#125 夜の灯りを喰らうひと
夜の灯りが地上に広がる
このひとつひとつの灯りに
人生があり幸せがある
今夜も地上に広がる灯りに手を伸ばすと
灯りは一粒のあめ玉となり
彼はそれを口に運んだ
誰かの幸せが胃袋に広がる
叶うなら、喰らう側ではなく
これら一つの
ただの灯りになりたかった...
そんな憂鬱を抱きながら
彼は灯りのあめ玉をもう一粒口に入れた
あぁ 胸が焼ける
でも 今夜はもう少し喰らわねば
この夜の灯りが
これ以上
暗い夜を侵さぬように__
書く習慣アプリのお題「夜景」から #ショートショート