
榊浩平著・川島隆太監修「スマホはどこまで脳を壊すか」を読んで
スマホを使い始めて10年位になるかと思うのですが、
最近、完全に依存症になっていると感じます。スマホなしではもう暮らせないほど私達の生活になくてはならないものになっているから、この流れは止めようもないとは思うものの…気付いたらこんな世界になっている事に、何かモヤモヤします。
スマホ開発はそもそも軍事目的だったという話もありますが、
それはひとまず置いておいて、
日常感じている、スマホがなかった頃との違いといえば、
⚫︎気付けばスマホを触っている
⚫︎読書などしていても通知があれば見てしまうため集中出来ない。
⚫︎通知がないと寂しい。
中毒性があることは何となく気付いていましたが、SNSを利用するようになってさらにスマホを触る頻度が多くなったと感じています。
スマホを触る事が「手段」を超えて「目的」になりがち、というのが
多くの今を生きる人々の現実の姿なのではないでしょうか。
子供の脳に与える危険性
子供がデジタル機器に触れる時期がどんどん早まっていますね。
孫は現在小学2年ですが、1年生の時からgoogle chrome bookをひとり1台ずつ貸与されていて、毎日持ち歩いています。
この事が、子供の脳にどんな影響をもたらすのだろうと心配になり、書店で見かけたこの本を読んでみました。

OECD(経済協力開発機構)の発表では、世界72の国と地域に住む15歳の子供たち54万人を対象にした調査において、
学校にあるコンピュータの数が多いほど数学の学力が低く
学校でインターネットを使う事が多い国ほど子供たちの読解力が低いことが報告されているそうです。
機械は、人間が楽をするために生まれたもの
全ての家電製品、車、どれも人間の仕事を簡略化してくれました。
時間と労力を肩代わりしてくれるもの=便利と感じ対価を払って来ました。
しかし家事や移動が楽になった反面私たちは本来の家事のやり方を忘れ運動不足に陥り…
結果的に、スマホやパソコンによって、脳まで骨抜きにされそうだということです。
本来、脳は負荷がかかって初めて活動し発達していくもの。
大人はそこを気をつけてセーブする事ができる(可能性がある^^;)けれど、選択のしようがない低学年の子供にまでそれを与える事の意味を
、政府も教育関係の方ももう少し真剣に検討した方がいいのではと思いました。(受け入れざるを得ない仕組みになっているのだと思いますが。)
話を戻しますね。
著者が所属する
東北大学加齢医学研究所における11歳の子供たち223人の追跡調査によると、インターネットをほぼ毎日使用する子供の脳の発達はほぼゼロに近かったという衝撃の結果が出たそうです。
これは、ネットで得た知識は長期記憶に残す必要がないことを、脳が知っているから。
だって、またいつでも調べればすぐ出て来ますものね。
実際、私も、漢字が書けなくなっていたり、人の名前が本当に思い出せなくなっています。
その上なんでも「すぐに調べる」癖がついてしまっていて、それはすっごく便利な訳だけれど、
自分で考える事が減り
人に尋ねる事も減り
人間だからこその本来の営みを急速に失いつつある危機を感じています。
脳の「同期」
人間の脳は、体と同じように、ある程度の負荷をかけないと働かないこと、そして他人と協力して同じ作業をして達成感や喜びを感じた時には他人の脳と自分の脳が「同期」していることを、著者は脳活動を計測する機器を使って証明しています。
これは、1人で何かに取り組んでいる時には起きない脳活動だそうです。
著者は、コロナ禍に突入し人とコミュニケーションをとる際に最適だと世界中で導入されたオンライン会議において脳がどう活動するか
の研究に取り組みました。
その結果、オンライン会議では、脳活動が同期していない事がわかったそうです。
なんと、オンライン会議中の脳は、1人でぼーっとして何も考えていない時と同じ状態だったと。
ここでいう同期とは、相手と心が通じ合ったり、誰かと繋がっている感覚を得るということです。
これは、オンラインでは「視線を合わせる」という行為が物理的に不可能だからではないかと著者は言っています。
オンライン会議は適宜上手に利用し、大切な会議や面接などは対面で行う事が、現代では有効な手段なのではと私も思いました。
最後に
⚫︎オンライン習慣は、大切な機能がたくさん詰まっている前頭前野を使わない生活習慣といえる。前頭前野の成長期といえる10代はなるべく使用を控える事が望ましい。
⚫︎オンラインコミュニケーションの文化が根付き対面コミュニケーションと置き換わってしまえば、私たちの脳は「同期」しなくなり相手の表情から気持ちを推し図ったり共感する機能をとんどん失ってしまう。
⚫︎小さい頃からオンライン習慣にどっぷり浸かった人の末路には「デジタル認知症」の発症も懸念されている。日常的にネットを使用している1980年以降に生まれた世代が65歳以上となる2060年には、認知症のリスクが4〜6倍になるという指摘もある。
✳︎✳︎✳︎
私自身気づくとスマホを触ってしまっていることが多いです。昨日のスクリーンタイムは6時間でした(そんなにやっていたとは😱)
スマホ使用でどれだけの生産性が失われていることかと少し残念な気もします。
でも、noteのお陰で刺激を頂いていることも事実です。(ただ読むだけでなく自ら発信することが脳を活性化するということもこの本に書かれていました)
ですので、
日常で意識して時々デジタル・デトックス(遠くに置いて触らない、など)を実施しながら上手に活用していきたいと考えを新たにしました。
ここまでお読み頂き
ありがとうございました❤︎
ちなみに…
メトロノームの同期↓