。
楽器屋に行って店員さんに説明を受けていても、どのエフェクターの説明をしてるのか分からなくて、最後に「で、それはどのエフェクターですか?」と訊いて時が止まる。職場にてコーヒーメーカーの使い方の説明のところまでは分かったのに、カップの洗い場の説明が途中から分からなくなる。
わたしはリラックス状態にいるとロクなことがない、本当にそう思う。それとも逆にとても緊張しているからミスをするのか、ただただ注意散漫だからなのか……。
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