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6月はハダカで自転車に乗る人が増える!

6月は主に北半球で全裸で自転車に乗る人が増える月

いきなりおかしなこと言ってごめんなさい。
でもこれは事実です。

今回クロサキナオさんの6月の企画に参加する記事を書きたくて調べていたところ、6月、ロンドンで裸で自転車に乗り市内を走り回るというクレイジーなイベントが開催予定と知りました。

このイベント、2004年から20年続いていて、1000人以上の男女が参加する有名なイベントみたいです。

ほぼ全裸で自転車にのってロンドン市内を走るらしいのですが……。


なんでそんことやるの?
何が目的?


色々疑問に思い調べてみました。
今回はそんな記事です。


WNBR =World Naked Bike Ride


Naked=裸で
Bike Ride=自転車にのる

文字通り裸で自転車にのるイベントらしいのですが……


なんで? (笑)

理解に苦しむので、答えを求めてホームページを見てみました。

WNBRロンドンは非営利の非法人団体である。WNBRロンドンは非営利の非法人組織であり、その会則によって定義された会員制組織である。このキャンペーンは、一般市民を楽しませ、メディアの注目を集め、楽しく、行儀よく、合法的な見世物となることで、そのテーマへの注目を集めることを目指している。WNBR UKおよび世界的なWorld Naked Bike Rideネットワークに加盟している。他のプロテスト、サイクリング、ナチュリスト団体とは無関係。

WNBR London 

なるほど。


「一般市民を楽しませ、メディアの注目を集め、楽しく、行儀よく、合法的な見世物となることで、そのテーマへの注目を集めることを目指している」


そういう目的があったのですね。

じゃあ、注目を集めて何を啓蒙したいのでしょう?

毎年恒例のWNBRロンドン・ネイキッド・バイク・ライドは、無料で、楽しく、合法的で、すべての人にとって世界をより良い場所にしている価値のあるイベントです。

よりクリーンな環境、より安全な道路、より健康的なライフスタイル、より良い態度!このイベントはサイクリストの脆弱さを示し、自動車文化への抗議でもある。WNBRは世界的なキャンペーンで、いくつかのテーマが関連している。

その目的は以下の通り:

世界的な石油依存への抗議
自動車文化の抑制
サイクリストの真の権利を獲得する
市街地におけるサイクリストの脆弱性を示す
身体の自由を祝う

WNBR London

なるほど。

  • 世界的な石油依存への抗議

  • 自動車文化の抑制

  • サイクリストの真の権利を獲得する

  • 市街地におけるサイクリストの脆弱性を示す

  • 身体の自由を祝う

このイベントにおいて主催者や参加者が発信したいテーマも理解できました。


ガソリン減らしてケツ増やせ!

少々刺激のつよい見出しですが(笑)
これはWNBR in シカゴのスローガンの1つだとか。

昨年開催されたWNBR Chicago 2023では、

"Less gas, more ass!,(ガソリン減らしてケツ増やせ!)

"Nude, not rude!"(ルード(無礼者)じゃなくてヌードだよ!)

といった、韻を踏んだキャッチーなスローガンがあったそうです。

WNBRはロンドン、シカゴ以外にもアメリカの大都市で開催されているみたいです。


ワシントンDC.(2024年6月15日開催予定)

ミルウォーキー(2024年6月22日開催予定)

