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「SDGs#02 飢餓をゼロに」をマンガデザイン

どうもどうも、吉良です。

今回はSDGsの啓蒙を17目標ごとにおこないつつ、マンガデザイナーズラボのSDGsプロデュース事例を紹介していく「SDGsをマンガデザイン」シリーズの第2回です。

「SDGs」って何?と思った方は「SDGs17目標」をマンガデザインの記事からお読みいただくと理解しやすくなると思います。

前回はSDGs17のゴールの1つ目、「1.貧困をなくそう」を紹介しました。

第2回目はSDGs17のゴールの2つ目、「2.飢餓をゼロに」を紹介します。
アイコンの色はからし色ですね。

「飢餓」とは、十分な食べ物を長期にわたって食べられずに栄養不足になり、健康を保つことができなくなった状態や社会的な生活が困難になった状態のことをいいます。

「2.飢餓をゼロに」では下記のような項目が課題となっています。

・世界に8億人以上、飢餓に苦しむ人々がいること
・飢餓の原因となる干ばつや洪水などの自然災害、紛争、栽培技術への対策・支援が必要であること
・食べられるのに捨てられてしまう食品「食品ロス」があり、生産量は足りているのに必要な人に食糧が届いていない状況があること

「2.飢餓をゼロに」の課題を紹介している弊社が制作したマンガデザインモーション(動画)も合わせてご覧ください。

飢餓の問題は、日本ではほとんど聞かないかもしれませんが、食べられるのに捨てられてしまう食品である「食品ロス」は日本に大きく関わる問題です。
日本では、2018年に約600万トンの食品ロスがありました。これは、2019年の世界の食品援助量約420万トンの1.4倍にあたり、もしこの分が援助できていれば今の倍以上に飢餓状態を改善できたことになります。

食品ロスが減らない原因として「賞味期限」「消費期限」の違いがわからずに捨ててしまうこと、があげられます。違いがわからない方はこの際に是非覚えてくださいね。

賞味期限
袋や容器を開けないままで、書かれた保存方法を守って保存していた場合に「品質が変わらずにおいしく食べられる期限」のこと

消費期限
袋や容器を開けないままで、書かれた保存方法を守って保存していた場合に「安全に食べられる期限」のこと

このように賞味期限は過ぎたからといってすぐに食べられなくなるわけではありません。おいしさは落ちてしまいますが、捨てずにできるだけ早めに食べることで「2.飢餓をゼロに」の目標達成に貢献することができます。

(参考:SDGsジャーナル様相模原市SDGs one by one様農林水産省様

マンガデザイナーズラボでは「食品ロス」に向き合っていくために「食品を撮影して廃棄する行為をやめて、食品をマンガデザインで描く」ことを提唱しています。

デザインタッチもマンガタッチからスーパーリアルタッチまでクライアントが望む形で対応してますが、この部分は普及していません。商品撮影→廃棄=「食品ロス」という認識がSDGsに反しているという理解啓蒙を2030年のゴールに向けて農水省などが率先してアピールしなければ達成できないように感じます。

下のデザインは文化庁の情報プラットフォームでマンガデザインした食の催事記です。

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「2.飢餓をゼロに」のテーマにそって一枚絵(ポスター・広告)・4コママンガで制作した3名の学生の作品を紹介します。各自の制作意図を含めてご覧ください。

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(大阪芸術大学 デザイン学科4年)

【制作意図】
個人の努力が不可欠な取り組みなので、個人でできることに焦点をあてました。

【吉良式視点】
ポスターにしてはちょっと説明的、マンガにしてはコマ割りのストーリーは繋がっていない、イラストレーションよりはマンガ的、このような形をマンガデザインポスターと呼べばいいと感じさせてくれた作品。内容はよく調べ制作しています。シリーズ化も想定できます。

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(大阪芸術大学 デザイン学科1年 石井 香穂さん)

【制作意図】
助け合いや繋がりが飢餓を救うと思い、お裾分けの絵を描きました。

【吉良式視点】
東京2020を誘致したキーワードが「おもてなし」。日本には翻訳できない日本ならではの言葉があります、この「おすそわけ」もそのひとつですね。「飢餓をゼロに」を実現するための一手法「食品ロス」を強いコピーで表現したこのマンガデザイン作品には説得力があり、かつ「おすそわけ」の価値もわかりやすく伝えています。

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(大阪芸術大学 デザイン学科3年 粟生 菜々珠さん)

【制作意図】
世界では全ての人が食べるのに十分な食糧が生産されているにもかかわらず、9人に1人が飢餓状態にあり、3人に1人が何らかの栄養不良に苦しんでいます。
日本の廃棄食糧の量は途上国に住む人々5000万人分の1年間の食糧にあたります。さらに、日本の食料自給率は先進国の中でも低く、多くの食べ物を海外からの輸入に頼っています。しかしながら、多くの食品ロスを生み出しているこの状況は社会全体で解決していかなくてはならない課題のひとつです。
私はこの作品が飢餓の現状や原因、今までの私たちの生活を考え直すきっかけになってほしいと思い作りました。

【吉良式視点】
制作意図に書かれている内容はパーフェクトです。あとはこれを4コマでどう伝えるかですね。食糧の生産量が足りているのに何故9人に1人が飢餓?この疑問に答えるためには読み手のインスピレーションが必要です。それを喚起させるのがマンガデザイン。最後のコマで「食品ロス」が伝えられているかが重要です。そこをもう少し強調したらもっと良かったですね。アプローチ、状況設定は完璧です。

次回はSDGsのゴール3「すべての人に健康と福祉を」をマンガデザインです。皆様も一緒に理解してSDGsの目標実現に向けて一緒に学んでいきましょう。


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吉良俊彦(マンガデザイナーズラボ代表)
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