見出し画像

ペガーナの神々/ロード・ダンセイニ、荒俣宏(訳)


ロード・ダンセイニ氏の短編集
「ペガーナの神々」を拝読しました📖´-
(2024,12,18 読了)

LINEオープンチャット読書会すみれ内で開催された読書会「異色作家シリーズ 第4回」の課題本です。
ダンセイニ作品はこちらが初読。
創作神話というジャンルなのだそうです。神話みたいなものをきちんと読むのもこれが初めてのような気がします。

まだこの世が始まる前に<宿命>と<偶然>が賭けをして、その勝者がマアナ=ユウド=スウシャイに話しかけた。
「わたしのために神々を創ってもらおう」
こうして作られた神々が、手なぐさみに<世界>を創り、人間を創った。

背表紙より



「ペガーナの神々」と「時と神々」の2篇をまとめた1冊です。
初めの方は神々を紹介していき、予言者たちを紹介していき、それ以外の力あるものを紹介していき。
なんともまぁ、詩的で拝読しながら幻想の世界に迷い込んでしまったような感覚になります。



始めは幻想的な世界になかなか馴染めず戸惑っていたのですが、途中から深く考えずに詩を読むように拝読しようとわりきったらするすると読み進めることができました。


マアナによって創られた神々たちは個性的でお戯れが過ぎるときもあるのですが、そういうところもなんだかユニーク。
そんな神々に創られた世界と人間は、なんかもう本当にちっぽけな存在に感じてしまいます。


すべて今あるものは、そうあるべき宿世のゆえに、今そうあるのだから。だからこそ、今あるものに不平をもらすのではない。すべてはそうあるべきままにある。

イムバウンの言葉




ただひとり(マアナ)をのぞくすべての神がみの予言者イムバウン。
神々の戯れで創られた人間たちは、智慧を与えられ進化したもののいつのまにか傲慢になってしまい、争いが起こったり、傲慢になってしまいます。愚かだなぁと思いつつ、現代ではそれが益々加速しているようにも感じます。
そんな私たち人間を見てどこかで嘲笑している神々がいるかもしれません。


さて、ここで”予言者”という言葉が出てきましたが、他の方のレビューを見ているとこの”予言者”に対して言及しているものがありました。
”予言者”という訳は誤訳ではないかと。
このレビューを書かれた方は神々の言葉を預かる人という意味の”預言者”と訳するのが正しいと思われたようです。


これね幻想的で解釈が難しいためハッキリと断言はできませんが、私はやはり”予言者”という訳で合っているのだと思います。
ここに出てくるのは神の言葉を預かってみんなに伝えているのではなく、神の未来を見てみんなに伝えているように感じたからです。
この件に関して読書会でも他の方の意見を聴きたかったのですが、私が上手く伝えられず聞けませんでした。
もし読まれた方がいらしたら、”予言者”の解釈をどう捉えたかぜひお聞かせください。


本作の中では「黎明を創る」というお話が一番好きでした。黎明の女王がお気に入りの黄金の鞠を投げては取られたり、なくしたりして酷く悲しむものでその度に神々が黄金の鞠を探しまわるというお話なんですけども。
王女は何回も同じことをするんですよね。段々そろそろやめたれよと思ってしまうのですが……
”黎明”という言葉の意味が明け方のことということを知るとこのお話の意味もやっと理解できたのでした。



ダンセイニは本作しかまだ読んでいませんが、調べてみると色んなジャンルの物語を描く方のようでとても興味深いです。
他作品も読んでみよう。


読書会すみれ



プロフィールと他の記事はこちらからご覧になれます。


他愛ない雑談はこちらから🤗


#読書  #読書感想文 #読書エッセイ #読了  #本のある暮らし #積読家 #積読家 #積読本 #ロードダンセイニ #荒俣宏 #ペガーナの神々 #ハヤカワ文庫 #創作神話 #短編小説

いいなと思ったら応援しよう!

菜穂☽︎‪︎.*·̩͙‬
よろしければサポートお願いします🙈 いただいたサポートはより良い読書エッセイを書いていくために積読家活動に活用させていただきます😳

この記事が参加している募集