2024年6月の読書・鑑賞ログ
2024年6月に読んだ本や観た作品で、印象的だったものを記録します。
俺ではない炎上(浅倉 秋成)
「して、やられた!」
読み始めてすぐに、「誰が犯人で、どんなトリックを使っているのか?そもそも目的は何のか?」がめちゃくちゃ気になりました。
そして、いっきに読み進めてしまい、まんまと作者のトリックにひっかかるという。
めちゃくちゃ面白かったです。
『俺ではない炎上』は2024年に出版された、浅倉秋成さんのミステリー小説。
会社員の主人公のTwitterが、ある日とつぜん炎上してしまいます。
「女子大生殺害の犯人」として、顔や名前、自宅、勤務先も特定されて。
当の本人は、女子大生殺害なんてしていないし、Twitter自体も使っていなかったのにです。
いったい誰が、なんのために、自分に罪をきせているのか?
警察どころか、炎上で話題の人を捕まえてやろうと、ユーチューバーや一般人からも追われる主人公。
そんなスリリングな中、どうやって真犯人を捕まえればよいのか?
というストーリーです。
気になった方は、ぜひぜひ読んでみてください。
きみのお金は誰のため(田内 学)
「働き方」や「人とのつながり」に対しても、視点が変わった
お金だけでなく何事も、人と「奪いあう」のではなく「共有する」ことが大切だと聞きます。
「分かち合い」や「共同体感覚」も同じく。
たしかに平和的だし、「そうした方が良いよね〜」とは、思います。
ですが、なぜそうした方が良いのかの理由が、どこか腹落ちしていない感がずっとありました。
そのモヤっとした感覚が、本書を読んでからは腹落ちできて、スッキリ!
自分も「未来を共有する意識を持ちたい」と感じ、日々の過ごし方を変えたいとも思えました。
そうすると「働き方」や「人とのつながり」に対しても、今までと視点が変わり、まるで心理学の本を読んだ気分です。
説明も、めちゃくちゃ分かりやすい!
『きみのお金は誰のため』は2023年に出版された、お金や経済を学ぶ本です。
・お金は、1人1人には価値があるけど、全体になると価値がないのは本当?
・まずいクッキーを相手に食べさせるには?
など、謎解きを考えながら読みすすめられるのも良かったです。
謎の答えが気になった方は、ぜひ読んでみてください。
よく、「うばいあいの世界」から「共有する世界」へと意識を変えることが大切だよ、とは言うけど、それがどういうことなのかサッパリ理解できない。
だけど、本書を読んで、ストンと腑に落ちた。
お金以外のことも、働きかた、人と人のつながりも、視点が変わった
自分も、未来を共有することへ意識を向けて、日々の過ごし方を変えよう思う
個人だけと価値があるけど、全体になると価値がない
まずいクッキーを相手に食べさせるには
インフレの説明もめちゃくちゃわかりやすかった。
ユダヤ人の成功哲学『タルムード』金言集(石角 完爾)
「魔法のザクロ」や「キツネとぶどう畑」など、ユダヤ人の英知がこめられた物語が多数紹介されています。
日本人の僕らも話の流れは知っているけど、ふだん活用したり、その物語について議論することがありません。
ですが、ユダヤ人の場合は、親から物語を聞かされて「あなただったらどうする?」と、家族で思考のトレーニングをしているのがすごすぎます。
「ノアの箱舟」には「つがいなら乗れる」という条件を聞いて、「善と悪を一緒に船に乗せる」と発想したり。
「小魚と水」の「見えない物に価値がある」という話から、権利や知的財産、さらには自国語以外の言葉を学ぶことに重きを置いたり。
ユダヤ人って、ホントすごいですね。
どちらかというと、成功法則を学ぶというよりも、ユダヤ人のすごさ・生活様式を学びたい方におすすめの本です。
人類の物語 ヒトはこうして地球の支配者になった(ユヴァル・ノア・ハラリ)
野生動物だった人類が、集団を作り、大陸を移り住んでいくまでの歴史が、おもしろく紹介されている本です。
ライオンより力が弱く、空を飛べるわけでもない人間が、どうやって生きのびて、地球を支配するほどにまでなったのか?
