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ご機嫌取り
今週は機嫌を損ねる出来事があった。
そういうしんどいことがあると、まず眠る。惰眠をむさぼる。大体の場合、そうやって睡眠によって疲れた気持ちを有耶無耶にしてきたのだが、今回は睡眠に加えて、別な方法も取り入れて自分の機嫌を取った。
その方法とは「お菓子を作ること」だ。
大きな声で、堂々と言えるほど上手なわけではないが、わたしはお菓子を作ることが結構好きだ。というより、好きになった。このnoteでも何回か触れてきたが、昔はお菓子や料理を作ることが苦手だった。けれど仕事スタイルの変化などで、料理をする余裕が出てきたこともあり、ここ数年は自身で料理本を買ったり、わざわざレシピを探し出したりするほど、お菓子・料理作りを楽しんでいる。そしてわたしはいつも、ワイヤレスイヤホンでラジオを聴きながら料理に興じる。一日のうち、その時間が結構好きなのだ。
そんなわけで、わたしはまず好物のかぼちゃプリンを作った。小鍋でカラメルソースを作り…レンジで温めたかぼちゃを潰して…砂糖や生クリーム、豆乳、卵で作った卵液と共にミキサーにかけ…カラメルソースの入った器に注ぐ。そしてその器にピッタリとアルミホイルをかけ、キッチンペーパーを底に引いたフライパンに並べる。前回はオーブンレンジでプリンを作ったけれど、今回はフライパンを使った蒸し焼き方式を採用。フライパンに水を注ぎ、蓋をし、コンロに火をつけ蒸し焼きスタート。
こうしてかぼちゃプリンを蒸しているあいだに、今度はレモンをすり下ろす。わたしのもう一つの好物、レモンパイを作るためだ。いつもはレモン2個・卵3個でパイを作っているのだけど、レモンと卵各1個で作るレシピを新たに発見し、ぜひチャレンジしてみたかったのである。
「コーンスターチ」の活躍により、レモンカードにまとまりが出たことに感動したり。パイ生地を焼いている最中、それがきれいに真っ二つに分かれてしまいショックを受けたり。「メレンゲを作る際は、直前まで白身を冷やしておく/ある程度泡立てたあとに、砂糖を数回分けて加えていく」という鉄則を守ることで、きめ細かなメレンゲ練り上げに成功したり。そんな紆余曲折を経て、こちらのレモンパイもなんとか焼き上げた。
全てを作り終えたあと、ドッと疲れが襲ってきたので少しだけ眠った。起きたのは23時過ぎ。通常ならばこの時間の間食は踏みとどまりたいところだが、わたしは迷わず粗熱の取れたレモンパイを一切れ食べた。とても美味しかった。かぼちゃプリンはしっかり冷やして、翌日のおやつにするのだ。
これまで眠ることで心の均衡を保ってきた自分に、「お菓子作り」という新たなご機嫌取りツールが備わったのは、本当に嬉しい。
嫌なことは、確実にあった。でも、冷蔵庫にはかぼちゃプリンとレモンパイがある。なんと幸せなことだろう。
わたしが食いしん坊である限り、しばらくはこうやって機嫌を取ることができそうだ。
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