しかもなぜか6月が多い。つまり6月は北半球で裸で自転車にのる人が増えるのです。

話をまとめます。

このイベントの趣旨は大きく分けて2つあって、1つは「化石燃料を減ら自転車をもっと普及させていこうぜ」といういわゆるサステナビリティの視点。

もう1つは「ありのままで美しい」や「みんな同じだ」といういわゆるダイバーシティの視点。

いかにも欧米で人気が出そうなイベントだなと思いました。


公衆で裸になる文化は日本も負けてない

どちらも素晴らしい信念だとは思いますが、その信念を主張するために裸になって自転車乗ろう!って発想がすごいですよね。

日本で生まれ育った私には到底考えつかないし、理解もできない。

当然、実行もできない。さすが欧米人、と思ってしまいます。

ロンドンのイベントでは毎年1000人以上が参加するとのこと。

信念に賛同しているのか、単に目立ちたいだけなのかわかりませんが、いずれにしても裸で自転車乗る人が1000人も集まるのはすごいことだと思います。


WNBRは欧米で人気のイベントですが、日本人でこれに参加したいと思う人ってきっと少ないと思います。

サステナビリティやダイバーシティの信念に賛同したとしても、人前で全裸をさらすハードルは高い。羞恥心が勝るからです。


一般的に日本人は海外の人に比べるとオープンさは欠ける傾向ですよね。

パーソナルスペースも広めにとるし人前でハグやキスをする文化でもない。私はそれらは全て日本人のシャイさからくると思っていました。


つまり、日本人は欧米人に比べて恥ずかしがり屋で、その「恥ずかしがり屋」というのは肌の色、髪の毛の色、話す言語の違いと同等の根本的な差異だと思っていたのです。

ところが、調べてみた結果、その考えは必ずしも正解ではないことがわかりました。

というのも、日本では明治中期まで銭湯は男女混浴だったからです。

江戸の銭湯は「入(い)り込(こ)み湯」といわれ、男女混浴でした。これは江戸末期まで続きました。石榴口の中は暗く、風紀を乱すものも少なくなかったのでしょう、何度か禁止令が出されます。しかし、実際はなかなか改まらず、天保の改革(1841~43)の際、厳しく取り締まりが行なわれました。その結果、浴槽の中央に仕切りを取り付けたり、男女の入浴日時を分けたり、また男湯だけ、女湯だけという銭湯も現われました。

 時代は移って明治の世になると、明治政府は幕府以来の旧弊として、男女入り込み湯は特に厳しく禁止し、たびたび通達を出します。しかし、長年の風習はそう簡単には改まりません。実際に混浴がなくなったのは明治中頃でした。

東京銭湯(東京都浴場組合)

銭湯が男女混浴……。
現代の日本では考えられませんよね。

混浴文化が途切れたのは、「黒船来航」で有名なペリー提督ら欧米人に不適切であると指摘されたからだそうです。


『ペリー提督日本遠征記』という書物があります。


アメリカ政府がペリー提督監修の元、日米交渉の軌跡やペリーの目を通して見えた当時の日本文化について書かれた書物です。

この『ペリー提督日本遠征記』にある「下田の公衆浴場」という挿絵。

この挿絵は数ある挿絵の中で欧米社会に最も衝撃を与えた挿絵だそうです。


この挿絵をみた欧米人は、

男女が裸で一緒に湯につかると日本人はなんと淫らなんだ!

と思ったとか。

これらのことからわかるように「日本人が欧米人比べて恥ずかしがり屋だ」という説は必ずしも正しくありません。

それどころか、約140年前にWNBRみたいなことを先取りしているのですから、実は私たち日本人って欧米人に引けを取らない大胆さをポテンシャルとして持っているのかも、とさえ思ってしまいました。


まとめ

WNBRで裸で自転車を乗り回す欧米人に対して、

「欧米人すごいな。われわれ日本人の羞恥心ではそんことできないぜ」

と思っているのに、黒船来航のころは逆に欧米人からそう思われていたという事実。

個人的にとても興味深かったです。

いつの間にか逆転しちゃったのでしょうね?この逆転劇にも歴史的背景があるのでしょうから、今度時間があるときに探ってみようと思います。

そして価値観は時代によって一変する、ということをまざまざと思い知りました。

140年前とは今では全く異なる価値観の中で生きていることがわかったと思います。


今は時代の流れも早いので、数十年、数年で価値観が変わることだってあり得るのではないでしょうか。

あらためて、新しい価値観も柔軟に受け入れる自分でありたいと思いました。


最後に一言。WNBRの自転車をもし来年も使いまわすなら、次に乗る人のためにサドルは交換してあげてね(笑)

ではまた!

☂この記事はクロサキナオさんの企画参加記事です☂
#クロサキナオの2024JuneJaunt

https://note.com/kurosakina0/n/nc219c459e047






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