僕はその答えを、「人間が火を使えるようになったから」かと思っていました。
ですが、正解はちがいました。
答えは「人間が物語を考えられるようになったから」と著者は言います。
あるひとつの物語を語って、その物語をみんなで信じる。
そうして、みんなで力をあわせると、マンモスも倒せる。
「たしかに、現代の会社も同じだなー」って感じました。
本書は小中学生向けですが、人類の歴史を違った視点から見れるので、大人が読んでもめちゃくちゃ面白かったです。
「書く力」の教室(田中 泰延、直塚 大成)
ライターが制作物をクライアントに納品するまでの流れを、授業形式で学べる本です。
資料の集め方、取材の準備・方法がくわしく書かれていて、めちゃくちゃ勉強になりました。
とくに、「調べる」と「準備」の大切さが身にしみます。
今まで、「調べるの大変だな」って思っていた自分が、いかに初歩の段階で弱音をはいていたのかを、思い知りました。
図書館に通う頻度を上げたいライターにも、おすすめの1冊です。
龍が如く劇場版
2007年に公開された、プレステ用ゲーム『龍が如く』の実写映画です。
懲役を追えて戻ってきた主人公(演:北村一輝)は、母親を探す少女と出会う。
主人公は母親探しを手伝いながら、元所属していた暴力団組織から100億円が盗まれる事件にも巻き込まれていきます。
ストーリーは、ゲーム『龍が如く』をプレイした人にしか分からない作りです。
むしろストーリーは無くて、「ゲーム中のこのシーンを再現してみました」を楽しむ作品に感じられました。
本来であれば、ゲームだからこその
・コンビニやドンキホーテの中で、派手にあばれまわる
・仲間もどんどん撃ってるやん
・バトル中にアイテムを使ってスタミナを回復する
などのシーンを、マジメに再現しているのが「プッ」と、笑えてしまいます。
また、同じ街で同時に発生しているサブクエストまでもを再現していて、「そこも盛り込むんかい」とツッコミたくなります(笑)
ゲーム『龍が如く』をプレイした人は、ぜひ観てみてください。
(映画)パラノーマル・アクティビティ
2007年に公開された、アメリカのホラー映画です。
主人公の青年が、彼女と同棲を始めると、家の中で怪奇現象が起きるようになります。
夜中に物音がしたり、トビラが勝手に開いたり。
謎の原因をつきとめるため、青年はカメラを購入します。
家の中を録画撮影しはじめると...というストーリーです。
実際に録画した映像を編集しているのでは?と、思わせるような作りであるのと、自分たちの身にもふつうに起こりえそうなことなので、不気味さが増します。
なお、DVD版には「稲川淳二と観るモード」が特典であるようです(笑)
この特典をつけるという発想が、面白すぎます。
ドラマ 密漁海岸(岸辺露伴は動かない 第9話)
2024年5月に公開された、漫画『ジョジョの奇妙な冒険』の外伝作品『岸辺露伴は動かない』の、実写ドラマ版です。
ある日、露伴(主演:高橋一生)とマネージャーが訪れたイタリアンレストランには、「お客さんの体の不調を、なんでも治してしまう」という、不思議な料理人がいました。
そんな不思議な料理人は、どうやら伝説のクロアワビを求めて日本にやってきているようで...というストーリーです。
実写ドラマ版では、クロアワビを捕獲する話だけでなく、仗助と億泰がイタリア料理を訪れた話が、露伴バージョンになっていることにおどろき!
第5話「背中の正面」の「絶対に背中を見せない男」と同じく、実写だと奇妙過ぎて笑えます。
漫画『ジョジョの奇妙な冒険』を読んでいなくても、TVドラマ『世にも奇妙な物語』が好きな方にはおすすめなドラマだと思います。
アニメ映画 聲の形
2016年に公開されたアニメ映画で、原作は大今良時さんの漫画。
クラスの中でも、ガキ大将的な存在の男の子が主人公。
そんな主人公の通う小学校に、聴覚障害をもつ女の子が転校してきて、クラスではある事件がおきます。
その後、事件の影響は高校生になった主人公の心にも根深く、ある日、思いきって...というストーリーです。
普通に恋愛物語なのかと思って本作品を観たので、意外な内容にビックリ。
いつか急に、主人公がブチ切れてしまうんじゃないかと、ヒヤヒヤ感。
そして、植野さんのあばれっぷりにおどろきです。
次の日には加害者と被害者が、入れ替わってしまう。
そして、自分がターゲットにならないように息をひそめる。
そんな小学生時代を思い出しました。
「5年後も10年後も、その人とは付き合っていくんだよ。それならどう行動する?」
そんな言葉を問いかけられたような気がして、人間関係について考えさせられる映画でした。
人によって、映画の感想がかなり違いそうな作品です。
あなたはどう感じましたか?
以上、最後までご覧いただき、ありがとうございます。
「同じ作品を見たよ」などあれば、ぜひ感想を教えて下さい。