マガジンのカバー画像

日々の歌

17
短くも深い31文字の世界へ勇気を出して飛び込んでみたところです。 少しずつやってみようと思います。
運営しているクリエイター

記事一覧

雨上がり花の香りが幾重にも窓辺に届きまぶた緩まる

芳しいジャスミンの花玄関の隅照らし在る心のよすが

若葉萌ゆ吹く風みどりに染め上げて故人を迎え送る火のよう

花落ちてひとひらひらり音を飲む後先むすび今ここ光る

気がかりがとけてなくなり香の煙ただまっすぐに立ち上る宵

羊水を懐かしむ雨包む春
吸って吐いてなみだも流れて

歪さがいとおしいとほお濡れて凍てつく涅槃微笑みて待つ

紅葉を映しゆらめく水の奥鯉の尾ひれに拐かされて

天高く窓辺に秋風すべり込み遠く囀る日向の小鳥

秋の陽が草を黄金に染め照らし
そこだけまるで天国のよう

泣く君に心ちぎれて愛を知る
熱く濃いのにうっすら冷たい

ひるひなかパクリと口をあけて虚無 気づいていたり 気づかなかったり

不自由に愛を見出し味見して息が詰まって2歩下がるとこ


地下鉄のホームの奥に在る虚空 喧騒隔てた不可侵の凪