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これからの「休日」を考える、ポイントは連続勤務と割増賃金〜労働基準関係法制研究会 第10回資料
厚生労働省の「労働基準関係法制研究会」第10回の資料が公開されました。
今回はこの研究会の資料から、「休日」について、ちょっとお硬めの話を。
ポイントは、連続勤務が何日まで認められるかというお話と、「法定休日」に働いた場合の割増賃金についてです。
1.そもそも休日は法律でどのように決まっている?
労働基準法第35条には、このように定められています。
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この、法律で決められているお休みを、法定休日といいます。
しかしこの法定休日、
・毎週少なくとも1回の休日
とあるのに、
・4週間で4日以上の休日があれば、「毎週少なくとも1回」は適用しない
とある。
どういうこと?と思いますよね。
つまり、4週間で4日以上お休みにすれば、連続勤務については決まりがない、ということになっているのです。
2.制度上は連続勤務48日が可能?!
4週間で4日以上(つまり4日でもよい)のお休みがあればよい、ということは、制度上、以下のように、最大でなんと48日の連続勤務が可能ということになります!
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理屈では、そうです。
ですが、昭和23年の通達ですでに、
「第1項が原則であり、第2項は例外であることを強調し徹底させること」
とクギが刺されています。
働く人のストレス強度でも、精神障害の支給決定件数でも、「2週間以上」「30日以上」の連続勤務が、働く人に与える負荷が大きいことが明らかになってもいます。
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ですが、制度上の歯止めはない。
いまは人手不足なので、そこまでの連続勤務を求めたら転職されてしまうと思いますが、今後のことを考えると、せめて連続勤務は2週間までとする制限か欲しいところです。
3.割増賃金のつく休日、つかない休日がある
労働基準法第37条では、「休日に労働させた場合」には、割増賃金を払わなければならないことになっています。
時間外労働について払われる残業手当とおなじく割増賃金という条件をつけることにより、長く働かせたり、休日に働かせたりすることにブレーキをかけようというものです。
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ですが、この「休日」とは、さきほど触れた「法定休日」のことのみをいいます。
つまり、1週間に1日、4週間に4日のお休みが「法定休日」。
この日に働く場合は、割増賃金を払わなければいけないことになってきます。
労働基準法では、2割5分以上5割以下とありますが、法令で、3割5分となっています。
では、1週間に2日以上、4週間に5日以上のお休みがある場合は、どの日を法定休日と考えるのでしょう?
実は、これも、明確には決められていません。
この日が法定休日だと「特定しておくことが望ましい」とは言われています。
ですが裁判でも、「レガシィほか1社事件」(東京高判平成26年2月27日)で、「就業規則の合理的な解釈として日曜日が法定休日とされていたものと認めるのが相当」と、法定休日を特定しているのが珍しい例で、それ以外は、「毎週1回休みがあれば法定休日労働の問題は生じない」「2日の休日どちらか一方について出勤させても,他方が休みであれば労基法35条違反の問題は生じない」とされています。
つまり、週に休みが2日あれば、割増賃金が生じない、というものです。
ただし、あらかじめ法定休日がこの日と特定されていて、その日に働くことになると、週に休みが2日でも、もちろん法定休日の勤務は割増賃金が発生します。
お休みの予定を急遽変わることは、働く私たちのモチベーションからいっても、あまり嬉しいことではありません。
法定休日を特定しておいたうえで、その日を出勤にすることは最大限避ける。
もし出勤になってしまったら、予定変更の埋め合わせとして、割増賃金を支払う。
それが、これからいちばん従業員にやさしいやり方かもしれません。