角田光代著「対岸の彼女」生き辛さを抱えた女性達の成長物語
昨年年末に読んだ本です。
幼い子供を抱え、
夫の稼ぎで生きては行ける。
それでも自分の力で立ちたいと
子供を預け自分の道を切り拓いていこうと奮闘する小夜子。
その小夜子と、勤務先の社長 葵の過去の話が並行して出てくる。
この手の小説は、
各章に切り替わる毎に、
一瞬迷子になるためあまり得意ではないのだけれど、
それはさておいて。
さすが直木賞受賞作(読んでから知りました)。
最後の数十ページはのめり込むようにして読了。
「対岸の彼女」というタイトルの意味が明確に示されており、
その場面の筆力に圧倒され
鼻の奥がツンとなりました。
(号泣ではない)
内容は割愛します(えっ、、、^^;)
今から読む方のためにも。
ご参考まで↓
長編小説を読み終わった後って
やっぱり凄く気持ちがいい。
映画を見終わった後みたいに、
しばしぼーっとしてた。
森絵都さんの解説文が素晴らしかった事も、読後感に影響したかもしれません。
✳︎✳︎✳︎
心に突き刺さった言葉たち↓
(ナナコは、葵が高校生の時、ただひとり心を通わせる事の出来た友達。)
もしアオちん(葵のニックネーム)の言う通り、順番に誰かがハブられてったとして、その順番がアオちんになったとしても、あたしだけは絶対にアオちんの味方だし、できる限り守ってあげる。(中略)
あたしさ、全然怖くないんだ。そんなの。無視もスカート切りも、悪口も上履き隠しも
ほんと、ぜーんぜん怖くないの。
そんなとこにあたしの大切なものはないし。(ナナコの言葉)
マニュアルってのは、あれしなさいとか、これが常識だって説明するだけで、違うって感覚的にわかる事を邪魔すると思うんだ。
(葵が、ツアー旅行のパンフレットに書いてある文章を揶揄した言葉)
「今みんながあたしについて言っている事は、あたしの問題じゃなくあの人たちの抱えてる問題。あたしの持つべき荷物じゃない。」(ナナコの言葉)
ここまでお読み頂き
ありがとうございました❤︎