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さよならまたこんど/いがわうみこ 村上春樹の「蛍」、オーウェルの「一九八四年」/森泉岳士
今回はコミックを2冊一緒にご紹介します。
1冊目は、いがわうみこさんの著書
「さよならまたこんど」
(2024,11,10 読了)
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お友達からいただいたコミックです。
田舎町の女子高生が主人公で、高校時代〜大学卒業後までを描いた成長記のような物語。
主人公のうつろう心と、主人公をとりまく人々との関係が描かれているのですが、一見あるあるな感じもするけれどその実凄く黒いものが描かれているようにも感じます。
なんていうのかなぁ。
子供でもない大人でもない中途半端な時期の黒さというか、歪みやねじれ、深い闇。
私は主人公が一番タチが悪いようにも思えました。
当たり障りのない典型的ないい子の雰囲気なのだけれど、意図的に空気を読まず周りを翻弄しているような。
主人公に対して嫌悪感を覚えるのは、きっと若い頃の自分に主人公と似たような感覚があったからだろうと思います。
なんか嫌なこと思い出させる物語だなぁ。
過去の自分を振り返るタイミングなのかもしれないけれど、今私が求めているのはこういうんじゃない。
今は無駄にザワザワしたくないのです。
ザワザワするにしてももう少し違うカタチがいい。私が主人公と同年代だったらもっと楽しく拝読できたかもしれません。
2冊目は、森泉岳士さんの著書
「村上春樹の「蛍」、オーウェルの「一九八四年」」
(2024,11,5 読了)
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1984年を舞台に超監視社会に翻弄される恋人たちを描くオーウェルの予言的長篇と1984年に刊行され「ノルウェイの森」のもとになった村上春樹の恋愛短篇、奇跡のマンガ化。
全く雰囲気の違う2作品をなぜ??と思いましたが、1冊通して拝読すると見事に違和感がありませんでした。愛を問われる2作品。
森泉さんの独特の手法で描かれた絵も絶妙にマッチしています。
ついでにいうと巻末の解説が柴田元幸さんなのが、私の心をグッと一掴み。
オーウェル氏の「1984」は先に田内志文さん翻訳で原作を拝読していますが、村上春樹さんの「蛍」は未読です。(「ノルウェイの森」は既読)
”愛”ってなんでしょうね。私はまだその実態をしっかり掴めていません。
生きることに”愛”は不可欠なものという意識はあるけれど、ときに足枷になったり苦しくなったりもします。そんな風に感じている時点で本当の意味での”愛”を理解できてないのかもしれません。
オーウェル氏の「1984」を”愛”という観点から拝読していなかったので、本書を拝読して新鮮な気持ちになりました。
これはもう少し深掘りして読む必要がありそうです。
ちょうどいいタイミングで、同じくマンガ化された田内志文さん翻訳の「1984」が手元に届いたのでこちらを近々拝読してみようと思います。
村上春樹さんの「蛍」も原作を拝読してみないと。
愛かぁ……愛ねぇ……
人生折り返し地点辺りにいる私は、色々と考えねばならない課題があるようですね。
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