若葉萌ゆ吹く風みどりに染め上げて故人を迎え送る火のよう
芳しいジャスミンの花玄関の隅照らし在る心のよすが
雨上がり花の香りが幾重にも窓辺に届きまぶた緩まる
気がかりがとけてなくなり香の煙ただまっすぐに立ち上る宵
花落ちてひとひらひらり音を飲む後先むすび今ここ光る